【伊東温泉】 源泉かけ流し｜登山電車で行く山の上の露天風呂

海と温泉の街歩き——東海館、松川遊歩道、伊東オレンジビーチ

出典：伊東市役所

松川沿いに伸びる松川遊歩道は、木陰と川音が心をほどく散歩道です。川面を渡る風が肌に触れると、湯上がりの火照りがすっと落ち着いていきます。

歩いてすぐの東海館では、磨き込まれた木の艶や格子の影が時間をゆっくり進めます。畳の匂いと障子越しの光に包まれると、ここが伊東温泉の文化の座標であることを実感します。

夕刻には伊東オレンジビーチへ足を延ばし、砂の温度がゆるむ頃に潮騒を聴きます。海の水平線に沈む光を見送り、伊東温泉 源泉かけ流しの湯へ戻ると、旅の輪郭がくっきりします。

陽気館の登山電車で行く、山上の露天風呂と伊東温泉 源泉かけ流し

出典：伊東市役所

陽気館の名物は、館内を結ぶ登山電車に乗って向かう山上の露天風呂です。斜面をすうっと登る数十秒が、日常から切り離される合図のように胸を高鳴らせます。

露天に出ると湯けむりの向こうに街並みがひらけ、風が湯面をやさしく揺らします。湯は源泉かけ流しで、肌にすっとなじみ湯上がりのあとも軽やかな潤いが続きます。

朝は鳥の声が近く、夕方は茜色の空が湯に映り、同じ湯でも表情が変わります。浴後は坂の途中の回廊を歩きながら深呼吸し、頬に残る塩の気配をたのしみます。

全室露天でしっとり、伊東 緑涌の源泉かけ流し

出典：伊東市役所

伊東 緑涌は、全室に露天風呂を備えたしっとりと落ち着く宿です。障子を開ければ専用の湯船が待ち、湯口の音が一日のリズムをゆるめます。

湯は伊東温泉の源泉かけ流しで、湯船が新鮮なぬくもりで満ちていきます。畳の香りとやわらかな灯りの中で、湯上がりに座敷で冷たい水を一杯、そんな余白がうれしい時間です。

朝湯に身を沈めると、外気のひんやりと湯の温もりが溶け合い、目覚めが澄んでいきます。夜は虫の音に耳を澄ませ、星のまたたきを眺めながら、もう一度だけ湯へ手をのばします。

淘心庵 米屋で味わう、離れの静寂と湯の密度

出典：伊東市役所

淘心庵 米屋は、離れの間取りで静けさに包まれる滞在がかないます。客室や貸切の湯で人目を気にせず、呼吸が深くなるような時間に身を委ねます。

湯は源泉かけ流しで、やわらかな肌ざわりが続き、湯口から届く温もりが心地よく巡ります。灯りを落とした夜の浴室は音がはっきりと立ち、湯の小さな音がいっそう近くに感じられます。

朝は露地の緑を眺めながら湯に浸かり、頬をなでる風で一日の輪郭を整えます。ときどき何もせず、ただ湯縁に腕をかけて空を見上げる、そんな間がこの宿の贅沢です。

伊東温泉の源泉かけ流し温泉の概要

出典：伊東市役所

伊東温泉は海と火山の恵みが重なる湯どころで、街の各所に自家源泉を活かす宿が点在します。湯けむりが日常の景色に溶け込み、散歩の延長で湯に出会える距離感がうれしい土地柄です。

かけ流しの湯は鮮度がよく、湯船の縁から静かにあふれていく様子に旅人は足を止めます。肌あたりはやわらかく湯上がりも軽やかで、湯冷めしにくい体感が心地よさの記憶を長くします。

泉質は単純温泉を中心に、ナトリウム−カルシウム−塩化物・硫酸塩泉などの弱アルカリ性の湯で、効能は神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・疲労回復・切り傷・やけど・慢性皮膚病です。源泉温度は約40〜70℃で、pH値は弱アルカリ性（約7.8〜8.5）で、湧出量は毎分約32,000リットルの豊富な湯量と源泉かけ流しの宿が多い点が特徴の温泉です。

旅の余韻

出典：伊東市役所

登山電車でたどり着く山の上の露天風呂、客室で静かに満ちる湯、離れで耳を澄ませる湯。伊東温泉 源泉かけ流しは、同じ「温かさ」の中にいくつもの表情を見せてくれます。

松川の風や海のきらめきが日々の体温を少し上げ、次の一歩をやさしく後押しします。帰り道、肌に残る湯の記憶が、またこの街へ向かわせる合図になるはずです。