温泉旅館の浴衣とセットである羽織の使い方

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旅館やホテルに泊まった際に、浴衣と一緒に用意されているのが「羽織(はおり)」です。

羽織の種類や素材、織り方

温泉旅館やホテルで提供される羽織の中で、一番よく見かけるのが、腰丈で袖がある「茶羽織」「半天(はんてん)」と呼ばれるものです。

腰丈で袖なしの羽織は、「陣羽織(じんばおり)」「袖なし半天」などと呼び、また、膝くらいまでの長い丈の羽織を「丹前」と呼びます。

素材は、一般的にウール・ポリエステル・アクリルの3種類。100%のものや混紡のものがあります。

また、織り方の種類も、一般的な平織りの他に、梨の皮のような細かい凹凸感を出す梨地織りなど、さまざま。

ちなみに、羽織の柄にシックなものが多いのは、色や柄が多様な浴衣に喧嘩せず、合わせやすいからです。

羽織の役割は防寒

どの種類の羽織も役割は、湯冷めを防止するための防寒着です。

丹前の中には綿が厚く入っているので、防寒性がより高くなります。

湯上がりだけに限らず、外出する際の防寒着としても活躍しますよ。

羽織の着方

羽織の正しい着方は、とってもシンプル。

ジャケットのように浴衣の上から重ねて着て、内側の浴衣の袖を整えたら、羽織の前についている紐(帯)を縛って完成です。

浴衣を着用せずに羽織を着たり、羽織の紐を締めずに着たりするのは、身だしなみ的にNGです。

浴衣を着た際に気をつけたいマナー

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浴衣を着て美しい立ち振る舞いができたら、さらに温泉旅行が楽しくなるでしょう。

ここでは、浴衣を着た際に気をつけたいマナーや所作を説明します。

しゃがむ時やイスに座る時は、両膝を揃える

片足を出したり足を広げたりすると、浴衣がはだけて足元があらわになってしまいます。

しゃがむ時は、両膝を揃え上半身を真っ直ぐしたまま腰を落とすと綺麗。

イスに座る時は、浅めに腰掛け背筋を伸ばして両膝を揃えて座りましょう。

食事の際、手を伸ばす時は浴衣の袖口を押さえる

食事の際に奥の物を取る時は、伸ばす方の浴衣の袖口をもう一方の手で軽く押さえます。

袖が邪魔にならずにすみ、袖の中の腕が丸見えになるのも防げます。

階段やトイレでは裾を持ち上げる

階段の上り下りをする際は、裾を踏んで転んだり階段で擦ったりしないよう、浴衣の外側の衣を軽く持ち上げながらゆっくり進みましょう。

トイレでは、裾を帯に挟むと便利。最初に外側の裾を、次に内側の裾を挟むと上手くできます。

トイレから出る際は、戻して整えるのをお忘れなく。

朝食の際は、身だしなみを整えて

一般的に、共同の食事処に、夕食や朝食に浴衣を着て行ってもマナー違反ではありません。

ただ、浴衣が着崩れていると他のお客さんに不快感を与えます。

さっと浴衣のシワを伸ばすなど、最低限の身だしなみはして行きましょう。

浴衣の上に羽織を着ると、シワなどが目立たず安心です。

ただし、旅館やホテルによっては、浴衣のまま客室外・宿外に出歩くのはNGの場合もあるので事前に確認しておくと安心です。

外出は浴衣でOK

温泉地では、旅館の浴衣で外出OKのところが多いです。寒くないよう羽織を着て出かけましょう。

旅館によりますが、下駄、ぞうり、ゴムスリッパなどの履物が用意されていることもあります。

温泉街の坂や石段などを、慣れない下駄やぞうりで歩くときは、転倒しないよう気をつけましょう。

食事のマナーと同様に、旅館やホテルによっては、浴衣のまま客室外・宿外に出歩くのはNGの場合もありますので、併せて事前に確認しておくと安心です。

素敵に温泉浴衣を着こなして、楽しい温泉旅行を!

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素敵な温泉旅館に泊まっても、温泉浴衣が着崩れないか心配しながら過ごしては、リラックスもできないでしょう。

今回ご紹介した温泉浴衣の着方や帯の結び方のポイントを参考に、素敵に温泉浴衣を着こなして温泉旅行を存分に楽しまれてください。