源泉かけ流し【高湯温泉】|磐梯吾妻スカイラインの絶景旅
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湯あがり ぽか子
温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!
福島市街地から西へ約16km、吾妻連峰の中腹標高750mに位置する高湯温泉は400年以上の歴史を誇る奥州三高湯の一つです。
蔵王高湯、白布高湯とともに栄えてきたこの温泉地は、「東北の草津」の異名を持ち、乳白色の硫黄泉が湧き出る秘湯として知られています。
温泉郷には9つの自然湧出源泉があり、すべての施設で源泉かけ流しの温泉を楽しめるのが最大の魅力です。
共同浴場あったか湯では日帰り入浴で本格的な硫黄泉を体験でき、玉子湯や安達屋などの温泉宿では渓流沿いの露天風呂で湯治気分を満喫できます。
磐梯吾妻スカイラインの拠点として吾妻小富士や浄土平への観光も楽しめる高湯温泉で、源泉かけ流しの乳白色硫黄泉と大自然の絶景を堪能する旅はいかかでしょうか。
目次
吾妻連峰の中腹に佇む高湯温泉の源泉かけ流し|400年の歴史と乳白色の硫黄泉が湧く奥州三高湯の秘湯

出典:高湯温泉観光協会
高湯温泉は福島市の西方、吾妻連峰の中腹標高750mに位置する山間の温泉郷です。
その歴史は古く、慶長12年(1607年)頃の開湯と伝えられ、400年以上にわたって多くの湯治客に親しまれてきました。
山形県の蔵王温泉(旧称:蔵王高湯)、白布温泉(旧称:白布高湯)とともに「奥州三高湯」の一つに数えられ、古くは「信夫高湯」と称されていました。
高湯温泉最大の特徴は温泉郷全体で9つもの自然湧出源泉を持つことです。
それぞれの源泉には「滝の湯」「熱湯」「仙気の湯」などの名前が付けられており、これらは昔の共同浴場の名前に由来しています。
現在、温泉街には6軒の温泉宿と1軒の共同浴場がありますが、すべての施設で源泉かけ流しの温泉を提供しているのが大きな魅力です。
乳白色に濁った硫黄泉はその薬効の高さから「東北の草津」の異名を持ち、高い還元力と抗酸化力を持つとされる温泉です。
新陳代謝を高め、老化や疾病の原因となる活性酸素を抑制する効果があるとされています。
荒川渓谷沿いに点在する温泉施設は豊かな自然に囲まれており、磐梯吾妻スカイラインの福島市側入口に位置することから山岳観光の拠点としても人気を集めています。
  
  
高湯温泉唯一の共同浴場あったか湯|源泉かけ流しの乳白色硫黄泉を日帰り入浴で堪能

出典:高湯温泉観光協会
あったか湯は高湯温泉郷にある唯一の共同浴場で、源泉かけ流しの硫黄泉を気軽に楽しめる日帰り入浴施設です。
年間約9万人が利用する人気スポットで、地元の方々と観光客が交流する憩いの場となっています。
営業時間は9:00から21:00まで(最終入館20:30)で、毎週木曜日が定休日です(祝日の場合は翌日)。
施設は昔の湯治場をイメージした和風建築で、木と岩を基調とした趣のある造りとなっています。
最大の特徴は加水・加温を一切行わない自然のままの源泉かけ流しを提供していること。
白濁した硫黄泉が注がれる浴槽は露天風呂のみの設計で、開放的な空間で吾妻の大自然を感じながら入浴できます。
男女別の露天風呂のほか、予約制の貸切露天風呂も用意されておりプライベートな時間を過ごすことも可能です。
料金は大人(満12歳以上)500円、小人(満1歳以上)250円と大変リーズナブルで、本格的な源泉かけ流し温泉を手軽に体験できます。
貸切風呂は50分1,500円で利用でき、家族やカップルでゆったりと温泉を楽しむこともできます。
施設の約50メートル上方には「あったか温泉公園」があり、湯だまりと呼ばれる温泉の池で高湯温泉の白濁した湯を見て触ることができるスポットも整備されています。
バリアフリー対応も充実しており、どなたでも安心して利用できる温泉施設です。
  
  
高湯温泉の源泉かけ流し温泉宿|玉子湯・安達屋・花月ハイランドホテルで乳白色の硫黄泉を満喫

出典:高湯温泉観光協会
高湯温泉には源泉かけ流しの乳白色硫黄泉を持つ個性豊かな温泉宿が揃っており、それぞれ異なる温泉体験を提供しています。
「玉子湯」は高湯温泉を代表する老舗旅館で、自家源泉の天然岩風呂と露天風呂が自慢です。
渓流沿いに位置し、四季折々の景観を眺めながら源泉かけ流しの硫黄泉に浸かれます。
館内には複数の浴槽があり、それぞれ趣の異なる温泉体験ができます。
玉子湯という名前は温泉に入ると肌が玉子のように滑らかになり、匂いがゆで卵に似ていることから由来しています。
日帰り入浴も受け付けており(要事前確認)、宿泊客以外でも本格的な温泉を楽しめます。
「安達屋」は創業以来、源泉かけ流しの温泉を守り続けてきた伝統ある旅館です。
薬師堂に隣接する立地はパワースポットとしても知られ、温泉療養とともに心身のリフレッシュを求める宿泊客に人気です。
乳白色の硫黄泉は肌に優しく、長湯をしても疲れにくいのが特徴です。
館内は落ち着いた和の雰囲気で、ゆったりとした時間を過ごせます。
「花月ハイランドホテル」は眺望の良い展望露天風呂が魅力の温泉宿です。
標高800mの高台から福島盆地を一望でき、夜景も楽しめます。
源泉かけ流しの硫黄泉を使用した大浴場と露天風呂を備え、ワーケーションプランやペット同伴のプランも提供するなど、多様なニーズに対応しています。
  
  
磐梯吾妻スカイラインで巡る絶景ドライブ|吾妻小富士・浄土平・つばくろ谷で吾妻八景を満喫

出典:高湯温泉観光協会
磐梯吾妻スカイラインは高湯温泉と土湯峠を結ぶ全長約29kmの山岳観光道路で、最高標高1,622mに達する「空を走る道」として知られています。
日本の道百選にも選ばれたこのルートは、作家の井上靖が命名した「吾妻八景」に代表される絶景スポットが連続し、四季折々に変化する雄大な景色を展開します。
春の雪の回廊、夏の新緑、秋の紅葉、それぞれの季節で異なる表情を見せる磐梯吾妻スカイラインは、高湯温泉旅行の楽しみを一層深めてくれます。
吾妻小富士は標高1,707mの美しい円錐形の山で、福島市のシンボルとして親しまれています。
浄土平の駐車場から徒歩約10分で山頂に到達でき、直径約500mの火口を一周する遊歩道が整備されています。
晴れた日には360度のパノラマビューが広がり、福島市街地や太平洋まで見渡せることもあります。
火口周辺の荒涼とした風景は、まさに別世界のような雰囲気を醸し出しています。
標高1,600mに位置する浄土平レストハウスは磐梯吾妻スカイラインの中間地点にあり、散策や登山の拠点として利用されています。
売店や食堂、お手洗いが整備され、周辺には湿原、一切経山、五色沼(魔女の瞳)などの大自然が広がります。
つばくろ谷(不動沢橋)は標高約1,200mに位置する絶景スポットで、深さ約80mの渓谷美が圧巻です。
磐梯吾妻スカイラインは11月中旬から4月下旬頃まで冬期通行止めとなります。
  
  
高湯温泉の源泉かけ流し温泉の概要|乳白色の硫黄泉の泉質と効能を知る

出典:高湯温泉観光協会
高湯温泉の源泉かけ流し温泉は、その特徴的な泉質と豊富な湧出量で知られています。
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| 温泉地名 | 高湯温泉 | 
| 所在地 | 福島県福島市町庭坂字高湯 | 
| 泉質 | 酸性・含硫黄(硫化水素型) -アルミニウム・カルシウム硫酸塩温泉(硫黄泉)  | 
| 主な効能 | 高血圧症、動脈硬化症、末梢循環障害、リウマチ、糖尿病、慢性中毒症、にきび、しもやけ、やけど、切きず、婦人病、不妊症、水虫、あせも、胃腸病、神経痛、慢性湿疹、便秘、脱肛、皮フ病、手足多汗症、アトピー性皮膚炎 | 
| 源泉温度 | 43.7℃~49.4℃ | 
| pH値 | 2.73 | 
| 湧出量 | 毎分約3,200リットル | 
| 色・匂い | 乳白色、硫黄臭 | 
| 特徴 | 源泉かけ流し(加水・加温・循環なし)、高い還元力と抗酸化力を持つとされる、9つの自然湧出源泉 | 
| 源泉数 | 9つ(滝の湯、熱湯、仙気の湯ほか) | 
| 開湯 | 慶長12年(1607年)頃 | 
| 別名 | 東北の草津、奥州三高湯の一つ | 
| 温泉街規模 | 6軒の温泉宿、1軒の共同浴場 | 
| アクセス | 福島駅からバスで約40分、福島西IC・福島飯坂ICから車で約30分 | 
| 参考URL | 高湯温泉公式サイト | 
高湯温泉の乳白色の硫黄泉は、強酸性のpH値2.5~2.8を示し、硫化水素を含む特徴的な泉質です。
この泉質は、体内の活性酸素を抑制し、新陳代謝を促進するとされる効果があるといわれています。
すべての施設で源泉かけ流しを実施しており、加水・加温・循環を一切行わない自然のままの温泉を体験できることが、高湯温泉の大きな魅力です。
  
  
高湯温泉の魅力

出典:高湯温泉観光協会
福島を代表する名湯・高湯温泉は400年以上の歴史を持つ「奥州三高湯」のひとつ。
9つの自然湧出源泉から湧き出る乳白色の硫黄泉をすべての施設で源泉かけ流しで楽しめるという贅沢な温泉郷です。
共同浴場「あったか湯」では日帰りでも気軽に本格的な硫黄泉を堪能でき、老舗の「玉子湯」や「安達屋」「花月ハイランドホテル」などでは、渓流沿いの露天風呂や展望風呂で湯治気分を満喫できます。
高湯の湯は還元力と抗酸化力が高いとされ、肌を整えながら新陳代謝を促してくれる“美と癒し”の湯。
近くの磐梯吾妻スカイラインを走れば、吾妻小富士や浄土平、つばくろ谷といった絶景スポットにもアクセスでき、自然と温泉の両方を楽しめます。
福島市街地から車で約40分という便利さも魅力。心も体もリセットできる極上の温泉旅がここにあります。



