【栃尾又温泉】 源泉かけ流し|ぬる湯と天然ラジウム 日本有数の湯治の名湯


出典:宝厳堂
2026年03月09日更新

この記事を書いた人

湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

新潟県魚沼市、山あいの静かな集落に湧く栃尾又温泉。

古くから“ぬる湯の名湯”として知られ、長い時間ゆっくりと身体を温める湯治文化が今も息づいています。

やわらかな源泉かけ流しの湯は、長湯をしても疲れにくく、湯の中で静かに呼吸を整えるような感覚。


派手な温泉街ではありませんが、森に囲まれた静けさとともに、身体を整える時間がゆっくりと流れています。

天然ラジウム含有量 日本第2位 身体を整える栃尾又温泉のぬる湯

出典:公益社団法人 新潟県観光協会

栃尾又温泉の湯は、天然ラジウムの含有量が日本第2位ともいわれる名湯。

ラジウムを含む温泉は、湯から発生する微量のラドンによる温熱作用があるとされ、古くから湯治場として親しまれてきました。身体をゆっくり整える温泉として、多くの湯治客が訪れる理由もここにあります。

さらに特徴的なのが、体温に近い温度のぬる湯。

一般的な温泉よりも低めの温度で、長く浸かっていても身体への負担が少なく、ゆったりと入浴できるのが魅力です。
湯のなかで静かに過ごしているうちに、身体の奥からじんわりと温かさが広がっていきます。

こうした泉質と温度の特性から、栃尾又温泉では古くから湯治文化が根付いてきました。

数日から数週間滞在し、ぬる湯にゆっくり浸かりながら身体を整える。

森に囲まれた静かな環境のなかで、湯と向き合う時間が今も大切に受け継がれています。

奥只見へ続く山の景色 魚沼の自然に触れる旅

出典:公益社団法人 新潟県観光協会

栃尾又温泉を訪れたなら、魚沼の雄大な自然にも目を向けてみたいところ。

温泉地から奥へ進んだ先に広がるのが奥只見湖です。

奥只見ダムによって生まれたこの湖は、周囲を山々に囲まれた静かな水景が広がる場所。
季節ごとに変わる景色が、多くの旅人を惹きつけています。

春から夏にかけては新緑が湖面に映え、秋には山一面が紅葉に染まる絶景が広がります。
遊覧船に乗れば、水上から魚沼の山並みをゆったりと眺めることもできます。

ぬる湯に身を預けて身体を整えたあと、山と水の景色に触れる時間。

栃尾又温泉の旅は、魚沼の自然とともに静かに深まっていきます。

魚沼コシヒカリと山の恵み 里山の食を味わう時間

出典:自在館

栃尾又温泉の旅で楽しみたいのが、魚沼の豊かな自然が育てた食材。

なかでも有名なのが、日本屈指のブランド米として知られる魚沼産コシヒカリです。
雪解け水と昼夜の寒暖差が育てる米は、甘みと粘りが際立ち、炊き立ての一杯だけでも土地の豊かさを感じさせてくれます。

宿の食卓には、春は山菜、夏は地元野菜、秋はきのこなど、里山の恵みが並びます。
派手な料理ではありませんが、素材の味を生かした素朴な味わいが魅力。

ぬる湯にゆっくり浸かったあとに味わう食事は、身体にやさしく染み込むようです。

湯に浸かり、山の食を味わう時間。栃尾又温泉の旅は、魚沼の自然と暮らしの恵みを感じるひとときでもあります。

自在館 栃尾又温泉のぬる湯文化を守る宿

出典:自在館

栃尾又温泉を代表する宿が、自在館。江戸時代から続く湯治宿として知られ、栃尾又温泉のぬる湯文化を今に伝えています。
館内には源泉かけ流しの浴槽がいくつもあり、温度の異なる湯をゆっくりと巡ることができます。

なかでも名物なのが、体温に近い温度のぬる湯。長い時間湯船に身を預けていると、身体の奥からじんわりと温かさが広がり、自然と呼吸が整っていくような感覚があります。
急いで入る温泉ではなく、静かに身体を整えるための湯。それが栃尾又温泉の魅力です。

木の温もりを感じる館内も落ち着いた雰囲気で、湯治場らしいゆったりとした時間が流れています。

豪華さよりも、湯そのものの力と静けさを大切にした宿。自在館は、栃尾又温泉のぬる湯文化を体感できる一軒です。

栃尾又温泉の源泉かけ流し温泉の概要

出典:自在館

栃尾又温泉は、湧いた湯をそのまま浴槽へ注ぐ源泉かけ流しが基本の湯治場です。
湯温はぬるめで、寝湯や半身浴に向いたやわらかな肌あたりが特徴で、じっくり長く浸かれます。

泉質は単純放射能泉(ラドン泉)・低張性中性温泉。

効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性、慢性消化器病、疲労回復、痛風、高血圧、動脈硬化です。

源泉温度は36〜38℃前後で、pH値は約7.0(中性)。

湧出量は非公表。

施設ごとの差の雪国・魚沼の谷あいに湧くぬる湯の名湯、長時間の寝湯・半身浴に適したやわらかな肌あたり、全宿源泉かけ流し運用、静穏な湯治文化と隠れ宿の情緒が特徴の温泉です。

旅の余韻

出典:自在館

ぬる湯にゆっくりと身を預けていた時間は、宿を後にしてもしばらく身体の奥に残ります。

森に囲まれた栃尾又温泉では、湯の温もりとともに、静かな空気そのものが旅の記憶になっていくようです。

湯上がりに外へ出ると、山の澄んだ空気が胸いっぱいに広がり、日常の慌ただしさが少し遠く感じられます。

派手な温泉街ではないけれど、ぬる湯に浸かり、ゆっくりと時間を過ごすことで整っていく感覚。

栃尾又温泉の森とぬる湯の静かな余韻が、旅の終わりにもやさしく寄り添ってくれます。