【古遠部温泉】津軽の山あいに湧く赤湯の源泉かけ流し


出典:古遠部温泉
2026年03月1日更新

この記事を書いた人

湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

青森県平川市碇ヶ関(いかりがせき)の山あいに佇む古遠部温泉(ふるとおべおんせん)。

派手な観光地ではありませんが、湯口から絶えず注がれる濃厚な源泉かけ流しの湯を求め、全国から湯好きが訪れる一軒宿の温泉です。

空気に触れて茶褐色へと変わる“赤湯”は、見た目にも力強く、どこか懐かしい湯治場の空気を今に伝えています。

奥羽山脈の自然と碇ヶ関の風景に包まれて

 

出典:一般社団法人東北観光推進機構

古遠部温泉がある碇ヶ関は、青森県南部、秋田県との県境に近い静かな山里。ブナや広葉樹に囲まれ、四季折々の表情を見せます。

近くの道の駅や渓流沿いを歩けば、山の澄んだ空気が胸いっぱいに広がります。

観光名所が密集するエリアではありませんが、それがかえってこの温泉の魅力。

自然と向き合い、湯と向き合う。そんな旅の姿勢が似合う土地です。

猿賀神社の境内時間。池をめぐり、心を鎮める

出典:青森県

朝なぎの津軽平野を抜けると、猿賀神社の鳥居がゆっくりと姿を現します。 一歩くぐると、風の音が遠のき、鏡ヶ池の水面に雲がほどけるように広がります。

太鼓橋の上では、鯉がきらりと身を返し、木々の匂いがふっと濃くなります。 社殿の檜の香りに吸い寄せられ、手水の冷たさで背筋がすっと伸びました。

奥の見晴ヶ池では、水鳥が描く波紋が静けさをやさしく刻みます。 旅のペースが自然と落ち、心も深呼吸を覚えたように軽くなる時間です。

季節ごとの楽しみ方。雪・新緑・紅葉と古遠部温泉 源泉かけ流し

出典:一般社団法人平川市観光協会

雪の季節、古遠部温泉 源泉かけ流しの湯けむりは、白い静寂に溶け込みながら体の芯をほどきます。 外気との温度差が大きい日は、短めの入浴を重ねて休憩を挟むと負担が少なく感じます。

春は山肌の新緑が柔らかく、車窓の黄緑が湯上がりの余韻をそっと押し広げます。 初夏から盛夏は水分補給をこまめに行い、夕涼みの時間帯に訪れると湯がさらにやさしく感じられます。

紅葉の頃は渓谷が燃えるように色づき、湯面に落ちた葉がくるりと回る景色に見入ってしまいます。 積雪期は歩行用の滑り止めや防寒具を忘れずに。

一軒宿で味わう湯治の時間 古遠部温泉

出典:一般社団法人東北観光推進機構

山あいに建つ素朴な一軒宿。館内は決して豪華ではありませんが、湯と静けさを大切にする空気が流れています。

浴室は男女別の内湯のみ。大きな窓から差し込む自然光が、赤湯をいっそう深い色に見せます。

食事は地元食材を中心とした家庭的な和食膳。山菜や川魚など、土地の滋味が並びます。

連泊して湯治をする人も多く、静かな滞在を望む湯好きから支持されています。

古遠部温泉の源泉かけ流し温泉の概要

出典:一般社団法人東北観光推進機構

古遠部温泉の源泉かけ流しの湯は、湧いた分だけ浴槽へと注ぎ入れる素朴で力強いかけ流しです。 浴舎に入ると金気を含んだ香りが鼻先をくすぐり、湯口の音が一定のリズムで心をほどきます。

泉質は含鉄-ナトリウム-塩化物泉。

効能は神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・慢性皮膚病・切り傷・やけど・貧血の緩和です。

源泉温度は約45〜48℃で、pH値は中性域(約6.3〜6.8)。

湧出量は毎分数百リットル規模です。

山あいに佇む一軒宿の秘湯感と赤褐色の含鉄泉、毎分大量湧出の源泉をそのまま浴槽に注ぐ豪快なかけ流し、浴槽や床を染める鉄の析出と湯の花、素朴な湯治場の風情と静寂、四季の渓谷美と雪見の景観が特徴の温泉です。

旅の余韻

出典:青森県

湯気の向こうで心がゆるむ体験は、古遠部温泉 源泉かけ流しならではの贈り物です。

猿賀神社の水鏡と盛美園の静寂が、旅のテンポを穏やかに整えてくれました。

移動の段取りや季節の備えを少しだけ丁寧にすれば、道中も目的地もいっそう近く感じられます。

帰路に着いてからも、肌に残る温もりが次の訪れをそっと促してくれるでしょう。