源泉かけ流し【二股ラジウム温泉】|世界で唯一の湯と噴火湾の滋味


出典:長万部観光協会
2026年1月26日更新

この記事を書いた人

湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

北海道南部、噴火湾に面した長万部町。函館と札幌を結ぶ交通の要所でありながら町に足を踏み入れると港町らしい静けさとどこか素朴な空気が広がっています。

海と山が近く、湯と食、暮らしが無理なく隣り合うこの土地には通過点では終わらない時間の流れがあります。

温泉に身を委ね、噴火湾の恵みを味わい、町を歩く。
そんな一つひとつの行為が長万部という場所の輪郭を少しずつ浮かび上がらせてくれます。

派手な観光地ではないからこそ、旅人の感覚を受け止める余白が残されている。

長万部での旅はそんな静かな始まりからゆっくりと動き出していきます。

「長万部公園」町の奥にひらける、静かな散策の時間

出典:長万部観光協会

北海道南西部、噴火湾に近い長万部町の一角に広がるのが長万部公園です。

町の中心からほど近い場所にありながら、園内に足を踏み入れると周囲の気配がやわらかく遠のいていきます。
木々に囲まれた散策路や、視界のひらける小さな広場が点在し、歩く速度を自然と落としてくれる場所です。

季節ごとの表情もこの公園の魅力のひとつ。

春には桜が咲き、夏は濃い緑が影をつくり、秋には落ち葉が足元に音を残します。

特別な見どころを競うのではなく、町の日常と同じ時間軸で風景が移ろっていく。
その穏やかさが、旅の合間の立ち寄り先として心地よく感じられます。

温泉へ向かう前や湯上がりに少し歩きたいとき。長万部公園は旅の主役になる場所ではありませんが立ち止まり、深呼吸するための余白を与えてくれる存在です。

長万部という町の空気を肩肘張らずに受け取れる散策の時間が静かに旅の記憶を整えてくれるでしょう。

長万部のグルメ。湯とともに味わう、噴火湾の滋味


出典:長万部観光協会

噴火湾に面した長万部町の食は、海の近さをそのまま映した素朴な力強さが魅力です。

町の名を聞いて思い浮かぶ人も多いのが、蟹の旨みを余すところなく閉じ込めた「かにめし」。
派手な味付けではなく、素材の甘みと香りが静かに広がり、旅の途中にちょうどよい満足感を残してくれます。

噴火湾で水揚げされるホタテやカレイなどの魚介も長万部の食卓を支える存在です。

新鮮な海の幸は焼いても、煮ても、刺身でも、余計な手を加えずとも味が決まります。

温泉で身体をゆるめたあとに口にするとその滋味がいっそう深く感じられるでしょう。

長万部のグルメは旅の主役として前に出るというより、湯と風景のあいだをつなぐ役割を果たします。

静かな町の空気とともに味わう一皿一皿が、長万部という土地の輪郭をゆっくりと心に刻んでいきます。

「二股ラジウム温泉」大地が生んだ成分湯に身を委ねる時間

出典:長万部観光協会

北海道南部、長万部町の山あいにひっそりと湧くのが二股ラジウム温泉です。

観光地の賑わいから距離を置いたこの場所では、温泉そのものの成り立ちと向き合うような時間が流れています。
周囲を包むのは森の気配と澄んだ空気。宿へ向かう道のりから日常の輪郭が少しずつ薄れていくのを感じます。

二股ラジウム温泉の特徴は長い年月をかけて地層を通り、成分を豊富に含んだ湯にあります。
湯に身を沈めるとやわらかなぬくもりがじんわりと身体の奥へ広がり、派手さはないものの確かな手応えが残ります。

成分湯ならではの感触は短時間で刺激を求める湯とは異なり、時間をかけて向き合うほどにその良さが伝わってきます。

湯上がりには身体が軽くなるというより、感覚が整えられたような静かな余韻が残ります。

二股ラジウム温泉は快適さや華やかさを求める旅の途中で立ち寄る場所ではありません。

湯の成り立ちに思いを巡らせながら、自然と向き合い、自分の調子を確かめる。そんな滞在を大切にしたい人に、そっと寄り添う温泉です。

 

世界唯一とされる湯の力。二股ラジウム温泉とホルミシス効果

出典:長万部観光協会

二股ラジウム温泉は世界でも類を見ない温泉として知られています。その理由は、湯の中に含まれる微量のラジウムとそこから生じるとされる「ホルミシス効果」にあります。

ホルミシス効果とはごく微量のラドンの作用が身体に働きかけることで、自己回復力や調整機能を高めると考えられています。

二股ラジウム温泉では地中から湧き出した源泉が長い年月をかけて石灰華を形成し、その過程でラジウムを含む特有の環境が保たれてきました。この石灰華ドームとラジウム成分が共存する温泉は世界でも唯一とされています。

湯に浸かると強い刺激や派手な変化があるわけではありません。しかし、身体の芯に静かに熱が入り、呼吸や感覚がゆっくり整っていくのを覚えます。

それは「効く」「治す」といった言葉よりも、自然の作用に身を委ねる感覚に近いものです。

二股ラジウム温泉はラジウムによるホルミシス効果という希少な特性を持ちながら、あくまで静かに、湯そのものの力を体感させてくれる。そんな世界唯一の湯処といえるでしょう。

 

二股ラジウム温泉の源泉かけ流し温泉の概要

出典:長万部観光協会

浴槽に湯が注ぎ続け、縁から静かに溢れていく音が、この地の素朴な湯使いを物語ります。澄んだ湯面に指先を沈めるとやわらかさが残り、上がったあとも体の芯に温もりがゆっくり滞在します。

長湯を避け、肩まで浸かる→外気で休む→もう一度という緩やかな循環が、湯の心地よさを深くしてくれました。湯口の近くでは鉱泉の香りがほのかに立ち、浴室に反響する水音が思考を静かにほどきます。

入浴前後の水分補給と湯上がりの羽織ものを一枚備えるだけで、滞在の快適さがぐっと上がります。ここでは二股ラジウム温泉 源泉かけ流しの素直な力を、からだの感覚で確かめたくなります。

泉質は炭酸水素塩系かつ放射能(ラドン)を含む泉の併存傾向。

効能は神経痛・関節痛・筋肉痛・慢性消化器病・冷え性・疲労回復・皮膚病などの一般適応を中心とした保温・美肌傾向です。

源泉温度は中温〜高温帯の複数源泉の想定で、pH値は中性〜弱アルカリ性帯の想定。

湧出量は自然湧出量が比較的多い傾向の高濃度カルシウム由来の石灰華(トラバーチン)形成と大規模析出地形、源泉かけ流し主体の湯使いが特徴の温泉です。

旅の余韻

出典:長万部観光協会

湯を離れ、噴火湾からの風を受けながら町を歩くと長万部の時間がゆっくりと身体に戻ってきます。

温泉でほどけた感覚と海の恵みを味わった記憶が重なり合い、旅の輪郭が静かに整っていくのを感じます。

かにめしの素朴な旨みや魚介の滋味は強く主張することなく、あとからふと思い出される味です。

それはこの町が持つ落ち着いた空気そのものなのかもしれません。

日常へ戻ったあともふとした瞬間に思い浮かぶのは、湯上がりの身体に残るぬくもりや、港町の静かな風景でしょう。

長万部で過ごした時間は旅の終わりに余白を残し、また静かに立ち寄りたくなる理由として 心の奥に息づいていきます。