【こんぴら温泉】 源泉かけ流し|琴参閣の露天に癒される


出典:琴参閣
2026年1月1日更新

石段の町に夕暮れが落ちるころ、湯けむりはまるで灯りのように柔らかく揺れます。

こんぴら温泉は香川県仲多度郡琴平町、讃岐平野の縁に位置し、金刀比羅宮の門前町として人の往来と祈りの時間を受け止めてきました。

朝は金刀比羅宮へ向かい、参道の空気を胸いっぱいに吸い込み、夜は湯音に耳を澄ますだけ。

こんぴら温泉郷の宿のなかでも、琴参閣の露天は開放感が心地よく、肩先からほどけていく感覚が忘れられません。

目を閉じれば、檜の香りと夜風が頬をかすめ、旅の体温が静かに上がっていきます。

金刀比羅宮の石段と温泉の余韻

出典:フォトAC

金刀比羅宮の石段を上るにつれ、呼吸は深くなり、足取りは自然と自分の歩幅に整っていきます。
石の感触や、視界が少しずつ開けていく感覚は、到着を急がせるものではなく、過程そのものを味わわせてくれる時間です。
参拝を終えて振り返ると、上ってきた段数よりも、途中で立ち止まった静けさのほうが強く心に残ります。

その余韻を受け止めてくれるのが、麓や周辺に点在する温泉です。湯に身を沈めると、張っていた脚がゆっくりほどけ、石段で高まった熱がやわらかく落ち着いていきます。
湯気の中で目を閉じれば、石段の記憶と湯の温もりが重なり、参拝の時間が静かに身体へ染み込んでいくのがわかります。

金刀比羅宮の石段と温泉は、達成と休息がひと続きになった組み合わせ。歩いたあとに湯で整えることで、旅の輪郭はより穏やかに、深い余韻として残ります。

「琴参閣」の露天で味わう こんぴら温泉 源泉かけ流し


出典:琴参閣

金刀比羅宮の石段を下り、身体に残る熱と達成感をそのまま受け止めてくれるのが、琴参閣の露天風呂です。
湯に身を沈めると、こんぴら温泉の源泉かけ流しがやわらかく広がり、歩き詰めた脚や肩の緊張が少しずつほどけていきます。
角のない湯あたりは長湯にも向き、呼吸が自然と深くなるのを感じます。

露天では外気が心地よく、時間帯によって空の色や風の温度が静かに変わります。参拝で高まった感覚が、湯の温もりとともに落ち着いていく過程は、旅の流れを整えるひと区切り。
湯上がりには、体の芯に残る温かさと、頭の澄み具合が同時に訪れます。

琴参閣の露天で味わう源泉かけ流しは、参拝の余韻をそのまま包み込む時間。こんぴら温泉ならではの、歩く・祈る・湯に浸かるという循環が、静かな満足として心に残ります。

「湯元こんぴら温泉 華の湯 紅梅亭」の湯どころ

出典:湯元こんぴら温泉 華の湯 紅梅亭

湯元こんぴら温泉 華の湯 紅梅亭の湯どころは、館の奥行きとともに段階的に気持ちがほどけていく構成が印象的です。
大浴場を中心に内湯と露天風呂が配され、参拝や移動で張った体を受け止めるのに十分な広さと落ち着きがあります。
湯に身を沈めると、こんぴら温泉らしいやわらかな湯が静かに広がり、強さを主張せずに体の芯へと届いていきます。

露天では外気や庭の気配が近く、時間帯によって空の色や風の温度が変わることで、同じ湯でも表情が異なります。
一方、内湯は湯そのものに意識を向けやすく、温度や手触りの変化を丁寧に感じ取れる空間です。
館内の動線は無理がなく、湯上がりにはそのまま休息へ移れるため、入浴の余韻を途切れさせません。

紅梅亭の湯どころは、すべてを一度に巡るよりも、その日の体調や気分に合わせて選ぶことで魅力が際立ちます。
参拝のあとに深く浸かる湯、夜に静かに向き合う湯。使い分けるほど、こんぴら温泉のやさしさが、穏やかな記憶として残っていきます。

こんぴら温泉郷の街歩きと旧金毘羅大芝居(金丸座)


出典:琴平町観光協会

こんぴら温泉郷の街を歩くと、参道のにぎわいと生活の気配が、無理なく重なっていることに気づきます。
石段へ向かう道から一歩外れると、土産物店の軒先や昔ながらの家並みが続き、歩幅は自然とゆるやかになります。
湯上がりの体で歩く街は、視線が低くなり、看板の文字や格子戸の陰影といった細部まで、心に入り込んできます。

その流れで立ち寄りたいのが、旧金毘羅大芝居・金丸座です。現存する日本最古の芝居小屋として知られ、木造の建物に足を踏み入れると、客席の傾斜や回り舞台の仕組みが、当時の熱気を今に伝えています。
華やかな舞台というよりも、演者と観客の距離が近い空間で、芝居が“生きた娯楽”だった時代の空気を感じられる場所です。

街を歩き、芝居小屋に触れ、また温泉へ戻る。その往復が、こんぴら温泉郷の旅に奥行きを与えてくれます。
参拝だけでは終わらない、歩いて味わう時間こそが、この町の魅力を静かに引き出してくれます。

こんぴら温泉の源泉かけ流し温泉の概要

出典:湯元こんぴら温泉 華の湯 紅梅亭

こんぴら温泉の源泉かけ流しは、門前町に息づく湯の営みです。エリアに点在する宿ごとに浴場の特徴や湯使いの記載があり、表記で対象の浴槽や条件を確認できます。

同じ湯でも泉温や外気との触れ合いで印象が変わり、入浴のたびに違う表情に出会います。無理のない時間帯を選び水分補給と保温を意識するだけで、湯のよさがまっすぐ届きます。

滞在中は「こんぴら温泉 源泉かけ流し」の表記に着目し、各宿の案内図や入浴時間を手元に置くと迷いません。小さな準備が、湯上がりの心地よさを一段深いものにしてくれます。

泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(弱アルカリ性・低張性)で、効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進、切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、美肌効果です。

源泉温度は約36~45℃前後で、pH値は弱アルカリ性(約8.0~9.0)。

湧出量は非公開のこんぴらさん門前町に点在する宿での自家源泉または引湯の混在、塩化物泉由来の高い保温性と炭酸水素塩泉由来のつるすべ感の両立、“美肌の湯”としてのやさしい肌あたり、一部施設での源泉かけ流し運用が特徴の温泉です。

旅の余韻


出典:香川県観光協会

こんぴら温泉郷で過ごした時間を振り返ると、石段の感触や街歩きの気配、芝居小屋に残る木の匂いまでが静かに重なって思い出されます。

参拝で高まった感覚を温泉が受け止め、歩くことで少しずつほどいていく。
その循環のなかで、旅の速度は自然と整えられていきました。帰り道、体の温もりは次第に落ち着いても、街の音や景色の余白は心に残り続けます。

こんぴらの旅は、終わったあとにこそ深まる、やさしい余韻を残してくれます。