【八幡平温泉郷】の源泉かけ流しを堪能|後生掛温泉の名物・泥湯と蒸し風呂&絶景露天を巡る旅
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湯あがり ぽか子
温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!
岩手県と秋田県にまたがる八幡平温泉郷は、藤七温泉など一部の温泉施設が標高1,400m級に位置する高地に点在する源泉かけ流しの秘湯群と、雄大な自然が織りなす絶景が魅力の温泉地です。
後生掛温泉の名物である泥湯や箱蒸し風呂など江戸時代から続く湯治文化を今に伝えています。
東北最高所の露天風呂として人気を集めている藤七温泉 彩雲荘や、乳白色の硫黄泉が特徴的な松川温泉など、個性豊かな源泉かけ流し温泉が楽しめるのが大きな魅力です。
5月下旬から6月上旬にかけて現れる八幡平ドラゴンアイや、八幡平アスピーテラインのドライブ、トレッキングなど観光資源も充実しています。
雄大な自然と多彩な泉質を持つ源泉かけ流し温泉、そして絶景が織りなす八幡平温泉郷で心身ともに癒される極上の温泉旅を満喫しましょう。
目次
八幡平ドラゴンアイと周辺観光地|源泉かけ流し温泉旅で訪れたい絶景スポット
出典:美の国あきたネット
八幡平温泉郷での温泉巡りと合わせて楽しみたいのが雄大な自然が生み出す絶景スポットです。
中でも5月下旬から6月中旬頃にしか見られない「八幡平ドラゴンアイ」は必見です。
鏡沼の雪解けが進む過程で残雪が竜の目のような形状になる神秘的な自然現象で、多くの観光客やカメラマンが訪れます。
八幡平山頂へと続く八幡平アスピーテラインは全長約27kmの絶景ドライブルートで、例年4月中旬〜下旬の開通直後から5月上旬にかけて「雪の回廊」が楽しめます。
標高約1,540mの山頂駐車場まで車でアクセスでき、そこから山頂までは徒歩20〜30分の散策路が整備されています。
山頂周辺には大沼や八幡沼など複数の火山湖が点在し、1時間から2時間程度のトレッキングコースも充実しています。
高山植物が咲き誇る夏、紅葉が美しい秋と、季節ごとに異なる表情を見せる八幡平の自然は源泉かけ流し温泉と合わせて訪れることでより深い旅の満足感が得られるでしょう。
後生掛温泉の源泉かけ流しと泥湯・箱蒸し風呂|湯治場の伝統を体験
八幡平温泉郷を代表する後生掛温泉は300年以上の歴史を持つ湯治場で、源泉かけ流しの多彩な温泉施設が魅力です。
最大の特徴は7種類の異なる浴槽を持つことで、中でも「泥湯」は肌に泥をなじませながら温泉に浸かることで、美肌と温湿布効果を得られます。
「箱蒸し風呂」は地熱を利用した伝統的な蒸し風呂で、木製の箱に首だけ出して入ることでのぼせず蒸気が全身を包み込み、発汗作用で血行促進や代謝アップが期待できます。
他にも火山風呂、打たせ湯、神経痛の湯、露天風呂など、特徴の異なる源泉かけ流し温泉が揃っています。
日帰り入浴の受付時間・料金は公式に「10:30~15:00(最終入館 14:00)、大人800円(税込)」と案内されています。宿泊には「旅館」プランと「湯治部」プランがあり、湯治部は自炊が基本となり長期滞在も可能です。
また、自炊設備を使った湯治滞在と、館内食付きの旅館滞在を選べる方式です。施設内では温泉卵作り体験も可能とされ、硫黄の香り漂う湯治場の雰囲気を存分に味わえます。
藤七温泉 彩雲荘の源泉かけ流し|標高1400m東北最高所の雲上露天風呂
出典:旅東北
標高1,400mに位置する藤七温泉 彩雲荘は、東北地方で最も高所にある温泉宿として知られています。
この宿の最大の魅力は、雲上の絶景を眺めながら入浴できる源泉かけ流しの露天風呂です。
乳白色の硫黄泉で満たされた野趣あふれる露天風呂は混浴が基本で、女性専用時間も設けられています。
晴れた日には岩手山をはじめとする東北の名峰を一望でき、まさに雲の上で温泉に浸かるような開放感が味わえます。
泉質は単純硫黄泉(硫化水素型)で、美肌効果や疲労回復が期待されます。
営業期間は4月下旬〜10月下旬までの季節営業で、冬季は豪雪のため休業となります。
日帰り入浴は8:00〜17:00で、料金は大人650円です。
宿泊は素泊まりもしくは2食付きプランがあり、山小屋風の素朴な雰囲気が魅力です。
八幡平アスピーテライン近くに位置しているためアクセスも良好で、ドライブ途中に立ち寄る観光客も多い人気の源泉かけ流し温泉です。
松川温泉の源泉かけ流しと乳白色の美肌湯|渓流沿いの秘湯宿
出典:峡雲荘公式ホームページ
八幡平温泉郷の奥座敷とも呼ばれる松川温泉は、約280年前に開湯したといわれている静かな温泉地です。
代表的な宿には松川荘、峡雲荘があり、いずれも源泉かけ流しの乳白色の硫黄泉が自慢です。
泉質は単純硫黄泉(硫化水素型)で、弱酸性~中性に近い泉質が多く、美肌効果が期待され「美人の湯」としても親しまれています。美肌効果に加えて、神経痛、筋肉痛、慢性皮膚病などへの効能があるとされています。
各宿とも渓流沿いに露天風呂を備え、四季折々の自然を眺めながらゆったりと源泉かけ流しの湯に浸かることができます。
特に紅葉の時期には渓谷全体が色づき、絶景の露天風呂が楽しめます。
松川荘では日帰り入浴も可能で、営業時間は8:00~18:00(受付17:00)料金は大人700円です。
アクセスは松尾八幡平ICから県道を経由し、車で約30分前後の山間部に位置しています。
秘湯の雰囲気を残しつつ設備も整っており、ゆっくりと湯治気分を味わいたい方におすすめの源泉かけ流し温泉です。
八幡平温泉郷の源泉かけ流し温泉の概要|泉質と特徴を知る
出典:旅東北
八幡平温泉郷の源泉かけ流し温泉は、火山地帯特有の豊富な湧出量と多彩な泉質が特徴です。
源泉かけ流しとは、基本的に温泉源から湧き出たお湯を循環濾過せずに浴槽に注ぎ、溢れたお湯を排出する方式で、温泉成分を新鮮な状態で楽しめる贅沢な入浴方法です。
八幡平温泉郷では後生掛温泉、藤七温泉、松川温泉などがそれぞれ異なる源泉を持ち、硫黄泉を中心に個性的な泉質が楽しめます。
特に後生掛温泉は毎分約3,000リットルという豊富な湧出量を誇り、7種類の浴槽がいずれも源泉かけ流しで楽しめます。
泥湯や箱蒸し風呂など、独特の入浴スタイルも大きな魅力です。
江戸時代から続く湯治文化を現代に受け継ぎ、長期滞在での療養や健康増進を目的とする湯治客も多く訪れます。
高地に位置するため空気が澄み、源泉かけ流しの新鮮な温泉とともに心身をリフレッシュできる環境が整っています。
後生掛温泉の源泉かけ流し温泉概要
項目 | 詳細 |
---|---|
泉質 | 単純硫黄泉(低張性・弱酸性・高温泉) |
効能 | 胃腸病・神経痛・腰痛症・膝関節炎・交通事故による後遺症・リュウマチ・ゼンソク・婦人病・更年期障害・心身症・血行障害・痔・骨折やケガ治療後のリハビリ・冷え性・内臓手術後の療養・その他 |
源泉温度 | 約87.9℃ |
pH値 | 約3.02 (弱酸性) |
湧出量 | 150 L/分 (自然湧出) |
特徴 | 7種類の源泉かけ流し浴槽(泥湯、箱蒸し風呂、火山風呂、打たせ湯、神経痛の湯、蒸気サウナ、露天風呂)を備える湯治場。泥湯は底から天然の泥が湧出する浴槽、箱蒸し風呂は地熱を利用した伝統的蒸し風呂。温泉卵作り体験あり。日帰り入浴受付時間 10:30~15:00(最終入館14:00)、料金 大人800円、宿泊は旅館プラン・湯治部プランあり。 |
参考 | 八幡平後生掛温泉 公式サイト |
(※湯温・pH・湧出量は季節や測定時期で変動する場合があります。日帰り入浴時間・料金は変更される可能性がありますので、公式HPで最新情報をご確認ください。)
まとめ
出典:旅東北
八幡平温泉郷は、藤七温泉など一部の施設が標高1,400m級の高地に位置する源泉かけ流しの秘湯群と雄大な自然が織りなす絶景が魅力の温泉地です。
後生掛温泉の泥湯や箱蒸し風呂では江戸時代から続く湯治文化を体験でき、藤七温泉 彩雲荘では東北随一の高所に位置する雲上露天風呂から絶景を楽しめます。松川温泉の乳白色の美肌湯は渓流沿いの静かな環境で心身を癒してくれます。
5月下旬から6月上旬にかけて限定で現れる八幡平ドラゴンアイや、八幡平アスピーテラインのドライブ、トレッキングなど、温泉以外の観光資源も充実しています。
豊富な湧出量を誇る源泉かけ流しの新鮮な温泉と四季折々の自然美が調和する八幡平温泉郷で日常を忘れる極上の温泉旅をお楽しみください。