温泉経営者がおすすめする一度は泊まりたい温泉宿#16 川原湯温泉-丸木屋-


大自然の景観を眺めて身体の芯からホッコリとする温泉

提供:丸木屋(源泉掛け流しの浴室)

◇編集部:次に温泉について教えてください。

◆樋田さん:当館の源泉は、旧温泉地とお宿のある場所から湧出する2つの源泉をブレンドしたものを、源泉掛け流しで愉しんでいただけます。

泉質は、含硫黄-カルシウム・ナトリウム-塩化物の硫酸塩温泉となります。

温泉は無色透明で硫黄臭がしますが、塩分が含まれていることから身体の芯から温まります。

ご利用されるお客様からは、身体の芯から温まるので、気持ちもホッコリとすると喜んでいただいています。

また、身体の強張りが取れて関節痛に良く効くという方もいらっしゃいます。

お客様の中には、杖をついてお越しになられた方が、温泉で温まってお帰りになる際には、杖をほとんど使わずに帰られた方もいらっしゃいます。

川原湯温泉は、草津温泉の上がり湯として使われてきた温泉地という歴史があり、上がり湯として重宝されてきた通りの優しい湯です。

源泉は70℃以上の高温のため、加水して湯冷しもしていますので、万人の方が1日に何度でも湯浴みを楽しんでいただけます。

浴室は、大きく設えた窓から四季の景観を楽しんで湯浴みいただける、男女別の内湯と個室の貸切風呂をご用意しています。

貸切風呂は、ご家族やご夫婦、ご友人同士で気兼ねなく楽しまれる方のほか、ご入浴に付き添いが必要な方にもご利用いただいています。

提供:丸木屋(窓を大きく設えた浴室)

地産地消の食材を美味しくいただくことに拘ったお食事

◇編集部:次にお料理についてのこだわりなどをお伺いできますでしょうか。

◆樋田さん:群馬県には「地産地消推進店」という制度があるのですが、当館ではこの認定を受けています。

可能な限りこの地の食材を使用して、手作りのお料理をご提供することに拘っています。

メインの食材には、群馬県のブランド肉である「上州牛」や、また地元で採れた麦類を食べて育った「麦豚」を使用しています。

ご存知無い方も多いかもしれませんが、群馬県は全国でも有数の畜産県でもあり、とても美味しいお肉があります。

提供:丸木屋(群馬県のブランド肉_上州牛)

◆樋田さん:お肉のほかにも、「ギンヒカリ」と呼ばれる最高級ニジマスがあります。こちらは3年ほどかけて、身がしっかりと成長して味の乗ったものをお造りとしています。

提供:丸木屋(最高級ニジマスといわれるギンヒカリ)

◆樋田さん:お米や野菜なども、すべて地元農家からの仕入れです。舞茸や今の季節であればウドやタラの芽、夏のナスや秋のかぼちゃなど、四季折々の旬の味覚を味わっていただいています。

提供:丸木屋(地産地消、旬の食材で造ったお食事例)

◆樋田さん:また、当館では、朝食に今では珍しい「曲げわっぱ」に、お赤飯を盛りつけて召し上がっていただいています。

川原湯温泉は元来、草津温泉の上がり湯として湯治でお越しになる方が多くいらっしゃいました。

湯治を終えたことを祝して赤飯を振舞ったことから当館を初め、川原湯の温泉宿では赤飯を朝食にご用意しているお宿が多くあります。

それぞれの赤飯の味比べをしてみるのも旅行の楽しみ方ではないでしょうか。なお、赤飯が苦手な方には白米のご用意もございますので、その際はご遠慮なくお申し付けいただければと思います。

提供:丸木屋(朝食例:曲げわっぱの赤飯)

◆樋田さん:もうひとつ、これは女将のお料理に対するこだわりなのですが、造りたてを美味しく召し上がっていただくために、お食事処をご用意することです。

造りたてで暖かいものや冷やしたお料理が温くならないうちに、すぐにお出しするよう心がけています。

お客様がゆっくりと寛ぐお部屋に、必要以上に立ち入らないという配慮の意味も込めています。

提供:丸木屋(お食事処)

◆樋田さん:お料理のほか、この地にある浅間酒造さんを始め、県内の地酒をご提供しています。

◇編集部:まさしく徹底した地産地消のこだわりですね。

丸木屋 樋田さんがおすすめする温泉宿

◇編集部:「らくらく湯旅」ではリレー形式で温泉宿を紹介していきます。樋田さんがおすすめする一度は泊まりたい温泉宿をご紹介いただけないでしょうか。

◆樋田さん:私が一度は行ってみたい温泉宿は、三重県鳥羽の鳥羽温泉郷にある「季さら 別邸 刻(とき)」です。

◇編集部:そちらのお宿に行ってみたいのは、なぜでしょうか。

◆樋田さん:当館は山に囲まれた自然の中にあるのですが、こちらのお宿は海の自然の中にあるところに惹かれます。

オーシャンビューの景観や、海の幸といったお料理にも、とても興味があります。

また、次世代の経営者として、伝統のおもてなしを受け継ぐとともに、新しいおもてなし精神を取り入れていこうとする点で共感するところが多いこともおすすめする理由の一つです。

<施設情報>
季さら 別邸 刻
・住所:三重県鳥羽市安楽島町1075-7
・電話:0599-21-2900
・アクセス:
<電車>JR鳥羽駅・近鉄鳥羽駅下車から、送迎バスあり
<車>伊勢ICより約20分、湯布院ICより約40分
<フェリー>鳥羽港より、車で約10分