【道後温泉】 源泉かけ流し|歴史と文化の温泉地


出典:別館 飛鳥乃湯泉
2026年1月2日更新

この記事を書いた人

湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

木の香をまとった道後温泉本館と、新しい感性が息づく別館 飛鳥乃湯泉。

道後温泉は愛媛県松山市にあり、日本最古級と伝わる歴史を背景に文人や旅人の文化を育んできた温泉地です。

道後温泉本館と別館 飛鳥乃湯泉のふたつの湯を歩いて巡るだけで、旅の体内時計がゆっくりと整っていきます。

湯舟の縁からさらりと溢れる湯、湯上がりに頬を撫でる風、石畳の音。

本館の重厚な趣と飛鳥乃湯泉の凛とした意匠が対照的で、行き来するたび発見が増えます。

道後温泉 源泉かけ流しの心地よさを、朝と夜の二つの表情で確かめに行きませんか。

松山城・石手寺・道後公園へ 道後温泉の湯上がり散歩


出典:松山城総合事務所

湯上がりの体で松山城の天守へ上がると、碁盤の目の街並みと遠くの海が重なって見え、胸の奥が静かに広がります。
風が肌を抜け、石垣のひんやりした気配が、火照りをやさしくほどいてくれます。視界が開けるほど、歩いてきた時間が一段落ち、旅の速度が整っていくのを感じます。

石手寺では、堂宇に差す柔らかな陰影と線香の香りが心を静め、呼吸が自然と深くなります。砂利を踏む音が足裏に小さく続き、歩幅は無理なく落ち着いていきます。祈りの場の静けさが、湯の余韻を内側へと導いてくれるようです。

道後公園(湯築城跡)では、季節の色がゆるやかに巡り、ベンチに腰を下ろすだけでも気分がほどけます。
石畳を踏むたび、湯の温もりが静かに残り、もう一度湯へ戻りたくなる衝動が生まれる。
道後温泉の湯上がり散歩は、歩くことで余韻を深める時間です。

「道後温泉本館」で味わう 源泉かけ流しの古き良き湯時間


出典:道後温泉本館

道後温泉本館の湯に身を沈めると、建物に刻まれた時間そのものが、静かに体へ伝わってくるように感じられます。
浴室に差し込むやわらかな光、木と石がつくる落ち着いた空気。源泉かけ流しの湯は、派手さはないものの、肌あたりがやさしく、湯に浸かるほど呼吸が深まっていきます。
湯音が小さく反響する空間では、自然と余計な思考がほどけ、湯と向き合う時間に集中できます。

湯上がりに廊下を歩けば、きしむ床の感触や行き交う人の気配が、この場所が今も“生きた湯屋”であることを教えてくれます。
明治の面影を残す建築と、変わらず湧き続ける源泉。その組み合わせが、入浴という行為を単なる休息ではなく、文化に触れる体験へと引き上げています。

道後温泉本館で過ごす湯時間は、新しさを求めるのではなく、受け継がれてきた心地よさに身を委ねるひととき。
古き良き湯の記憶が、旅の余韻として静かに残り続けます。

「道後温泉本館」と「別館 飛鳥乃湯泉」で源泉かけ流し湯めぐり


出典:別館 飛鳥乃湯泉

道後温泉の湯めぐりは、同じ源泉に触れながら、時代の異なる表情を行き来できるところに魅力があります。

道後温泉本館では、木と石に包まれた浴室に身を沈めることで、湯そのものと静かに向き合う時間が生まれます。
源泉かけ流しのやわらかな湯は、長い歴史に磨かれた落ち着きをまとい、呼吸や思考の速度を自然と落としてくれます。

一方、別館 飛鳥乃湯泉では明るさと余白を感じる空間の中で、同じ源泉の心地よさを少し違った角度から味わえます。
湯上がりに差し込む光や、動線のゆとりが入浴後の時間まで穏やかに整えてくれるのが印象的です。
新しさの中にも、道後らしい品のある静けさが息づいています。

本館で深く湯に浸かり、飛鳥乃湯泉で余韻を広げる。
その往復は、湯めぐりというより、時間を行き来する体験です。二つの湯を重ねることで、道後温泉の源泉かけ流しが持つ奥行きが、よりはっきりと心に残っていきます。

「道後御湯」に滞在して道後温泉の余韻を持ち帰る


出典:道後御湯

道後御湯に腰を落ち着けると、湯の時間がそのまま滞在の軸になるのを感じます。

館内は過度な装飾を抑え、動線も簡潔。湯へ向かう気配、部屋に戻る静けさ、そのどちらもが余韻を途切れさせません。
湯に身を沈めれば、道後温泉のやわらかな温もりが角を持たずに広がり、呼吸は自然と深くなっていきます。

湯上がりは外の賑わいから距離を置いた空間で、体に残る温かさをゆっくり受け止める時間。
窓辺の光や夜に深まる静寂が、湯の感触を記憶として定着させてくれます。
翌朝、もう一度短く浸かると前夜とは違う澄み具合があり、同じ湯でも表情が変わるのがわかります。

道後御湯での滞在は名所を巡るための拠点というより、湯の余韻を持ち帰るための場所。
歩いた道、触れた湯、整えられた静けさが重なり、帰路についてからも道後温泉の時間が静かに続いていきます。

道後温泉の源泉かけ流し温泉の概要


出典:別館 飛鳥乃湯泉

源泉かけ流しは、湧き出た湯を湯舟へ注ぎ続けて入れ替える入浴スタイルのことです。
道後温泉エリアでも、施設ごとに湯の扱い方や浴場のつくりは少しずつ異なり、個性が表れます。

かけ流し主体の浴槽や、湯温を整えるための加温・加水の有無は各施設がそれぞれ定めており、掲示や案内で確認できます。
自分の好みに合う湯を選ぶには、営業時間や浴場の方式、アメニティなどを事前にチェックしておくと安心です。

いずれの湯でも、湯面から立つやわらかな香りと肌に沿う感触が、道後らしい余韻を長く残してくれます。お出かけの前に、各施設のHPで最新の案内に目を通してから向かうのがおすすめで、旅の満足度がぐっと上がります。

道後温泉の泉質はアルカリ性単純温泉(低張性)で、効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進です。

源泉温度は約41~43℃で、pH値は約8.5~9.0(アルカリ性)で、湧出量は総湧出量 約1,500~2,000L/分の無色透明でやわらかな肌ざわり、美肌の湯、適温の湯、源泉かけ流しの浴槽を備える共同浴場と旅館の分布、夏目漱石ゆかりの情緒ある温泉街が特徴の温泉です。

旅の締めくくり


出典:道後公園

道後で過ごした時間を振り返ると、湯の温もりだけでなく、歩いた道の感触や立ち止まったときの静けさまでが重なって思い出されます。

本館や飛鳥乃湯泉で湯に触れ、街を歩き、宿で余韻を受け止める。

その積み重ねが、旅の輪郭をやわらかく整えてくれました。
帰り道、体の火照りは少しずつ落ち着いても湯の記憶は静かに残り続けます。

道後温泉の旅は、日常へ戻る前にもう一段深い呼吸をくれる締めくくりです。