提供:松山城

愛媛の名城「松山城」を探訪。見どころをおさえよう

更新日:2021年7月12日

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ともきち

温泉が好きで、年に数回は友人や家族と国内旅行を計画し、色々な温泉地へ出かけています。温泉の中でも、濁り湯の露天風呂が特に好みです。旅先では、有名観光地や絶景スポットをひと通りまわり、地元の名物料理やお菓子の食べ歩きも欠かしません。旅好きならではの視点で、温泉地の情報や温泉にまつわる知識など、魅力あふれる記事をお届けします。

愛媛県の中心に位置する松山市。道後(どうご)温泉や司馬遼太郎(しばりょうたろう)の小説「坂の上の雲」の舞台として有名なこの地には、観光客からの高い人気を誇る「松山城」があります。標高132mの勝山(かつやま)山頂に築かれた天守から眺める景色は絶景。今回は、松山城の見どころをご紹介します。

松山城とは?

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松山市の中心部、標高132mの勝山にある「松山城」は、関ヶ原の戦いで活躍した加藤嘉明(よしあきら)が初代藩主となり、慶長7(1602)年から四半世紀もの歳月をかけて築城されました。

幾つもある見所の中でも天守は、全国で12ヶ所しかない江戸時代以前から現存する「十二天守」の一つとして有名です。山麓には、現在は史跡庭園となっている二之丸と、堀之内公園として親しまれている三之丸が広がります。

松山城を散策

勝山の麓にある「二之丸」

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勝山の山麓にある「二之丸庭園」は、かつて御殿が立っていた場所。天守のある山頂に毎日登り降りするのは大変だったため、城主は天守には暮らさず、山麓にある二之丸・その外側にある三之丸で生活・政務を執り行っていました。

現在二之丸庭園には、復元された多門櫓(たもんやぐら)や番所、大井戸跡があります。三之丸には、地元の方々が集う広場や県立美術館が並びます。

ロープウェイ・リフトで山頂まで楽々アクセス

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標高132mの山頂にある松山城本丸までは、4つの登山道がありますが、いずれも30分ほど険しい坂道を登らなければいけません。簡単に山頂にアクセスしたい方は、ロープウェイかリフトの利用がおすすめです。

ロープウェイは約3分、リフトは約6分で、8合目に位置する本丸の入り口「長者ヶ平(ちょうじゃがなる)」に到着し、その後、約10分ほど歩くと天守に辿り着きます。

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ロープウェイやリフトに揺られて見る松山市街地の景色は格別です。リフトを利用すると、より自然を肌身で感じることができます。

<施設詳細>
・施設名:松山城ロープウェイ
・営業時間(ロープウェイ):(2~7月、9~11月)8:30~17:30、(8月)8:30~18:00、(12・1月)8:30~17:00 ※夜間特別営業日の際は~20:30
・営業時間(リフト):8:30~17:00 ※未就学児童は乗車不可
・定休日(共通):なし ※天候により運休の場合あり
・料金(共通):大人(中学生以上)270円、小人(小学生)130円 ※往復券・天守観覧券とのセット割引あり

山頂にある本丸と天守を観る

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安政元年(1854年)に再建落成した天守は、三重三階地下一階の「層塔型天守(そうとうがたてんしゅ)」という様式です。

層塔型天守とは、一階から最上階まで順番に積み上げていくような形の天守のこと。天守を含む4基の小さめの多重櫓(やぐら)「小天守(しょうてんしゅ)」は、「渡り櫓」によって繋がり、往来が出来るようになっています。

侵入兵を監視する大きな窓、敵を壁の内側から狙い撃ちするために開けられた「狭間(はざま)」、床に空いた穴「石落とし」などの防備に優れた建造物群は、日本の代表的な城郭(じょうかく)建築です。

松山城の見どころ

1. 21棟の国の重要文化財

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29棟の建造物がほぼ木造で復元されている松山城の魅力の一つは、重要文化財の多さです。天守をはじめ、櫓6棟、門7棟、塀7棟の計21棟が国の重要文化財に指定されています。

現存十二天守のなかで唯一、親藩・松平家によって建築されたもので、そのことを物語る「葵の御紋」が瓦などに見られます。

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防備のために構えられた櫓のなかで特に注目すべきは、本丸の北を守るために建てられた「野原(のはら)櫓」。

野原櫓は日本で唯一現存する「望楼型(ぼうろうがた)二重櫓」で、天守の原型といわれており、重要文化財に指定されています。

望楼型とは、一階もしくは二階建ての大きな入母屋(いりもや)造りの上に、一階建てから三階建てぐらいの大きさの望楼、いわゆる物見(ものみ)を乗せたものです。

2. 珍しい石垣や芸術的な石垣

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松山城の高さ14mにもなる石垣からは、築城技術の高さを知ることができます。

有名な「登り石垣」は、ふもとの二之丸と山頂の天守を、山の斜面を登る2つの石垣で連結させたものです。敵の侵入を防ぐこの鉄壁の防御壁は、三之丸(堀之内公園)や県庁裏登城道で見られます。

現存十二天守の中で登り石垣が残っているのは、松山城と滋賀県の彦根城だけ。松山城の登り石垣は彦根城のものより長く、全長230m以上もあります。

3. 城からの眺めや夜のライトアップ

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標高161mある天守の最上階からの絶景は必見です。晴れた日には、西には瀬戸内海、南には遠く石鎚(いしづち)山系が望めることもあります。

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本丸公園(21時まで開放)や堀之内公園西側からは、23時までライトアップされる天守が見られます。

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また、天守の夜間特別営業日には、天守から松山市街地の光が煌めく夜景を楽しめます。