【玉川温泉】の強酸性源泉と北投石パワーを満喫|天然岩盤浴の湯治旅


出典:旅東北
更新日:2025年10月26日

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湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

秋田県仙北市の十和田八幡平国立公園内に位置する玉川温泉はpH1.2という日本一の強酸性泉と毎分9,000リットルという日本一の湧出量を誇る奇跡の温泉です。

「大噴」と呼ばれる源泉湧出口から勢いよく噴き出す約98℃の高温泉はまさに大地のパワーそのもの。

世界でも極めて珍しい特別天然記念物・北投石を含む鉱物からは微量の放射線が放出されるとされ、天然岩盤浴としての体験ができます。

11種類もの浴槽を備えた大浴場では源泉かけ流しの強酸性泉を段階的に楽しむこともでき、湯治文化を今に伝える自炊部では長期滞在も可能。

美しい自然に包まれたロケーションで効能あふれる癒しの湯と天然岩盤浴を満喫する、心身ともにリフレッシュできる温泉旅をぜひ体験してください。

八幡平と焼山・田沢湖|玉川温泉の源泉かけ流し温泉旅で訪れたい周辺観光地

出典:旅東北

玉川温泉で源泉かけ流し温泉と天然岩盤浴を満喫した後は、周辺の雄大な自然を楽しむ観光もおすすめです。

玉川温泉は八幡平の焼山(標高1,366m)の火山活動によって約1,200年前に出現したといわれ、焼山そのものが玉川温泉の源泉のふるさとです。

八幡平アスピーテラインをドライブすれば雄大な山岳風景と高山植物の群生を楽しむことができます。

また、玉川温泉から車で概ね50~70分の場所には、日本一の水深423.4mを誇る神秘の湖「田沢湖」があります。
コバルトブルーに輝く湖面は四季折々に美しく、湖畔に立つ黄金色の「たつこ像」は、永遠の美を願って龍に変身したという伝説の姫を祀っています。

遊覧船で湖上から景色を楽しんだり、レンタサイクルで湖畔を一周するのも人気です。

秋田駒ヶ岳への登山も楽しめ、高山植物の宝庫としても知られています。

源泉かけ流し温泉と合わせて十和田八幡平国立公園の雄大な自然を満喫できます。

玉川温泉の源泉かけ流し強酸性泉|pH1.2日本一の酸性泉と毎分9,000リットルの大噴

出典:旅東北

玉川温泉の最大の特徴は世界でも珍しい塩酸成分を多く含むpH1.2の日本一の強酸性泉です。

「大噴(おおぶき)」と呼ばれる源泉湧出口からは源泉温度約98℃の高温泉が轟音とともに毎分9,000リットルも噴き出しており、単一源泉として日本一の湧出量を誇ります。

この豊富な湯量により、玉川温泉では11種類もの浴槽を備えることができています。

強酸性の源泉は火山ガスを起源とし、鉄やアルミニウムなどの金属成分を多く含むのが特徴。
その濃度は極めて強力で、かつて「玉川毒水」と呼ばれ恐れられたほどです。

そのため入浴時には注意が必要で、最初は源泉を50%に薄めた浴槽で体を慣らし、徐々に源泉100%の浴槽に入る段階的な入浴法が推奨されています。入浴後は必ずシャワーで温泉成分を洗い流すことも大切です。

源泉かけ流しで楽しめる玉川温泉の強酸性泉は、高血圧症、リウマチ、慢性皮膚病などに良いと伝えられる効能も広く紹介されています。

玉川温泉の天然岩盤浴と北投石|世界的に希少な放射性鉱物のパワー

出典:玉川温泉公式ホームページ

玉川温泉を訪れる人々の多くが楽しみにしているのが地熱を利用した天然岩盤浴です。

この岩盤浴場には、世界でも台湾の北投温泉と玉川温泉の2ヵ所にしか産出しない特別天然記念物・北投石(ほくとうせき)が見られます。

北投石は温泉沈殿物が長い年月をかけて堆積してできた鉱石で、微量のラジウムを含む放射性鉱物です。

低放射線ホルミシス効果により、自然治癒力の促進が期待できるといわれています。

天然岩盤浴の方法はシンプルで、野外の岩盤の上にゴザを敷いて寝転がり地熱を体に取り入れるというもの。
熱を逃がさないよう体にタオルケットなどをかけるとより効果的です。

設営されているテント小屋(無料)も利用することもできます。

1回30〜40分程度が目安で、低温やけどや火山ガスへの注意も必要です。

施設内には屋内岩盤浴施設もあります。

北投石から放出されるラジウムの蒸気を吸入しながら体を温めることで伝承的にリウマチや皮膚病の改善に良いとされ、多くの湯治客が訪れています。

玉川温泉の湯治文化と自炊部|長期滞在で楽しむ源泉かけ流し温泉療養

出典:玉川温泉公式ホームページ

玉川温泉は「療養の湯」として古くから知られ、湯治文化を現代に受け継ぐ温泉地です。

施設はお部屋と食事付きの旅館部と、炊事場を完備した自炊部に分かれており長期滞在の湯治客にも対応。
1週間以上の滞在者も多く、午前中に入浴、昼に岩盤浴、夕方に再び入浴するというリズムで過ごすのが一般的です。

旅館部では栄養バランスの取れた日替わりメニューをビュッフェ形式で提供し、健康的な滞在をサポート。

源泉かけ流しの強酸性泉と天然岩盤浴を組み合わせた療養方法は玉川温泉ならではです。

近年では週末を利用した短期湯治も人気です。

玉川温泉は冬季(概ね11月下旬~4月中旬(時期については公式HPでご確認ください))休業ですが、同じ源泉を使用している姉妹宿の新玉川温泉は通年営業しているのでこの時期はこちらを利用する方も多いそう。

玉川温泉の源泉かけ流し温泉の概要|泉質と特徴を知る

出典:旅東北

玉川温泉の源泉かけ流し温泉は日本一の強酸性泉pH1.2と、単一源泉として日本一の毎分9,000リットルの湧出量を誇ります。

源泉かけ流しとは、温泉が湧き出たままの新鮮な湯を加水や循環濾過をせずに浴槽に注ぎ、溢れた湯をそのまま排出する方式のこと。温泉成分を最も純粋に味わえる贅沢な入浴法です。

大噴から湧き出る源泉を段階的に楽しめるよう、源泉50%と源泉100%の浴槽を備えています。

世界でも稀な塩酸成分を含む酸性泉で、特別天然記念物・北投石の存在が温泉地の象徴でもあります。

11種類もの浴槽があり、気泡湯、寝湯、蒸気湯・箱蒸し湯など、多彩な入浴スタイルが楽しめます。

玉川温泉の源泉かけ流し温泉概要

項目 詳細
泉質 酸性‐含二酸化炭素・鉄(Ⅱ)・アルミニウム‐塩化物泉
効能 神経痛、筋肉痛、関節痛、うちみ、冷え性、疲労回復、健康増進などに加え、慢性皮膚病、慢性婦人病、動脈硬化症など泉質別適応症にも効果があるとされます。
源泉温度 約98℃(大噴)
pH値 1.2(強酸性・日本一)
湧出量 毎分約9,000リットル(単一源泉として日本一)
特徴 世界でも珍しい塩酸成分を含む日本一の強酸性泉。単一源泉として日本一の湧出量を誇る「大噴」から湧き出し、11種類の浴槽で源泉かけ流し温泉を段階的に楽しめます。北投石を含む鉱物により低放射線ホルミシス効果が期待され、天然岩盤浴場や屋内岩盤浴施設も整備。湯治文化を継承し、自炊部を備えています。営業期間は4月中旬〜11月下旬(玉川温泉は冬季休業・新玉川温泉は通年営業)。日帰り入浴は10:00~15:00(最終受付14:30)。
参考 玉川温泉 公式サイト

※源泉温度、pH値、湧出量は季節や測定時期により変動する場合があります。営業期間・日帰り入浴時間は変更の可能性がありますので、詳細は公式サイトをご確認ください。

玉川温泉の魅力

出典:玉川温泉公式ホームページ

玉川温泉はpH1.2の日本一の強酸性泉と、毎分9,000リットルの日本一の湧出量を誇る世界的にも稀有な源泉かけ流し温泉です。

大噴から轟音とともに噴き出す98℃の高温泉はまさに大地の息吹。

特別天然記念物・北投石を含む天然岩盤浴では、自然治癒力を高める癒しの体験ができます。

湯治文化を今に伝える自炊部や周辺の八幡平・田沢湖などの観光スポットも充実。

十和田八幡平国立公園の豊かな自然に包まれた玉川温泉で心身ともに癒される極上の温泉旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。