温泉経営者がおすすめする一度は泊まりたい温泉宿#7 別府温泉-悠彩の宿 望海-


提供:悠彩の宿 望海
更新日:2021年7月19日

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かっきー

江戸の玄関口と言われた宿場町に生まれ育った生粋の江戸っ子。還暦を迎えた今なお、旅とサーフィンをこよなく愛するアクティブシニア。某夕刊紙に勤務していた経歴を持つ。
マイナーな温泉から秘湯まで、気の向くままに温泉へ出かけることが大好きです。温泉の良さはもちろん、分かりやすく温泉や旅館などの良さをお伝えしてまいります。

全国津々浦々の温泉地へ出かけ、温泉や自然、文化に触れてリフレッシュされる方も多いのではないでしょうか。その旅行の要のひとつとなるのが「温泉宿」。日本全国の温泉地には様々な趣向を凝らした宿が立ち並んでいます。本特別企画では、温泉経営者がおすすめする温泉宿を選んでいただき、リレー形式でご紹介していきます。

今回ご紹介するのは、熊本県の「阿蘇内牧温泉 蘇山郷」永田祐介様がおすすめする、大分県の「別府温泉 悠彩の宿 望海」です。温泉経営者が素晴らしいと認めた温泉宿の魅力をお届けします。

第7回目は大分県別府市にある別府温泉の「悠彩の宿 望海」へインタビュー

提供:悠彩の宿 望海

第7回となる今回は、前回インタビューさせていただいた熊本県の阿蘇内牧(あそうちのまき)温泉「蘇山郷(そざんきょう)」の永田さんがおすすめする、別府(べっぷ)温泉「悠彩の宿 望海(ぼうかい)」の経営者へインタビューしました。

悠彩の宿 望海のある別府温泉は、大分県別府市内に広がる別府八湯(別府温泉・浜脇温泉・観海寺温泉・堀田温泉・明礬温泉・鉄輪温泉・柴石温泉・亀川温泉)の中心部にある温泉地。

そんな別府温泉で多くのお客様をおもてなしする悠彩の宿 望海は、昭和23年に開業した別府温泉の中でも歴史あるお宿です。


老舗旅館の改革を推進する別府温泉「悠彩の宿 望海」4代目当主・木村 大成さん

悠彩の宿 望海 4代目当主・木村 大成さん

◇らくらく湯旅編集部(以降 編集部):特別企画の第7回は、別府温泉「悠彩の宿 望海」代表取締役社長である木村大成さんにお話を伺います。

本日はお忙しい中ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

◆木村さん:よろしくお願いいたします。


さっそくお話を伺いました!

悠彩の宿 望海がある別府温泉はどのような温泉地でしょうか。

JR別府駅前広場(別府観光の父・油屋熊八像)

◆木村さん:別府温泉はJR別府駅から徒歩15分、別府湾に面した北浜沿いに位置し、およそ2,000人以上が宿泊できる温泉宿泊施設が軒を連ねています。

宿のスタイルもここ数年で変化して温泉旅館からホテルまで様々なスタイルの宿が集積されています。

駅から北浜までの周辺にはバーやライブハウスなどが立ち並ぶ繁華街、昔ながらの商店、大型ショッピング施設、北浜沿いには自然の景観を活かした遊歩道があるなど、一般的な温泉地のイメージとは趣が異なります。

多様な街並みから、私どもは別府温泉を都市型温泉地と呼んでいます。

提供:悠彩の宿 望海(お宿から眺める別府湾)

◇編集部:都市型温泉地とは言い得て妙ですね。

以前に別府温泉の特集で取材に訪れた際は、特にアクセスの方法が多く便利であった印象が強かったです。

◆木村さん:JRのほか、お車であれば別府ICから15分、飛行機であれば大分空港から高速バスで40分、船でも別府国際観光港から徒歩で20分というアクセスの良さも別府温泉の特長です。

また、別府温泉から車で10分ほど移動すれば湯煙の上がっている鉄輪(かんなわ)温泉、その先に硫黄泉が湧く明礬(みょうばん)温泉と連なり、別府八湯を巡るにも便利な立地となっています。

◇編集部:多彩な泉質の湯巡りを贅沢に楽しめる拠点として、希少なロケーションですね。

次に温泉について教えてください。

◆木村さん:別府温泉のある八湯全体は、湧き出るお湯の量と泉質の豊富さは日本一です。

望海にも自家源泉があり、55.8℃のほど良い温度で豊富な湯が湧出しており、内湯については源泉掛け流しで楽しんでいただけます。

当館に湧く源泉の泉質はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉となっていて、湯浴みをすると「つるっと・ぬるっと」する肌触りが特長です。

保湿効果が高く、湯上がりはお肌がしっとりすべすべして、美人湯とも呼ばれています。湯触りが柔らかく身体を芯から温められる泉質なので、皆さまに喜んでいただいています。

また良質な温泉だけではなく、別府湾の北浜に面したオーションビューという立地を活かして、当館の屋上7階には男女別の屋上露天風呂をご用意しています。

朝と夕暮れの景観を、オーシャンビューならではの壮大さでお楽しみいただけます。

提供:悠彩の宿 望海 (7階屋上露天風呂(男性用)あおくもの湯)

提供:悠彩の宿 望海 (7階屋上露天風呂(女性用)茜の湯)

また、以前に古くなってきた内湯をお客様から「銭湯のようだ」と言われた事をヒントに、内湯は銭湯の様な風情ある内装へ改装しました。

別府観光の父と言われた油屋熊八さん考案の「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」にあやかり、男性浴場にはモザイクタイルで別府湾の向こうに浮かぶ富士山を描いています。こちらもご好評いただいております。

提供:悠彩の宿 望海

◇編集部:温泉付きの客室もあるのですか?

◆木村さん:海に面したお部屋のタイプに合わせて、天然温泉掛け流しの「客室露天風呂」「客室展望風呂」の2タイプをご用意しています。

提供:悠彩の宿 望海 (客室露天風呂)

提供:悠彩の宿 望海 (客室展望風呂)

お宿についてのこだわりや、サービスはありますか?

◆木村さん:当館の名前(悠彩の宿 望海)は「悠々とゆったり、彩あるお食事を楽しむ海を望む宿」が由来となっています。

この名の通り、くつろぎの空間で豊富な地産の食材に恵まれたお食事をご提供しております。

当館は1948年(昭和23年)に創業して今年で74年目を向かえました。

私が四代目当主となったのが17年ほど前になりますが、当時の当館はお宿の作りも古くなっていたことから、おしゃれで美味しい旅館をコンセプトに改装とサービス改善に努めています。

提供:悠彩の宿 望海(匠の設計による和とアジアの雰囲気を醸すロビーの空間)

◇編集部:改装するポイントはどのようなところですか?

◆木村さん:滞在いただくお客様の気持ちになるため、客室でゴロっとしていろいろ思案することもありますが、何といってもお客様のお声を一番大事にしています。

昨年にはバリアフリーのお部屋もご用意することができました。お陰様で、じゃらんnetの九州エリアの100〜51室部門で2年連続(2018年、2019年)第1位の高い評価をいただきました。

提供:悠彩の宿 望海(起きた時に海の見える和洋室)

お食事にもこだわりとサービスをお持ちと伺いました。

◆木村さん:以前の別府温泉は歓楽街という性質が強く、団体でのご利用が主流でした。しかし最近ではご家族やご友人での個人利用に変化してきています。

客層の変化に伴い、お宿のスタイルも団体利用で使用する宴会場を、個人で利用するバイキングスタイルに改装するお宿も増えましたが、当館ではお祝いの席などでもご利用いただけるよう8つある宴会場は残して、ほとんどの客室で部屋食をとっていただけるというスタイルを継承しています。

提供:悠彩の宿 望海

ただし部屋食でも、お客様よりご要望の多いバイキング形式の要素を取り入れるために、選べる会席としてお客様お1人毎にメインのお料理とお鍋を選べるプランをご提供しています。

お一人毎に料理を選べるので、ご家族やご友人同士で異なる料理を頼みバイキングのように楽しんでいただけます。

提供:悠彩の宿 望海

◇編集部:家族や友人とシェアしながらたくさんの料理を味わえるのは素敵ですね。地産の食材も豊富だと伺いました。

◆木村さん:ありがたいことに別府の周辺は、海の幸、山の幸に恵まれていて年間を通じて地産の食材を活かしたお料理をご提供させていただくことができます。

通年ご用意している関アジ、関サバ、フグなどのほか、春から夏にかけては城下カレイのお刺身、冬にはフグ会席をご堪能いただけます。

お刺身が苦手というお客様の声もありましたので、大分和牛のステーキ、すき焼き、とり天という会席プランのご提供もはじめました。

提供:悠彩の宿 望海

◇編集部:ヒラメではなく、カレイをお刺身でいただくのは珍しいですね。

◆木村さん:カレイは大分県特有の食材ですね。大分空港のそばの海沿いに日出城(ひじじょう)というお城があるのですが、お城の下の海の中に真水が湧く場所があって、そこに生息しているので城下カレイと呼びます。臭みがなくお刺身でいただける高級魚です。

◇編集部:その他にも、食材やお料理のこだわりはありますか?

◆木村さん:日本食の文化を継承してお客様にご提供し続けることにもこだわりがあります。近年は日本食の調理人は人材難にありますが、当館では調理人の育成にも注力しています。

当館では既製品を出来るだけ使わず、生け簀や採れたての鮮魚を丸ごと仕入れてお客様にご提供しています。

そのため、調理免許の必要なフグ料理や、鮮魚の仕入れから調理の技術を習得するには格好の場所となります。当館から他のお宿の調理長になったスタッフも少なくありません。

◇編集部:素晴らしい取り組みですね。