一度は訪れたい憧れの温泉地【乳頭温泉郷】源泉かけ流し温泉7湯巡り


出典:乳頭温泉組合
更新日:2025年10月25日

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湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

秋田県仙北市の乳頭山麓、十和田八幡平国立公園内に点在する乳頭温泉郷は、7つの一軒宿がそれぞれ独自の源泉を持つ日本屈指の秘湯の宝庫です。
江戸時代から続く茅葺き屋根の本陣が有名な鶴の湯温泉、金の湯と銀の湯の2種類の源泉を持つ妙乃湯など、個性豊かな源泉かけ流し温泉が楽しめます。湯めぐり帖を使えば、7つの温泉すべてを巡ることができ、約10種類の異なる泉質を体験できるのが魅力です。ブナの原生林に囲まれた標高約600mから800mの高地に位置し、四季折々の自然美と共に極上の湯治体験が味わえます。
田沢湖や角館武家屋敷など周辺観光地も充実しており、源泉かけ流しの秘湯と秋田の自然・文化を満喫できる至福の温泉旅が待っています。

田沢湖と角館武家屋敷|乳頭温泉郷の源泉かけ流し温泉旅で訪れたい周辺観光地

出典:旅東北

乳頭温泉郷での温泉巡りと合わせて必ず訪れたいのが、日本一の水深を誇る田沢湖。
最大水深423.4mを誇るこの湖は瑠璃色に輝く美しい湖面が特徴で、湖畔には「たつこ像」が立っています。
永遠の美を願って龍になったとされるたつこ姫の伝説が残り、パワースポットとしても人気を集めています。
湖畔一周は約20kmでレンタサイクルで巡ることもでき、四季折々の美しい景色が楽しむのもおすすめ。

もうひとつの見どころが、みちのくの小京都と呼ばれる角館武家屋敷通りです。
江戸時代の面影を色濃く残す武家屋敷群が約700m続いています。
春には樹齢300年を超えるシダレザクラが咲き誇り、秋には紅葉が美しく映えます。
青柳家や石黒家など、内部を公開している武家屋敷では当時の生活様式や文化を知ることができます。

乳頭温泉郷の最寄り駅である田沢湖駅から田沢湖へは車で約15分、角館へは約20分とアクセスも良好。
源泉かけ流し温泉と合わせて秋田の自然と歴史文化を満喫できる充実した旅程が組むことができます。

鶴の湯温泉の源泉かけ流し本陣|江戸時代の茅葺き屋根と混浴露天風呂の秘湯

出典:旅東北

乳頭温泉郷で最も歴史があり人気が高いのが鶴の湯温泉。
江戸時代の1638年に秋田藩主佐竹義隆公が湯治に訪れたといわれており、元禄時代(1688~1704年)に湯宿が始まったとされています。
茅葺き屋根の本陣は2010年に登録有形文化財に登録され、その風情ある佇まいは乳頭温泉郷のシンボルとなっています。

鶴の湯の名は傷を癒す鶴を猟師が発見したことに由来しています。
最大の魅力は4種類の源泉を持つことで、白湯、黒湯、中の湯、滝の湯がそれぞれ異なる泉質を提供しています。
中でも混浴露天風呂の「白湯」は乳白色の硫黄泉が足元から湧出する正真正銘の源泉かけ流しで、ブナの原生林に囲まれた野趣あふれる秘湯の雰囲気が味わえます。

宿泊は本陣のほか、新本陣、東本陣、一号館、二号館、三号館があり、囲炉裏付きの本陣が最も人気です。
名物の山の芋鍋はオリジナルの味噌仕立てで素朴ながら滋味深い味わいが評判です。

日帰り入浴も可能で、10時から15時まで利用ができます。料金は大人700円です。

妙乃湯の源泉かけ流しと混浴露天風呂|金の湯・銀の湯の2種類の泉質を楽しむ

出典:乳頭温泉組合

乳頭温泉郷の中で女性に特に人気が高いのが妙乃湯。
昭和27年(1952年)の開業以来、都会で働く女性が温泉で心と身体を癒せる宿をつくりたいという創業の想いを今も大切にしています。

妙乃湯の最大の特徴は泉質の異なる2つの自家源泉を持っていること。
「金の湯」はマグネシウム・カルシウム硫酸塩泉で酸性の濁り湯です。
鉄分や硫黄を若干含み、慢性皮膚病、動脈硬化、切り傷、やけどなどに効果があると伝えられています。

一方「銀の湯」は単純泉で無色透明のとろんとした柔らかく優しい温泉です。
身体を温める効果が高く湯冷めしにくいのが特徴で、体温上昇により免疫力アップが期待できるといわれています。

8つの湯船には源泉が源泉かけ流しで注がれており、特に先達川を眺めながら入浴できる混浴露天風呂「妙見の湯」が人気です。
女性専用時間も設けられているため、安心して楽しめます。日帰り入浴も可能です。

館内は白と黒を基調にした瀟洒な和風モダンで秘湯の素朴さと現代的な快適さを兼ね備えており、人気の宿です。