日本三名城の一つ「熊本城」の魅力に迫る。戦を想定した防衛機能は必見!
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ともきち
温泉が好きで、年に数回は友人や家族と国内旅行を計画し、色々な温泉地へ出かけています。温泉の中でも、濁り湯の露天風呂が特に好みです。旅先では、有名観光地や絶景スポットをひと通りまわり、地元の名物料理やお菓子の食べ歩きも欠かしません。旅好きならではの視点で、温泉地の情報や温泉にまつわる知識など、魅力あふれる記事をお届けします。
熊本県にある「熊本城」は、実践に備えた仕掛けがたくさん施された要塞として知られ、一日中歩き回ってもその魅力が尽きることがない場所。今回はその魅力をピックアップしてご紹介します。
目次
熊本城とは?
提供:熊本市
熊本市の中心部の小高い丘の上にそびえる「熊本城」は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけ、「築城の名手」や「土木の神様」と呼ばれた加藤清正(かとう きよまさ)が、藤堂高虎(とうどう たかとら)や馬場信房(ばば のぶはる)と共に築城したもので、国の特別史跡になっています。
周囲は5.3km、面積は98万平方mにも及ぶ広大な城郭に、大小の2つの天守閣をはじめ、49の櫓(やぐら)、18の櫓門(廊下のように長く造った櫓の下に設けた門)、29の城門を備えていました(一部西南戦争などで取り壊されたものあり)。
提供:熊本市
熊本城の特徴は、戦を想定したさまざま防衛機能を備えていること。敵の侵入を防ぐための大きく反り返った急勾配の石垣「忍び返し(しのびがえし)」が特に有名ですが、その他、地下通路があったり、籠城が可能な設備を備えていたりと、色々な工夫がされています。
提供:熊本市
熊本城の異名「銀杏城」は、加藤清正が築城を記念して銀杏の木を手植えしたことから来ています。
明治時代前期に勃発した西南戦争で、残念ながら銀杏の木は天守とともに焼失してしまいましたが、幸いにも焼け残った根元から出た脇芽が成長し大きく茂り、晩秋には黄金色に色付いた銀杏の葉と黒白の天守閣との見事な色合いで楽しませてくれます。
天守閣は、西南戦争後に再建されましたが、2016年の熊本地震で多大な被害を受け、現在も復旧に向けた工事が進行中です。
熊本城の見どころ
1. 堂々たる熊本城天守閣
提供:熊本市
熊本城天守閣の最大の特徴は、大小2つの天守閣があることです。
大天守は三層六階地下一階、小天守は二層四階地下一階となっていて、四面に配した「千鳥破風(ちどりはふ)」(屋根の上に屋根本体から独立した三角形の切妻破風(きりづまはふ)を直接置いた形のもの)と最上階の南北につくられた「唐破風(からはふ)」(曲線を連ねた形状の破風板を、屋根に付けたもの)と呼ばれる建築様式が見どころです。
大天守の最上階は展望台になっていて、熊本市内の風景を360度望むことができ、天気が良ければ、遠く阿蘇の山々まで見渡せます。
2. 圧巻の石垣群
提供:熊本市
「清正流石組」といわれる大胆かつ精巧な造りで幾重にも連なる石垣群は、加藤清正が近江国(おうみのくに:現在の滋賀県あたり)から率いてきた特殊技術を持つ石工(いしく)集団、「穴太衆(あのうしゅう)」よって造られました。
特に、堅牢たる要塞を象徴する「忍び返し」または、「武者返し」の異名を持つ反り返った石垣は圧巻です。
提供:熊本市
大河ドラマ「真田丸」に登場した「二様(によう)の石垣」は、異なる時代に造られたことがひと目で分かる、熊本城の中でも有名な写真スポットです。
勾配が緩やかな石垣は加藤家時代のもので、一方、勾配が急な石垣は、その後の細川家時代に造られたものです。時代が下るほど、石組みの精密さが増しているのが分かります。
3. 難攻不落の熊本城の象徴「宇土櫓」
提供:熊本市
「宇土(うと)櫓」は築城当時の姿を今も残す貴重な建物で、重要文化財に指定されています。
明治時代初期の西南戦争の際も戦火を免れた、20mの高さを誇る石垣の上にそびえる城内最大の櫓は、難攻不落の熊本城の象徴です。
4. 豪華絢爛な「本丸御殿」
提供:熊本市
「本丸御殿(ほんまるごてん)」は、熊本城築城400年記念事業の一環として、古写真・文書などをもとに築城当時の状態に忠実に2008年(平成20年)に復元されました。
昭君之間
提供:熊本市
本丸御殿の最大の見どころは、豪華絢爛な金色に輝く「昭君之間(しょうくんのま)」です。
正面に描かれた中国・漢の時代の宮女・王昭君(おうしょうくん)をモチーフにした障壁画の色鮮やかさは目を見張るばかり。
天井には格子状に配置された60枚の天井画が並び、金箔に彩られた空間は、まさに華麗なる大名の暮らしを彷彿とさせるものです。
闇り通路
提供:熊本市
「闇り通路(くらがりつうろ)」は、本丸御殿の床下にある石垣でできた地下通路。熊本城独自の構造として有名な場所です。
提供:熊本市
熊本城の天守閣や本丸御殿は、毎晩23:00までライトアップされています。闇夜に浮かび上がる城の風景は、まるで一枚の絵画のようです。
熊本城へのアクセスと基本情報
アクセス
電車
「JR熊本駅」から市内電車で「熊本城・市役所前」へ。その後徒歩(約17分)。
車
「熊本IC」から国道57号線を熊本市街地方面へ走行し、約30分。
※二の丸駐車場(普通車210台)他、数ヶ所の駐車場あり
熊本城詳細情報
・住所:熊本県熊本市中央区本丸1-1
・電話番号:096-352-5900
・営業時間:9:00~19:00 ※入場は営業終了時間の30分前まで。
・定休日:12月29〜31日
・利用料:大人(中学生卒以上)500円、小中学生200円、未就学児無料
・公式サイト:https://castle.kumamoto-guide.jp/
※復旧の進捗に応じて「特別公開」が行われ、特別見学通路から被害状況や復旧の過程を見学できます。詳しくは、公式サイトにてご確認ください。
復興を目指す熊本城へ出かけませんか?
熊本城は、2016年の熊本地震で多大な被害を受け、現在も復旧に向けた工事が進行中です。
今回の記事で熊本城の魅力を今一度確認されたら、1日も早い復興を応援するためにも、ぜひ熊本城に足を運んでください。