画像提供:古屋旅館

温泉経営者がおすすめする一度は泊まりたい温泉宿#第1回 熱海温泉-古屋旅館-

更新日:2021年1月15日

世界屈指の温泉大国である日本。近ごろは「都市型温泉」やアクセス困難な「秘湯」なども人気となっています。そしてやはり温泉地を訪れる際には「温泉宿」を重視している方も多いのではないでしょうか。そこで今回は特別企画としまして、今現在、温泉業界の第一線でご活躍されている温泉宿の経営者の方に、温泉宿のこだわりについてインタビューしてみました。さらに、次回の「おすすめ温泉宿」をご紹介いただくリレー形式で連載をお届けします。

新型コロナの影響により、各施設の営業状況は変更の可能性があります。詳細は公式HPをご確認ください。らくらく湯旅では引き続き読んで楽しめる温泉情報を発信していきます。

第1回!スタートは熱海温泉の「古屋旅館」

第1回はらくらく湯旅編集部の中でもファンが多かった、熱海温泉の古屋(ふるや)旅館へインタビューを行いました。

画像提供:古屋旅館

1806年に創業した古屋旅館は、200年以上もの歴史がある旅館です。

熱海の市街地にあり、江戸時代より湧き出ている熱海七湯の一つ「清左衛門(せいざえもん)の湯」を加水・循環・過熱無しで使用する唯一の旅館でもあります。

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館内には古き良き時代の遺産を展示、敷地内には石碑や古屋天満宮などが建立されており、歴史と伝統、そして文化を感じることができます。

創業215年の老舗旅館経営者!熱海温泉「古屋旅館・内田宗一郎さん」

古屋旅館の代表を務める内田宗一郎さん。

さっそくお話を伺いました!

◇らくらく湯旅編集部(以降 らく湯旅):特別企画の栄えある第1回を飾るのは、熱海温泉古屋旅館代表の内田宗一郎さんです。よろしくお願いいたします。

◆内田さん:とんでもございません。よろしくお願いいたします。

◇らく湯旅:では最初に、200年余りの歴史ある旅館ということですが、これまでの歩みについてお伺いできますでしょうか。

◆内田さん:はい。私共は約500年前から家系図が残っていて、そのころから熱海にいたんですね。そのころの熱海はどのような状況だったかというと、おそらく海しかなかった状況だったようで。

山梨県の武田の方に内田姓と古屋姓が多く、屋号が古屋旅館で内田姓なので、山梨から落武者として島流しにあったのではないかと先祖から伝わっております。

創業が1806年になっておりますのは熱海の古いお寺に記録があるからで、実際はもう少し前から営んでいたのではないかと分析しています。

熱海温泉自体は一番最初に文筆に出てくるのが西暦700年くらいの「続日本記」と記憶しています。

◇らく湯旅:ものすごく前から開かれたのですね。

◆内田さん:江戸時代には徳川家康が3回ほど訪れたことでも有名です。徳川家康が湯治をして以来、熱海は徳川将軍家との関係が深まり、江戸まで大きな樽に入れて温泉を献上していたことも記録に残っています。

当時は無色透明な温泉が格が高く、非常に好まれていたと聞いています。

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◇らく湯旅:ありがとうございます。次に古屋旅館が建つ熱海温泉がどのような場所なのかお伺いできますでしょうか。

◆内田さん:はい。熱海は伊豆半島の付け根にありますので、神奈川県と勘違いされる方が多いですね。車で5分くらい走ると神奈川県です。

東京からは新幹線でひかり号だと35分、こだま号だと50分と非常に首都圏から近いということで。今特にマイクロツーリズム(自宅から1時間の移動圏内の「地元」で観光する近距離旅行の形態)って言われていますので、首都圏からのお客様が非常に多い温泉場であると言えます。

箱根とかに比べると自然のイメージがないんですけれど、目の前が海で、車で5分も走ったら山の中に行けるので、海も山も近く自然に囲まれた温泉場です。

山に囲まれているのがモナコによく似ていると言われます。昨日も花火大会があったんですけれど、爆発音が山に反響してものすごい迫力なんです。

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◇らく湯旅:ありがとうございます。アクセスや見どころが多いようで、訪れるたびに違った楽しみ方ができそうですね。では、古屋旅館についてお話を聞かせてください。

◆内田さん:熱海の中では一番古い旅館で、ありがたいことに熱海七湯の一つ「清左衛門の湯(せいざえもんのゆ)」を単独で使わせてもらっています。

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宿は熱海市街の中心部にあり、熱海の航空写真でも真ん中に位置していまして。熱海駅まで徒歩10分、熱海港までも徒歩10分と、本当に街のど真ん中という立地になっています。

なので、徒歩観光もしやすいとお客様からも喜ばれています。

ただ、目の前に大きなホテルがあるので40年位前から海は全く見えません。それにもかかわらず泉質とサービスの部分でお客様から支持をいただけています。

熱海というとオーシャンビューというイメージがありますが、海の見えない宿がたくさんあります。それでも泉質で支持を受けている旅館が多いのかと思います。

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◇らく湯旅:古くから続く宿ですが、建物も歴史のあるものなのでしょうか。

◆内田さん:改装を重ねておりますので、一番メインの建物が昭和時代のものですが、木造ではなく鉄筋の造りです。

◇らく湯旅:佇まいからも歴史を感じることができますね。次にサービス面でお伺いできますでしょうか。

◆内田さん:私共はコロナ以前より部屋食となっておりまして、他のお客様と接せずに安心・安全の中でお食事を召し上がっていただけます。

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表面的なおもてなしは特に行っていません。お客様のみならず、業者様、宅配便や営業でいらした方々などの古屋旅館を陰で支えてくださる皆さまもお客様をお迎えするのと同じように対応しております。

当館では笑顔を大切にしています。入社された従業員はまず最初に「笑顔研修」を行います。さらにお客様の口コミを分析をしてマニュアルを作成し、人によって接客の差が出ないような工夫をしています。どうやって個人のおもてなしの気持ちを伝えていくか、今工夫を重ねているところです。

◇らく湯旅:出入り業者さんへもお客様と同様のおもてなし、素晴らしいです。当たり前のようですがなかなかできることではありませんよね。

お料理につきましても、こだわりがありましたら教えていただけますか。

◆内田さん:ベースは京都の懐石料理で、少量多品種という形でお出ししています。一つ一つ素材の味を引き出すことにこだわっています。

熱海といえば海鮮を思い浮かべると思います。厳選した食材をお出ししておりますが、特に刺身は6つの調味料を組み合わせて食べていただくようにしたり、エンターテインメント性も重視しています。

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◇らく湯旅:提供するお料理一つ一つこだわりがあるかと思いますが、その中でも特にこれは味わっていただきたいという逸品はありますか?

◆内田さん:宿の名物として胡麻豆腐を必ずお出ししています。今まで召し上がったことのある胡麻豆腐とは食感が異なり、プリンのような一品です。スペシャリティではございませんが、当館の特徴的な一品でお客様に喜んでいただいています。

◇らく湯旅:胡麻豆腐、とっても気になります。常に提供されているのが嬉しいですね。私も投宿して胡麻豆腐をいただいてみたいです。

次に熱海滞在時におすすめの楽しみ方を教えていただけますでしょうか。

◆内田さん:当館の場合は徒歩圏内にたくさんの観光スポットがあります。熱海駅も徒歩で行けますし、「熱海サンビーチ」まで徒歩3分で行くことができます。

夏は海に入られる方が多いですが、それ以外の季節でも散歩やジョギングが楽しめます。

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それから、熱海銀座通りという目抜き通りがあり、休日には行列ができる大人気の「熱海プリン」の2nd店があります。

牛乳瓶に詰められたなめらかな口当たりが特徴のプリンは、熱海の厳選された一品が集められる「熱海ブランドA-PLUS」に選ばれた逸品です。

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繁華街も近いので、お食事の後にバーなどに出かけることもできます。
お客様によっていろいろな使い方ができる旅館かなと思います。

古屋旅館・内田宗一郎さんがおすすめする温泉宿

◇らく湯旅:「らくらく湯旅」ではリレー形式で温泉宿を紹介していきます。内田さんがおすすめする一度は宿泊してみたい温泉旅館をご紹介いただけたらと思います。

◆内田さん:修善寺(しゅぜんじ)温泉の「〇久(まるきゅう)旅館」はいかがでしょうか。

◇らく湯旅:静岡県伊豆市にある修善寺温泉の「〇久旅館」ですね。なぜ、そちらの旅館がおすすめなのでしょうか?おすすめするポイントをお伺いできますか?

◆内田さん:まず、修善寺という場所が最高です。自然を感じることができ、東京からも踊り子号で向かうことができます。弘法大師ゆかりの温泉場として古くから知られている名湯です。

〇久旅館は、「弘法の湯」を源泉としています。現代風な印象もありますが和を感じさせる洗練された佇まいで、お部屋も綺麗ですね。

お食事についても、地産地消を心がけており、地元の食材を使った料理を楽しむことができます。

また、若旦那さんがとにかくいい方で、全てのサービスに若旦那さんの人柄がにじみでています。若旦那さんを筆頭に、従業員のみなさんも温かい接客で心地よい空間を満喫できるので、おすすめです。

<施設情報>
修善寺温泉 〇久旅館
住所:静岡県伊豆市修善寺 1146
電話:0558-72-0260
アクセス:
<電車>伊豆箱根鉄道・修善寺駅からバスで約10分/修善寺温泉バス停から送迎
<車>新東名高速道路・長泉沼津ICから30分時間/伊豆縦貫自動車道・沼津ICから約40分

温泉好き「らくらく湯旅」ユーザーへのコメント

◇らく湯旅:最後に、「らくらく湯旅」ユーザーへ一言おねがいします。

◆内田さん:当館WEBサイトでも告知しておりますが、早い段階からコロナ対策を行っており、安全には特に力を入れております。このような状況下ですが、ぜひお越しください。お待ちしております。

◇らく湯旅:本日はお忙しい中お時間を頂戴いたしましてありがとうございました。


首都圏から気軽に行ける熱海温泉。古屋旅館は200余年の歴史に、熱海七湯の一つ「清左衛門の湯」を引く温泉、京風懐石料理の夕餉(ゆうげ)を楽しむだけではなく、滞在時の過ごし方を選べるのは嬉しいですね。

宿でのんびり過ごすもよし、周辺散策をしてアクティブに過ごすのもよし。それぞれの楽しみ方で熱海温泉を満喫してみてはいかがでしょうか。
 
<基本情報>
熱海温泉 古屋旅館
住所:静岡県熱海市東海岸町5-24
電話:0557-81-0001
ホームページ:https://atami-furuya.co.jp/
アクセス:
<電車>JR・熱海駅から徒歩10分
<車>小田原厚木道路・厚木ICから約1時間/伊豆縦貫自動車道・沼津ICから約45分