【湯平温泉】源泉かけ流し|石畳に導かれる静養の里


出典:一般社団法人由布市まちづくり観光局
2026年02月21日更新

この記事を書いた人

湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

大分県由布市の山あいに佇む湯平温泉は、石畳の坂道とともに千年の時を重ねてきた湯治場です。

宿や共同湯が連なる温泉街には、観光地らしい賑わいよりも、歩調を自然に落としたくなる静けさが漂います。

森に包まれ、石畳を行き交い、源泉かけ流しの湯に身を沈める。

湯平温泉は、華やかさではなく、余白と落ち着きを大切にしたい人にこそふさわしい温泉地です。

湯平温泉の石畳|千年の湯へと導く、静かな坂道


出典:一般社団法人由布市まちづくり観光局

湯平温泉を象徴する風景が、温泉街の中央を貫く長い石畳の坂道です。

およそ300メートルにわたって続く石畳は、雨の多い山あいでも歩きやすいよう、かつての湯治客のために整えられてきたもの。

均一ではない石の並びが、積み重ねられてきた時間をそのまま映し出しています。

昼は山里の光を受け、夜には行灯や宿の灯りに照らされて、しっとりとした表情に変わる石畳。

観光地としての賑わいよりも、歩くほどに心が静まっていく感覚が印象に残ります。

この坂道をゆっくり下ること自体が、湯平温泉の湯へ向かうための“前段”のような時間。

石畳は、湯平温泉が大切にしてきた静けさと余白を足元から伝えてくれる存在です。

由布ゆのひら森林公園|湯の里を見下ろす、深呼吸の森

出典:一般社団法人由布市まちづくり観光局

湯平温泉の高台に広がる由布ゆのひら森林公園は、温泉街の静けさをそのまま包み込むような自然豊かな憩いの場です。

園内には遊歩道や展望スポットが整えられ、木々の間を歩きながら、由布の山あいらしい穏やかな風景に身を委ねることができます。

視界が開けた場所からは、湯平の里や周囲の山並みを一望でき、石畳の温泉街とはまた異なる角度から、この土地の奥行きを感じられるのも魅力。

湯に浸かる前後に立ち寄れば、心と体がゆっくりと整っていく感覚が深まります。

由布ゆのひら森林公園は、湯平温泉の静かな時間を、さらに外へと広げてくれる場所です。

銀の湯|石畳の先に湧く、素朴な共同湯


出典:一般社団法人由布市まちづくり観光局

銀の湯は、湯平温泉の石畳沿いに佇む共同浴場で、湯治場としての面影を色濃く残す一湯です。

観光向けに整えすぎない簡素な造りが、この温泉地らしい落ち着きを感じさせ、地元の人と旅人が自然に交わる場として親しまれてきました。

源泉かけ流しの湯はやや熱めで、体の芯からじんわりと温まる感覚が印象的。

石畳を歩いたあとに暖簾をくぐり、静かに湯と向き合う時間は、湯平温泉の本質そのものといえるでしょう。

銀の湯は、華やかさではなく、日常に寄り添う湯の力を静かに伝えてくれる存在です。

 

ゆけむりの宿 花木綿|やさしい灯りの宿の源泉かけ流し


出典:ゆけむりの宿 花木綿

湯平温泉の石畳沿いに佇む「ゆけむりの宿 花木綿」は、湯の町の静けさと調和するように営まれてきた小さな宿です。

木の温もりを生かした館内は気負いのない落ち着きに満ち、湯治場としての面影を大切にしながら、旅人を静かに迎えてくれます。

湯は源泉かけ流し。やわらかな湯触りが特徴で、歩いてきた疲れをゆっくりとほどいてくれる感覚があります。

石畳の余韻をそのままに、湯けむりに包まれる夜。花木綿は、華やかさよりも「居心地」を重んじる人にこそ似合う、湯平温泉らしい一軒です。

湯平温泉の源泉かけ流し温泉の概要


出典:一般社団法人由布市まちづくり観光局

湯平温泉は、石畳が続く静かな温泉街に源泉かけ流しの湯処が点在し、湯の息遣いが日常のすぐそばにあります。加水や加温に頼らず湯を新鮮に保つ湯使いを掲げる浴場も多く、浴槽の縁からさらさらと溢れる湯が心地よいです。

泉質は単純温泉(弱アルカリ性)を主とする無色透明の湯、地点によりナトリウム−塩化物泉・硫酸塩泉を含む多源泉構成。

効能は神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・疲労回復・打ち身・捻挫・切り傷・やけど・慢性皮膚病・美肌です。

源泉温度はおおむね40〜60℃の中温〜高温帯で、pH値は概ねpH7.8〜9.0の弱アルカリ性。

湧出量は各源泉合計で毎分数百リットル規模。

自噴・動力揚湯の混在の石畳の温泉街に点在する共同浴場と鄙びた湯治情緒、肌当たりのやわらかさと源泉かけ流し主体の湯使いが特徴の温泉です。

旅の余韻


出典:一般社団法人由布市まちづくり観光局

坂道を下るたび、石畳に刻まれた時間の重なりが足元から伝わってきます。

森の気配に包まれ、共同湯に浸かり、宿の灯りに迎えられる。

湯平温泉の旅は、ひとつひとつの動作がゆっくりとした呼吸のようにつながっていきます。

派手な記憶ではなく、後からじんわりと思い出される静けさ。

湯平温泉が残す余韻は、旅が終わったあとも、心の奥でやさしく温まり続けるものなのかもしれません。