【湯の山温泉】源泉かけ流し|御在所ロープウェイで四季を感じる旅
この記事を書いた人
湯あがり ぽか子
温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!
御在所ロープウェイの足元で湯けむりが立ちのぼり、山風が頬を冷やす。
そんな場所に佇む湯の山温泉・寿亭で、湯船に満ちる源泉かけ流しのやわらかさに身を沈めると、旅の速度がふっと緩みます。
ロープウェイの運行音、杉の匂い、湯面の揺らぎ。
五感に触れる断片が重なり、御在所岳の景色と湯の温度がひとつに溶け合う時間へ。
麓の温泉街は歩幅で楽しめる距離感で、茶屋の湯上がり一杯や道の駅の寄り道も心地よい余白をつくります。
寿亭やホテル湯の本で味わう湯、ロープウェイで出会う四季の眺望。
山と温泉が同じ温度で寄り添う旅が、ここから始まります。
目次
御在所ロープウェイと御在所岳—四季の見どころを歩幅で感じる

出典:御在所ロープウェイ
御在所ロープウェイに乗ると、谷底のせせらぎと樹々の匂いが少しずつ遠のきます。ゴンドラが柱を越えるたび、御在所岳の斜面が近づき、色が一段深まるのを感じます。
春は新緑がガラス越しにやわらかな光を散らし、初夏は高原の涼気が頬を撫でます。秋は錦の紅葉、冬は霧氷と樹氷の世界へ。
山上公園では散策路や展望台が点在し、視界が開ける瞬間に思わず息をのみます。運行時間や天候による運休情報は事前に確認して、山のリズムに合わせるのが心地よいです。
「寿亭」の源泉と庭園情緒

出典:寿亭
湯の山温泉の老舗、寿亭の玄関をくぐると、静けさが一枚の屏風のように広がります。庭園の緑を借景にした露天と木の香りの満ちる内湯は、湯気に溶け込むような柔らかさです。
宿のサイトに掲げられた浴場案内には、源泉の湯を活かした湯使いや浴槽の構成が丁寧に記されています。入浴時間や利用条件は掲示の最新情報に沿って予定を組むと安心です。
湯面を渡る風が苔の香りを運び、肩先に触れる瞬間に、源泉かけ流しの鮮度をすっと意識します。湯上がりに庭の石畳をゆっくり踏むと、足裏からも滞在の余韻が立ちのぼるようでした。
「ホテル湯の本」で山景と湯に浸る—御在所ロープウェイ麓の源泉かけ流し

出典:ホテル湯の本
ロープウェイ乗り場のほど近く、ホテル湯の本は山景を正面に据えた湯処が魅力です。大浴場と露天は視界が開け、稜線の陰影が湯けむりに浮かぶ時間帯はとびきりのご褒美です。
宿のウェブページでは、浴場の種類や眺望の特徴、源泉かけ流しの表記有無、設備の内容が整理されています。外気を感じられるスペースや湯上がりの過ごし方にも触れられており、山風と湯の温冷を行き来する想像が膨らみます。
夕刻、ロープウェイが静まり出す頃合いに浸かる露天は、山里の灯が瞬く舞台の最前列です。湯上がりにテラスから稜線を見送れば、心拍がゆるみ、旅の時間にひとつ句読点が打たれます。
季節ごとの楽しみ方—源泉かけ流し×サウナ×山景のベストタイミング

出典:寿亭
湯の山温泉の源泉かけ流しは、季節と組み合わせるほど表情が変わります。新緑の頃は朝湯で体温をそっと上げ、涼やかな山風を吸い込むと一日の輪郭が整います。
真夏はサウナで汗を切ってから木陰で深呼吸、標高の風が肌を撫でる外気の心地よさが際立ちます。秋は御在所ロープウェイの紅葉と合わせて、夕方の露天で茜色の空を映す湯面を眺めたいです。
冬は雪見の湯で頬を刺す冷気と湯の温もりを対比させ、短めの入浴を重ねるのがちょうどいい塩梅です。運行時間や日没時刻を意識して計画すると、湯と景色のベストタイミングに自然と出会えます。
湯の山温泉の概要

出典:湯の山温泉館
湯の山温泉で語られる「湯の山温泉 源泉かけ流し」は、浴槽に注がれた湯を循環ろ過せずに使うスタイルを指します。加水や加温の有無、放流式か掛け流し併用かなどは、各宿の掲示や浴場の表示に明記されています。
入浴の適温や長湯の目安も館内の案内に沿うのが安心で、体調や季節によって感じ方も少しずつ変わります。鮮度の高い湯は香りがやわらかく、肌あたりが軽いのが特徴で、湯上がりの保温も穏やかに続きます。
追記:泉質はアルカリ性単純温泉(低張性)で、効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性、疲労回復などの適応症です。源泉温度はおおむね40〜50℃前後で、pH値は弱アルカリ性(pH8前後)で、湧出量は施設により異なるが毎分数十〜数百リットル規模の無色透明でやわらかな肌ざわりの美肌湯、御在所岳の自然と一体の山岳温泉地、源泉かけ流しの湯処の点在が特徴の温泉です。
湯と山の記憶

出典:フォトAC
湯の山温泉の源泉かけ流しは、湯の温度と山の呼吸が重なる体験でした。寿亭の庭に漂う緑の香り、ホテル湯の本で見上げた稜線、ロープウェイから眺めた四季の層が、旅の余白に静かに残ります。
時間に追われず、湯と景色のベストな瞬間に身を委ねるだけで、からだの芯がほどけていく気がしました。次に訪れる時は、違う季節の風を連れて、また同じ湯面を覗き込みたいです。



