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吉永小百合ゆかりの湯村温泉。NHKドラマ「夢千代日記」の舞台を体感しよう

更新日:2022年5月27日

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ともきち

温泉が好きで、年に数回は友人や家族と国内旅行を計画し、色々な温泉地へ出かけています。温泉の中でも、濁り湯の露天風呂が特に好みです。旅先では、有名観光地や絶景スポットをひと通りまわり、地元の名物料理やお菓子の食べ歩きも欠かしません。旅好きならではの視点で、温泉地の情報や温泉にまつわる知識など、魅力あふれる記事をお届けします。

女優、吉永小百合さん主演のNHKドラマ「夢千代日記」の舞台(ロケ地)である、兵庫県の「湯村(ゆむら)温泉」は、「夢千代の里」として多くのファンが訪れる場所です。今回は、夢千代日記の舞台を体感できるスポットや吉永小百合さんゆかりの温泉宿をご紹介します。

「夢千夜日記」とは?

「夢千夜日記」は、昭和56年(1981年)にNHKで放送されたドラマです。

母親の胎内にいたときに広島で被爆した主人公・芸者夢千代(本名:永井左千子、演:吉永小百合)は、亡き母の後を継ぎ「湯の里(ゆのさと)温泉」(撮影場所:湯村温泉)で、芸者置屋「はる家」を営んでいます。

山陰の冬景色の中、白血病のため余命いくばくかの夢千代を中心に、暗い過去を背負う芸者たちの物悲しい生き様や人間模様が描かれています。

NHKで最初のドラマ「夢千代日記」が放送された後、同じくドラマの「続 夢千代日記」が昭和57年(1982年)に、続いて「新 夢千代日記」が昭和59年(1984年)に放送されました。

その後、昭和60年(1985年)に映画化もされ、舞台化もされた不朽の名作です。

<ドラマ詳細>
・タイトル:夢千夜日記
・放送:​​昭和56年(1981年)2月15日〜3月15日
・本編:1回あたり45分または46分の全5話
・原作・脚本:早坂暁
・演出:深町幸男
・出演:吉永小百合、樹木希林、秋吉久美子他
・映画を観たい方は:DVD

「夢千夜日記」で訪れた湯村温泉とは?

出典:PIXTA

「夢千夜人気」で「湯の里温泉」として登場する湯村温泉は、兵庫県美方郡(みかたぐん)の山陰の山あいにあるもの静かな温泉地です。

平安時代に開湯したという歴史ある温泉地で、古くから湯治湯として親しまれてきました。現在は、春来(はるき)川を中心にホテル・旅館が20数軒立ち並んでいます。

泉質は、ナトリウム炭酸水素塩泉・塩化物泉・硫酸泉で、神経痛、関節痛、冷え性、動脈硬化症、切り傷、やけどなどに主な効能が期待できます。

<温泉地詳細>
・温泉名:湯村温泉(湯村温泉観光協会)
・住所:兵庫県美方郡新温泉町湯98
・アクセス:大阪・京都・神戸・姫路からJR山陰本線で「JR浜坂駅」へ。その後全但(ぜんたん)バスに約25分乗車して「湯村温泉」着。

湯村温泉で「夢千代日記」を感じるおすすめスポット6選

<「夢千代日記」を偲ぶスポット>

1. ドラマの舞台である昭和の商店街のイメージが再現された資料館「夢千代館」

提供:夢千代館

提供:夢千代館

資料館「夢千代館」には、ドラマ「夢千夜日記」の舞台となった湯村温泉の昭和20年から30年代の商店街の様子が再現されています。

夢千代(吉永小百合さん)が営む置屋「はる家」やドラマに登場する「煙草屋旅館」の再現の他、吉永小百合さんが着用した着物などの小道具などもたくさん展示されています。

また、館内には、夢千代日記のあらすじパネルがあり、出演者の紹介もされていて、さらに、ドラマのシーンも常時放映されているので放映当時を思い出し懐かしむことができます。

夢千代日記を見たことのない方にとっても、夢千代日記を詳しく知れる興味深い展示になっています。

提供:夢千代館

再現された商店街の駄菓子屋前の赤いポストに、実際に手紙を投函すると、投函日から1年後に手紙が届く「夢てがみ」のサービスは高い人気を誇ります。

最初に「夢てがみ」を投稿したのは吉永小百合さんです。※封筒・便箋は館内でも購入できます。

提供:夢千代館

夢千代館には、春来川のほとりに佇む「アオギリの湯」という足湯もあります。

朱色の傘は、夢千代の傘をイメージしたもので、ベンチに腰かけ湯村温泉の景色を見ながらゆっくりとくつろげます。

<スポット詳細>
・スポット名:夢千代館
・住所:兵庫県美方郡新温泉町湯80
・電話番号:0796-99-2300
・営業時間:9:00~18:00(受付終了)※アオギリの湯:9:00~18:30
・定休日:なし ※臨時休館あり
・入館料:大人300円、小・中学生150円 ※足湯の利用料を含む

2. 吉永小百合さんをモデルにした湯村温泉のシンボル「夢千代像」

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湯村温泉の中心にある源泉の湧出所「荒湯(あらゆ)」の川向にある「夢千代広場」には、吉永小百合さんをモデルにした「夢千代像」の銅像が立っています。

台座は広島市より恒久平和を願って寄贈されたものです。

像のすぐ横には、吉永小百合さんをはじめ、「夢千夜日記」の原作・脚本で特別町民の早坂暁さん、演出家の深町幸男さん、舞台で主演した三田佳子さんなど、関係者の手形プレートが並んでいます。

<スポット詳細>
・スポット名:夢千代像・夢千代広場
・住所:兵庫県美方郡温泉町湯

 

<「夢千代日記」に登場するのロケ地めぐり>

1. ドラマ冒頭で登場する列車のシーン「余部鉄橋 空の駅・余部クリスタルタワー」

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NHKドラマ「夢千代日記」は、神戸の病院へ出向いた夢千代が、山陰線の列車に乗って湯の里温泉(湯村温泉)まで帰る場面から始まります。

そのシーンが撮影されたのは、「余部(あまるべ)鉄橋付近」を走る電車内です。

独特な構造と鮮やかな朱色が目を引いた「旧余部鉄橋」は、近代土木遺産のAランクに指定され、観光名所として親しまれていました。

現在は、鉄橋の一部だけが残され、余部鉄橋「空の駅」の展望施設として活用されています。

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駐車場のある場所から高さ40mにある「空の駅」までは、「余部クリスタルタワー」(エレベーター)で登れます。全面ガラス張りのため、上り下り中も周りの景色を楽しめます。

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特に雪景色に包まれた余部鉄橋の付近は、冬が舞台の「夢千代日記」の世界そのもののようです。

ただし、余部鉄橋付近は強風・降雪の際などは電車が遅延・不通となることがあるので、訪れる際はご注意ください。

<スポット詳細>
・スポット名:余部鉄橋 空の駅
・住所:兵庫県美方郡香美町香住区余部
・定休日:なし
・利用料:無料 ※余部クリスタルタワーも無料

2. 置屋の人々が卵や野菜をゆでるシーン「荒湯」

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ドラマに頻繁に登場する「荒湯」は、春来川沿いにある源泉の湧出所です。

嘉祥(かしょう)元年(848年)に慈覚大師(じかくだいし)によって発見された源泉で、98度の熱湯が毎分470Lも湧出しており、周りは常に湯けむりが立ち込めます。

どなたでも高温の湯壺を使って、卵や野菜をゆでる事ができる憩いの場所でもあります。

「夢千代日記」でも、吉永小百合さん達が卵や野菜をゆでるシーンが登場していました。

ちなみに、ドラマ3作目の「新・夢千代日記」に出演した、故・松田優作さんが川の中を水しぶきをあげながら走るシーンが撮影されたのも荒湯付近です。

春来川沿いの荒湯からほど近い場所には「ふれあいの湯」とも呼ばれている無料の足湯が2ヶ所あります。

<スポット詳細>
・スポット名:荒湯・足湯
・住所:兵庫県美方郡新温泉町湯
・定休日:なし
・利用料:無料

 

<番外編:吉永小百合さんが「夢千代日記」の撮影の際に宿泊した宿>

1. 吉永小百合さん達が宿泊し、連日スナックに集ったという「朝野家」

 

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「夢千代日記」の撮影中に吉永小百合さんたちが宿泊していたのが湯村温泉の老舗ホテル「朝野屋」(撮影時は、湯村観光ホテルの名称)です。

館内の暖房もすべて温泉を利用しているほどの豊富な湯量を誇り、傍に大きな水車があり、風情ある藁葺き屋根の露天風呂や水面から7mもの高さから滝状に流れる湯、樹齢1,200年の檜(ひのき)風呂などで、湯村温泉の湯を堪能できます。

吉永小百合さんらも過酷な撮影をこの湯に浸かって乗り越え、素晴らしい作品作りができたのではないでしょうか。

また、吉永小百合さん達は、朝野屋内にあったスナック「古城(こじょう)」に連夜集ったそうです。

惜しくも令和2年(2020年)3月にスナックは閉店してしまいその様子を見ることはできませんが、場所は現在の宴会場フロアの廊下にあったそうです。

女将や宿のスタッフの方とお話したら当時の秘話や思い出話が聞けるかもしれません。

<施設詳細>
・施設名:朝野屋
・住所:兵庫県美方郡新温泉町湯1269
・電話番号:0796-92-1000
・宿泊料:(1泊2食付き、2名利用時1名)14,850円~

2. 吉永小百合さんも味わった?新鮮な魚介類やカニが自慢の宿「なかいえ」

 

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海のシーンの撮影の際に吉永小百合さんたちが、宿泊した宿が「なかいえ」です。館内には、夢千代姿の吉永さんの写真が飾ってあります。

「なかいえ」自慢の料理は、諸寄(もろよせ)漁港で揚がったばかりの新鮮な魚介類。ぷりぷりで甘みのある海鮮を思う存分堪能できます。

冬季は「かにソムリエ」の女将が見立てる極上の松葉カニをはじめとしたカニ料理も味わえます。

<施設詳細>
・施設名:なかいえ
・住所:兵庫県美方郡新温泉町諸寄461
・電話番号:0796-82-1279
・宿泊料:(1泊2食付き、2名利用時1名)22,000円~