【筋湯温泉】源泉かけ流し|湯に打たれ、山に整う 筋湯温泉の湯治時間
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湯あがり ぽか子
温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!
大分県九重町の山あいに湧く筋湯温泉は、古くから湯治場として親しまれてきた温泉地です。
日本一と称される打たせ湯をはじめ、岩の露天風呂や檜の内湯など、源泉かけ流しの湯を体で受け止める体験がそろいます。
近くには九重“夢”大吊橋や龍門の滝といった雄大な自然も広がり、湯と山が静かに呼応する環境。
筋湯温泉は、観光というより“整えるため”に訪れたい、力強くも素朴な湯の里です。
目次
九重“夢”大吊橋|天空を歩く、九重の大パノラマ

出典:フォトAC
筋湯温泉から車でほど近い九重“夢”大吊橋は、標高約777メートルの高さに架かる、日本有数の歩行者専用吊橋です。
長さ約390メートルの橋上からは、鳴子川渓谷や震動の滝、九重連山の稜線まで一望でき、まさに空中散歩のような体験が広がります。
春の新緑、秋の紅葉、冬の澄んだ空気と、四季ごとに異なる景色が足元に広がるのも魅力。
足元から伝わるわずかな揺れが、自然のスケールをより強く意識させてくれます。
山あいに湧く筋湯温泉の静かな湯とは対照的な、開放感あふれる景観。
九重“夢”大吊橋は、九重の大地の広がりを体感するための、印象深い立ち寄りスポットです。
岩ん湯|渓流沿いに湧く、開放感あふれる露天岩風呂

出典:筋湯温泉観光協会
筋湯温泉の名物ともいえる露天岩風呂「岩ん湯」は、自然の岩を生かして造られた共同露天風呂です。
屋根のない開放的な空間に湯船が据えられ、九重の澄んだ空気と山の気配を全身で感じながら湯に浸かることができます。
源泉かけ流しの湯は、筋湯らしいしっかりとした温まりが特徴。
岩に囲まれた素朴な造りが、湯治場としての原風景を今に伝えています。
昼は木漏れ日、夜は星空の下で。岩ん湯は、自然と湯が一体となる、筋湯温泉ならではの体験を味わえる一湯です。
薬師湯|檜の香りに包まれる、静かな内湯

出典:筋湯温泉観光協会
筋湯温泉の共同浴場のひとつ「薬師湯」は、檜造りの内湯が特徴の落ち着いた一湯です。
その名の通り、古くから湯治と結びついてきた“癒やし”の象徴を感じさせる存在で、地元の人々にも親しまれてきました。
浴室に一歩入ると、檜のやわらかな香りが広がり、源泉かけ流しの湯が静かに満ちています。
露天の開放感とは対照的に、内湯ならではの包み込まれるような安心感があり、ゆっくりと湯と向き合う時間が流れます。
薬師湯は、筋湯温泉の素朴な湯治文化を今に伝える、心身を整えるための内なる一湯です。
うたせ大浴場|日本一の打たせ湯で、湯治の原点に触れる

出典:筋湯温泉観光協会
筋湯温泉を象徴する存在が、「日本一の打たせ湯」と称されるうたせ大浴場です。
広い浴室にずらりと並ぶ打たせ湯は圧巻で、その数と規模は全国でも屈指。
勢いよく落ちる湯が肩や背中を打ち、じんわりと血行を促してくれます。
古くから湯治場として栄えてきた筋湯温泉では、この打たせ湯が療養の中心的な役割を担ってきました。
源泉かけ流しの湯を体に受け止める感覚は、単なる入浴を超えた体験。
うたせ大浴場は、筋湯温泉が今も“湯で整える場所”であることを力強く伝える一湯です。
筋湯温泉の源泉かけ流し温泉の概要

出典:筋湯温泉観光協会
筋湯温泉は、山腹から湧く湯が湯船にそのまま注がれる素直な湯使いが持ち味です。湯の鮮度が高く、浴槽によって温度や肌触りが微妙に違うのも面白さです。
九重町の山里に広がる静けさも、湯の印象をやさしく後押しします。思わず深呼吸したくなる、そんな湯あがりです。
泉質は単純温泉を主体に、ナトリウム-塩化物泉・ナトリウム-炭酸水素塩泉の混在。
効能は神経痛・筋肉痛・関節痛・打ち身・冷え性・慢性消化器病・疲労回復の適応です。
源泉温度は45~80℃程度の高温泉で、pH値は中性域(おおむねpH6.5~7.5)。
湧出量は地区全体で豊富な湧出による源泉かけ流し主体。
九重連山の山里に広がる静かな湯治場情緒と名物うたせ湯の力強い打たせ浴が特徴の温泉です。
旅の余韻

出典:筋湯温泉観光協会
九重の大空を歩き、滝の水音に耳を澄ませ、岩風呂や檜の湯に身を沈める。
そして最後に、日本一の打たせ湯で湯の力を全身に受け止める。筋湯温泉の旅は、体を通して自然と向き合う時間の積み重ねです。
華やかな演出はなくとも、湯が落ちる音や山の空気が、静かに感覚を整えてくれる。
帰路につくころには、肩の力が抜け、呼吸が深くなっていることに気づくはずです。
筋湯温泉が残すのは強さではなく、じわりと続く温もり。その余韻がまた訪れたくなる理由になります。



