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硫酸塩泉とは?効用とおすすめの温泉地を4つご紹介!

更新日:2021年5月20日

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はなこ

キャンプや山登りが趣味です。山登りの後に温泉でほっこりしたり美味しいものを食べたりするのも大好きです。最近は、サウナにもはまっていて、週末になったら色々なサウナ探検に出かけています。旅が楽しくなるような情報がお伝えできると嬉しいです!

温泉は10種類の泉質に分けられ、それぞれ効用や効能に違いがあります。今回は10種類の泉質のうち「硫酸塩泉」の特長や効用、おすすめの温泉地をご紹介します。

硫酸塩泉はどのような温泉?

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硫酸塩泉とは

温泉水1kg中に溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg以上あり、陰イオンの主成分が硫酸イオンの温泉のことです。

環境省が発表している「温泉療法のイ・ロ・ハ」によると、下記の悩みを軽減する効能があります。

<浴用>
・きりきず
・末梢循環障害
・冷え性
・うつ状態
・皮膚乾燥症

<飲用>
・胆道系機能障害や高コレステロール
・血症
・便秘

参考:温泉療養のイ・ロ・ハ

硫酸塩泉は3つの泉質に分けられる

硫酸塩泉は含有成分により、以下のように泉質が分かれます。

<芒硝泉>
芒硝泉(ぼうしょうせん)は、ナトリウム分を多く含んでいるため、血圧を低下し痛みを和らげます。飲用では胆汁の分泌が促進され腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発化します。

<石膏泉>
石膏泉(せっこうせん)は、カルシウムの鎮静作用が高く、昔から「傷の湯」と言われてきました。飲用では「芒硝泉」と同じ効能があり、じんましんも抑制します。

<正苦味泉>
正苦味(せいくみ)泉は、マグネシウム分を多く含んでおり、血圧低下・鎮静作用があります。

参考:温泉ソムリエの癒しガイド|「硫酸塩泉の特徴」
参考:日本温泉協会 温泉名人|硫酸塩泉

硫酸塩泉のにおい、色や味は?硫酸ってヒリヒリしないの?

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「硫酸」という言葉が入っていますが、刺激が強いことはなく、肌が特にヒリヒリすることもありません。

<におい>
石膏泉は焦げたような匂いがしますが、人によっては甘い香りに感じることもあるようです。他2つの泉質の場合は基本的に無臭です。

<色>
無色透明。時間が経つと緑褐色に濁るものもあります。

<味>
苦くて渋いサビのような味ですが、人によっては甘く感じることもあるようです。

参考:飲む温泉|温泉の泉質(硫酸塩泉)
参考:温泉部|硫酸塩泉の特徴

硫酸塩泉に期待できる代表的な効用

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きりきずや火傷の改善

どの硫酸塩泉にもある効能ですが、特に石膏泉はカルシウムが含まれているため高い鎮静作用があります。

脳卒中の改善・予防

どの硫酸塩泉にも血圧低下・鎮静作用があり、脳卒中後の麻痺を改善し、動脈硬化の予防が期待されます。特に正苦味泉はマグネシウム分を多く含んでいるため血圧低下・鎮静作用があります。

胆道系機能障害の改善・予防

硫酸塩泉を飲用すると胆汁の分泌が促進されて腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発化するため、胆道疾患を改善します。

芒硝泉を飲用した場合には、糖尿病や肥満症、便秘などの改善も期待できます。

参考:温泉ソムリエの癒しガイド|「硫酸塩泉の特徴」
参考:温泉部|泉質と効果効能(適応症)一覧まとめ!療養泉は普通とは違う?

硫酸塩泉への入浴・飲用するときの注意点

一般的禁忌症以外は特に禁忌症はありません。しかし、同じ泉質でも、各温泉施設の温泉の成分や加水などの使用状況により、肌触りや作用が異なるので注意が必要です。

油分を洗い流す作用が特に強いとされており、湯上りは肌が乾燥することもあるため保湿が必要です。乾燥肌の方や高齢者や子どもが入浴すると、肌荒れしてしまう場合もあります。

また、飲用する際は、新鮮なうちに適量飲むなどの一般的な注意が必要です。

参考:Glip|10種類の泉質はどんな効果がある?
参考:温泉療養のイ・ロ・ハ