標高1800m!日本一高い場所にある万座温泉の歴史探訪

更新日:2021年5月3日

軽井沢の奥座敷として古くから親しまれてきた「万座(まんざ)温泉」。標高1800mに位置する、日本一空に近い温泉地でもあります。そんな万座温泉は、いつ頃、どういった理由から開湯したのでしょうか。また、何をきっかけに全国へと広がっていったのか…。万座温泉にまつわる歴史を一つ一つ探っていきましょう。

新型コロナの影響により、各施設の営業状況は変更の可能性があります。詳細は公式HPをご確認ください。らくらく湯旅では引き続き読んで楽しめる温泉情報を発信していきます。

高濃度硫黄泉で有名!万座温泉とはどんなところ?

まずは、万座温泉がどういった場所にあるのか、どのような温泉なのかについてみていきましょう。

泉質は20種類超え?万座温泉とは

大自然の中で湧き出る万座温泉の泉質の数は、全部で27種類。

源泉は20種類を越えることから、「万病に効く温泉」として知られています。

また万座温泉のメインの泉質である「酸性硫黄泉」は、日本一の硫黄濃度の良泉質を誇ります。そのことから、湯治場としても有名です。

 

◇硫黄泉の効用・適応症

硫黄泉は、強い殺菌力を持っているため、アトピー性皮膚炎や慢性湿疹、尋常性乾癬などの皮膚疾患に高い効用があると言われています。

また冷え性や関節リウマチ、不眠症、高血圧など、皮膚疾患以外にもさまざまな病が適応症として挙げられます。

ただし、万座温泉の硫黄泉は酸性に傾いているため、極度の乾燥肌の方や肌の弱い方には注意が必要です。

標高1800mの自然豊かな景色と温泉が堪能できる!

万座温泉は、冒頭でもお伝えした通り標高1800mの場所に位置し、上信越高原国立公園内の中にある自然豊かな温泉地です。

喧騒とした日常から離れられるため、癒しを求めて年間を通して多くの観光客が訪れます。

冬の時期になると積雪量が1mを超える豪雪地帯でもあります。そのためスキーなどウィンタースポーツも盛んに行われています。

開湯の記録なし?硫黄濃度日本一の万座温泉の歴史

標高1800mからの絶景と硫黄泉の高い効用で知られる万座温泉ですが、その始まりは一体いつ頃なのでしょうか。

万座温泉の歴史について触れている書物や歴史的な一面についてそれぞれご紹介していきます。

はじまりは戦国時代から?加沢平次左衛門の「加沢記」に残されていた!

残念ながら万座温泉には、他の温泉地のような開湯の記録がありません。

そのため、正確にいつ頃からあるのかが未だ謎に包まれた温泉地でもあります。

その一方で、加沢平次左衛門(かざわへいじざえもん )が記した「加沢記(かざわき)」に万座温泉に関する記載があります。

加沢記の中には、戦国時代に武士たちが湯治に訪れたことが記されています。

その時すでに、多くの武将たちが傷を癒しに山を登っていたことから、それ以前から万座の名が知れ渡っていたと考えられます。

 

◇弥生時代から存在していた可能性も

戦国時代の記録がある万座温泉ですが、さらに歴史を辿ると弥生時代から存在していた可能性も有力とされています。

その理由は、この万座温泉の付近において弥生時代の土器などが発見されており、人が住んでいた形跡があるためです。

標高1800mの地に人が住んでいたということは、そのとき既に湯が出ていたからではないかと考えられます。そのため、弥生時代開湯の説が有力ではないのかとされています。

万病に効くとして地元集落の共有財産として親しまれるように

いつ頃、開湯となった温泉地であるのかは不明のままですが、万座温泉は地元集落の共有財産として親しまれていたことがわかっています。

万座温泉の泉質は豊富で、万病に効くと言い伝えられており、地元の方から愛され、徐々に湯治場として栄えていったと考えられます。

1921年の観光開発により人気温泉地に!

万座温泉が本格的に観光開発を進められたのは、1921年頃のことです。道路が整備され、観光地としてスキー場ができるなど、瞬く間に今の温泉地の姿へと変貌を遂げていきました。

また万座温泉は標高が高いため、夏の避暑地としても人気を集めたようです。

1960年には、観光ホテルである「現 万座プリンスホテル」がオープンし、人気の温泉地へと名を広げていきました。

万座温泉の歴史に触れられる!おすすめスポット2選

万座温泉は、開湯の記録が記されていないなど、歴史に関してまだまだ未知な部分が多い温泉です。

そんな万座温泉の歴史とも関連していると言われている、2つの歴史的なスポットをご紹介します。

弥生式土器が発掘された「熊四郎岩窟」

提供:嬬恋村役場

前述のとおり、万座温泉には開湯の記録がありません。しかし弥生時代から人が住んでいた形跡が残されています。

万座温泉から北の山へと登る崖の中腹にある天然の洞窟「熊四郎岩窟(くましろうがんくつ)」は、弥生式土器が発掘されたことから万座温泉の歴史を証明する史跡として大切に管理されています。

さらにこの洞窟は、太古の昔より温泉が利用されていて、万座温泉最初の宿として使われていたのではないかとも言われています。

また、山伏(やまぶし:山中で修行をする僧)が書写したとする礫石経(れきせききょう)が多数発見されたことから、万座は満願かなう地だったという話もあります。

この熊四郎岩窟は、熊四郎山遊歩道の途中で立ち寄ることができるので、ハイキングがてらに山登りをしてみるのもおすすめです。

<施設情報>
・住所:群馬県吾妻郡嬬恋村干俣2401
・電話番号:0279–97–4000
・営業時間:24時間

万座温泉の原点を知るなら「万座温泉湯畑」

提供:嬬恋村役場

「万座温泉湯畑」は、万座温泉の原点とも言える場所です。

1日540万リットルという豊富な湧出量を誇る湯畑は、硫黄の香りが漂い、温泉地らしい景色を見渡すことができます。

温泉街からは、少し離れたところにあるので、散策がてらに訪れてみると良いでしょう。自然の中に湧き上がる温泉を見にぜひ行ってみて下さい。

終日自由に見学することが可能です。

<施設情報>
・住所:群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉2401
・電話番号:0279-97-4000
・営業時間:24時間

歴史上の人物も傷を癒した「万座温泉」でその効用を体感しよう

広大な景色を眺めながら温泉が楽しめる万座温泉は、身も心も開放的にな時間を過ごすことができる温泉地です。

まだまだ謎多き土地ではありますが、弥生時代の土器などが発見されるなど、日本の歴史との関係が深い土地であることは間違いないでしょう。

景色と歴史の両方を楽しみたい方は、高原にある万座温泉へリフレッシュの旅に出かけてみてはいかがでしょうか。