愛媛の名城「松山城」を探訪。見どころをおさえよう
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ともきち
温泉が好きで、年に数回は友人や家族と国内旅行を計画し、色々な温泉地へ出かけています。温泉の中でも、濁り湯の露天風呂が特に好みです。旅先では、有名観光地や絶景スポットをひと通りまわり、地元の名物料理やお菓子の食べ歩きも欠かしません。旅好きならではの視点で、温泉地の情報や温泉にまつわる知識など、魅力あふれる記事をお届けします。
愛媛県の中心に位置する松山市。道後(どうご)温泉や司馬遼太郎(しばりょうたろう)の小説「坂の上の雲」の舞台として有名なこの地には、観光客からの高い人気を誇る「松山城」があります。標高132mの勝山(かつやま)山頂に築かれた天守から眺める景色は絶景。今回は、松山城の見どころをご紹介します。
目次
松山城とは?
提供:松山城
松山市の中心部、標高132mの勝山にある「松山城」は、関ヶ原の戦いで活躍した加藤嘉明(よしあきら)が初代藩主となり、慶長7(1602)年から四半世紀もの歳月をかけて築城されました。
幾つもある見所の中でも天守は、全国で12ヶ所しかない江戸時代以前から現存する「十二天守」の一つとして有名です。山麓には、現在は史跡庭園となっている二之丸と、堀之内公園として親しまれている三之丸が広がります。
松山城を散策
勝山の麓にある「二之丸」
提供:松山城
勝山の山麓にある「二之丸庭園」は、かつて御殿が立っていた場所。天守のある山頂に毎日登り降りするのは大変だったため、城主は天守には暮らさず、山麓にある二之丸・その外側にある三之丸で生活・政務を執り行っていました。
現在二之丸庭園には、復元された多門櫓(たもんやぐら)や番所、大井戸跡があります。三之丸には、地元の方々が集う広場や県立美術館が並びます。
ロープウェイ・リフトで山頂まで楽々アクセス
提供:松山城
標高132mの山頂にある松山城本丸までは、4つの登山道がありますが、いずれも30分ほど険しい坂道を登らなければいけません。簡単に山頂にアクセスしたい方は、ロープウェイかリフトの利用がおすすめです。
ロープウェイは約3分、リフトは約6分で、8合目に位置する本丸の入り口「長者ヶ平(ちょうじゃがなる)」に到着し、その後、約10分ほど歩くと天守に辿り着きます。
提供:松山城
ロープウェイやリフトに揺られて見る松山市街地の景色は格別です。リフトを利用すると、より自然を肌身で感じることができます。
<施設詳細>
・施設名:松山城ロープウェイ
・営業時間(ロープウェイ):(2~7月、9~11月)8:30~17:30、(8月)8:30~18:00、(12・1月)8:30~17:00 ※夜間特別営業日の際は~20:30
・営業時間(リフト):8:30~17:00 ※未就学児童は乗車不可
・定休日(共通):なし ※天候により運休の場合あり
・料金(共通):大人(中学生以上)270円、小人(小学生)130円 ※往復券・天守観覧券とのセット割引あり
山頂にある本丸と天守を観る
提供:松山城
安政元年(1854年)に再建落成した天守は、三重三階地下一階の「層塔型天守(そうとうがたてんしゅ)」という様式です。
層塔型天守とは、一階から最上階まで順番に積み上げていくような形の天守のこと。天守を含む4基の小さめの多重櫓(やぐら)「小天守(しょうてんしゅ)」は、「渡り櫓」によって繋がり、往来が出来るようになっています。
侵入兵を監視する大きな窓、敵を壁の内側から狙い撃ちするために開けられた「狭間(はざま)」、床に空いた穴「石落とし」などの防備に優れた建造物群は、日本の代表的な城郭(じょうかく)建築です。
松山城の見どころ
1. 21棟の国の重要文化財
提供:松山城
29棟の建造物がほぼ木造で復元されている松山城の魅力の一つは、重要文化財の多さです。天守をはじめ、櫓6棟、門7棟、塀7棟の計21棟が国の重要文化財に指定されています。
現存十二天守のなかで唯一、親藩・松平家によって建築されたもので、そのことを物語る「葵の御紋」が瓦などに見られます。
提供:松山城
防備のために構えられた櫓のなかで特に注目すべきは、本丸の北を守るために建てられた「野原(のはら)櫓」。
野原櫓は日本で唯一現存する「望楼型(ぼうろうがた)二重櫓」で、天守の原型といわれており、重要文化財に指定されています。
望楼型とは、一階もしくは二階建ての大きな入母屋(いりもや)造りの上に、一階建てから三階建てぐらいの大きさの望楼、いわゆる物見(ものみ)を乗せたものです。
2. 珍しい石垣や芸術的な石垣
提供:松山城
松山城の高さ14mにもなる石垣からは、築城技術の高さを知ることができます。
有名な「登り石垣」は、ふもとの二之丸と山頂の天守を、山の斜面を登る2つの石垣で連結させたものです。敵の侵入を防ぐこの鉄壁の防御壁は、三之丸(堀之内公園)や県庁裏登城道で見られます。
現存十二天守の中で登り石垣が残っているのは、松山城と滋賀県の彦根城だけ。松山城の登り石垣は彦根城のものより長く、全長230m以上もあります。
3. 城からの眺めや夜のライトアップ
提供:松山城
標高161mある天守の最上階からの絶景は必見です。晴れた日には、西には瀬戸内海、南には遠く石鎚(いしづち)山系が望めることもあります。
提供:松山城
本丸公園(21時まで開放)や堀之内公園西側からは、23時までライトアップされる天守が見られます。
提供:松山城
また、天守の夜間特別営業日には、天守から松山市街地の光が煌めく夜景を楽しめます。
松山城へのアクセスと基本情報
アクセス
電車
「JR松山駅」から市内電車で「大街道(おおかいどう)」下車後、徒歩約5分。
車
「松山IC」を降りて、車で約20分。
※駐車場あり(普通車20台)、普通車420円(2時間) ※以降30分毎100円
※車で勝山山頂に上がることはできません。
松山城詳細情報
・住所:愛媛県松山市丸之内1
・電話番号:089-921-4873
・営業時間:9:00~17:00 ※入場は営業終了時間の30分前まで ※夜間特別営業日(公式サイトをご確認ください)は~20:00
・定休日:12月第3水曜日
・利用料:(天守観覧料)大人(中学生以上)520円、小人(小学生)160円
・公式サイト:https://www.matsuyamajo.jp/
松山城の歴史に触れる旅へ出かけませんか?
出典:PIXTA
松山城から徒歩20分ほどの場所には、道後温泉があります。松山城の歴史に触れた後は、「日本書記」にも登場するわが国最古といわれる道後温泉の湯に浸かったり、温泉街で食べ歩きグルメや食事を楽しんだりしてはいかがでしょうか。