源泉かけ流し【川湯温泉】の強酸性硫黄泉と屈斜路湖を巡る


出典:北海道観光機構
更新日:2025年9月29日

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湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

北海道道東の弟子屈町に位置する川湯温泉は日本でも珍しい強酸性硫黄泉の源泉かけ流し温泉で、全国の温泉愛好家から注目を集めています。

pH値1.8~2.1という強酸性泉は殺菌作用が強く、皮膚疾患の改善や古い角質の除去による美肌効果が期待できる特別な湯治泉質です。

温泉街には源泉かけ流しにこだわるKKRかわゆや川湯第一ホテルなどの宿が並び、硫黄山の迫力ある火山活動や屈斜路湖畔の天然砂湯温泉とともに、心身を癒す道東の温泉旅を楽しめます。

硫黄山と屈斜路湖砂湯の火山地形美

出典:北海道観光機構

川湯温泉の最大の魅力は活火山である硫黄山(アトサヌプリ)の迫力ある噴気を身近に感じられるロケーションで、源泉かけ流し温泉と火山景観を同時に楽しめる点です。

硫黄山は標高508メートルの活火山で、現在も活発な噴気活動を続けており、山肌から立ち上る白煙と硫黄の匂いが迫力ある景観をつくり出しています。

硫黄山の麓には遊歩道が整備されており、安全に火山活動の様子を観察しながら散策が可能です。

噴気孔から噴き出す高温の蒸気や硫黄分は、地下水に取り込まれて川湯温泉の強酸性硫黄泉を生み出しており、温泉の成り立ちを実感できる貴重な体験となります。

屈斜路湖畔の砂湯は湖岸の砂を掘ると温泉が湧き出し、足湯感覚で楽しめる人気の観光スポットです。

屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖で湖畔の一部では地熱により砂浜が温かくなっており、砂を掘ると40~50度の温泉が湧き出します。

この砂湯体験は子供から大人まで楽しめる自然のアトラクションとして人気が高く、美しい湖を眺めながら足湯を楽しめます。

冬季にはオオハクチョウが砂湯周辺に飛来し、雪景色の湖面を優雅に泳ぐ姿を観察できる絶景スポットでもあります。

こうした火山地形美を体感した後に入る源泉かけ流しの強酸性硫黄泉は、地球からの恵みを五感で感じられる特別な温泉体験となります。

川湯温泉街の源泉かけ流し温泉宿情報

出典:KKRかわゆ公式ホームページ

川湯温泉街には強酸性硫黄泉を源泉かけ流しで楽しめる老舗旅館やホテルが並び、それぞれが川湯温泉の特殊な泉質を活かした独自の温泉体験を提供しています。

「KKRかわゆ」は川湯温泉の宿の一つで、pH値1.8前後の強酸性硫黄泉を源泉かけ流しで楽しめます。

強酸性硫黄泉は殺菌作用が強く、皮膚疾患に悩む湯治客から支持されています。

「川湯第一ホテル」は、創業以来源泉かけ流しにこだわり続ける老舗ホテルで、大浴場や露天風呂で強酸性硫黄泉を楽しめます。

特に女性に人気なのが美肌効果で、強酸性による古い角質の除去作用により、入浴後の肌がなめらかになると評判です。

「川湯観光ホテル」では、源泉かけ流しの内湯と露天風呂が堪能できます。

これらの宿泊施設では、川湯温泉の強酸性硫黄泉を安全に楽しめるよう、入浴時間の調整や肌の弱い方への配慮も行っています。

強酸性泉は刺激が強いため、初回は5~10分程度の短時間入浴から始めることを推奨しており、湯治効果を最大限に活かしながら安全に温泉を楽しめる環境が整っています。

川湯温泉の四季別楽しみ方と源泉かけ流し体験

出典:北海道観光機構

川湯温泉の源泉かけ流し強酸性硫黄泉は道東の四季折々の自然美と調和し、年間を通じて異なる魅力を味わえる特別な火山温泉地です。

春(4月~6月)は雪解けとともに硫黄山周辺に高山植物が芽吹き、新緑と温泉を一緒に楽しむことができます。

この時期は観光客も比較的少なく、静かな環境で湯治気分をじっくり体感できるのが魅力です。

また、屈斜路湖の氷が解け始め、砂湯での足湯体験も心地よい季節となります。

宿では春の味覚を楽しめる料理とともに温泉に浸かれば、冬の疲れを癒すリフレッシュ体験となります。

夏(7月~9月)は川湯温泉の観光シーズンで、屈斜路湖でのカヌーやフィッシング、硫黄山トレッキングなどのアウトドア活動が盛んになります。

アクティビティで汗をかいた後に入る源泉かけ流し温泉は心地よく、疲労回復を実感できると評判です。

夜の露天風呂では、道東の澄んだ空気の中で満天の星空を眺めながら入浴できる非日常体験が楽しめます。

秋(9月~11月)は硫黄山や屈斜路湖周辺の紅葉が美しいシーズンで、色づいた山々を眺めながら入る源泉かけ流し温泉は格別です。

冬(12月~3月)は雪見露天風呂と屈斜路湖の白鳥観察が最大の魅力です。

氷点下の気温の中で入る強酸性硫黄泉は、その保温効果の高さを実感できます。

屈斜路湖畔の砂湯には多数の白鳥が飛来し、雪景色の中で泳ぐ姿を間近に楽しむことができます。

また、氷上ワカサギ釣りなどの冬のアクティビティとともに温泉を楽しむことで、道東の冬を満喫できます。

道の駅摩周温泉と弟子屈町の特産品

出典:ひがし北海道自然美への道DMO

川湯温泉を訪れる際の観光拠点となるのが「道の駅摩周温泉」で、弟子屈町の特産品や道東グルメを集めた施設です。

川湯温泉から車で約15分の距離に位置し、買い物や休憩スポットとして多くの観光客に利用されています。

施設内では、弟子屈町の代表的特産品である「摩周そば」の乾麺や地元産じゃがいもを使ったお菓子などが販売されています。

弟子屈町は酪農が盛んな地域で、新鮮な牛乳を使った乳製品が人気です。

「弟子屈牛乳」を使用したソフトクリームやチーズ、バターなども道の駅で購入でき、人気を集めています。

また、摩周湖の伏流水を使った地酒も地元の誇る特産品でお土産にも喜ばれる一品です。

川湯温泉の源泉かけ流し温泉概要

出典:北海道観光機構

川湯温泉の温泉は硫黄山の火山活動によって生まれた強酸性硫黄泉で、全国的にも珍しい泉質として知られています。

pH1.8~2.1という強酸性泉で殺菌作用があるとされ、皮膚病などに良いとされ湯治的に利用されてきました。

また、強酸性による角質軟化作用から肌がなめらかになると評判です。

源泉は硫黄山の火山活動で加熱され、源泉温度は58~80℃と高温です。

湯量も豊富なため、多くの施設で加水や加温をせずに源泉かけ流しで提供されています。

川湯温泉の強酸性硫黄泉は泉質が特殊なため、入浴時には注意が必要です。

金属アクセサリーは変色するため外す必要があり、肌が弱い方は短時間から始めることが推奨されています。

注意点を守れば独特の湯治効果を体感できる貴重な温泉で、「薬湯」と称されることもあります。

硫黄山の火山活動に由来する川湯温泉の強酸性硫黄泉は心身のリフレッシュに適した温泉です。

 

項目 詳細
泉質 酸性・含硫黄・鉄(Ⅱ)-ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型
効能 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、やけど、動脈硬化症、糖尿病、高血圧症などに良いとされる
源泉温度 58~80℃
pH値 1.8~2.1(強酸性)
湧出量 毎分約1,500リットル(施設や季節により変動あり)
特徴 日本屈指の強酸性で殺菌作用や角質軟化作用があり、皮膚病治療にも利用されることがある
参考 摩周湖観光協会

まとめ

出典:北海道観光機構

川湯温泉の源泉かけ流し強酸性硫黄泉は硫黄山の火山活動に由来する特殊泉質で、心身の癒しに適した道東屈指の名湯です。

KKRかわゆや川湯第一ホテルなどの名門宿の源泉かけ流し温泉では強酸性による殺菌作用や肌への効果が期待できる特別な湯治体験が楽しめます。

硫黄山の迫力ある火山活動、屈斜路湖畔の天然砂湯、道の駅摩周温泉での特産品グルメなど、温泉以外の魅力も豊富で、川湯温泉は道東火山温泉旅行の目的地として魅力的です。

源泉かけ流しの強酸性硫黄泉で日常の疲れを癒し、北海道の雄大な火山地形美と温泉文化を満喫する極上の時間を過ごしてみませんか。