大正時代へタイムスリップ!上質な温泉とおもてなしに癒される「岳温泉 お宿 花かんざし」#25


更新日:2022年8月24日

この記事を書いた人

かっきー

江戸の玄関口と言われた宿場町に生まれ育った生粋の江戸っ子。還暦を迎えた今なお、旅とサーフィンをこよなく愛するアクティブシニア。某夕刊紙に勤務していた経歴を持つ。
マイナーな温泉から秘湯まで、気の向くままに温泉へ出かけることが大好きです。温泉の良さはもちろん、分かりやすく温泉や旅館などの良さをお伝えしてまいります。

本企画は、旅館・おもてなしのことを知り尽くす旅館経営者が「素晴らしい!」と大絶賛するおすすめのお宿をリレー形式でご紹介していきます。今回のお宿は、大正ロマンが薫るノスタルジックな佇まいがどこか懐かしく落ち着いた雰囲気で、薬湯とも言われる効能高い酸性泉を、源泉掛け流しで心ゆくまで堪能できます。日本中から厳選された食材を使用したお料理も注目です。

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第25回は福島県二本松市の岳温泉にある「花かんざし」

提供:お宿 花かんざし

第25回となる今回は、那須温泉「那須別邸 回」の片岡さんがおすすめする、福島県二本松市の岳温泉(だけおんせん)にある「お宿 花かんざし」の経営者にインタビューしました。

花かんざしは、福島県の安達太良山(あただらやま)の東側山麓に広がるあだたら高原に位置します。

日本でも珍しい酸性泉の天然温泉を満喫でき、日本中から厳選した食材で作られる滋味溢れるお料理を堪能できるお宿です。


継承される温泉宿文化を原点に改革を進める「お宿 花かんざし・二瓶明子さん」

7代目女将 二瓶明子さん

◇編集部(以降 編集部):特別企画の第25回は、岳温泉「花かんざし」の7代目女将である、二瓶(にへい)さんにお話を伺います。

◆二瓶さん:よろしくお願いいたします。


開湯1200年の歴史を守り続ける温泉地

提供:お宿 花かんざし(岳温泉の風景)

◇編集部:まず最初に、岳温泉の「花かんざし」は、どのような場所にあるのでしょうか?

◆二瓶さん:岳温泉は、東北の玄関口とも言われる福島県で、地図上では真ん中くらいの位置となる二本松市にある温泉地です。

安達太良山の麓、標高600mの高原地帯にあり、周辺は磐梯朝日国立公園となっているので、草木や花、川や滝など、四季折々に移ろう手付かずの美しい景観の自然に囲まれています。

提供:お宿 花かんざし(錦秋の時期の岳温泉)

◆二瓶さん:温泉街から歩いて10分くらいで、鏡ヶ池公園・緑ヶ池公園や、車で10分程度のあだたら渓谷奥岳自然遊歩道での散策のほか、スキーやゴルフもできる施設などもありアクティビティもあります。

提供:お宿 花かんざし(鏡ヶ池公園へと至る桜坂)

◆二瓶さん:また、車で20分ほどで、桜やつつじ、紅葉、菊人形展などが楽しめる霞ヶ城公園などの史跡巡りを楽しんでいただけます。

提供:お宿 花かんざし(桜の時期の霞ヶ城公園)

◇編集部:国民保養温泉地にも指定されているとのことで、環境の素晴らしさが伺えます。

桜の時期、紅葉、ウィンタースポーツと、季節ごとに見どころも満載で、季節を変えて何度も訪れたくなりますね。

◆二瓶さん:岳温泉の開湯は1200年ほど前と伝わっていますが、以前は源泉の湧く、湯元に温泉地がありました。

しかし、天災や戊辰戦争などで温泉街が何度か消失しており、その度に、地域の方々や利用者の強い要望から温泉地を移転して、再興しながら守り続けて来たそうです。

現在の温泉地は4度目の移転場所となっていて、源泉の湧く湯元から温泉地まで、保湿性の高い赤松などの木をくり抜いた湯樋管を4千本以上繋ぎ合わせて引湯しています。

この引湯を守り続けるため、現在でも湯守り文化が継承され、冬場などはまさに命懸けで一年中ずっと保守を続けているのです。

◇編集部:温泉街が消失する度に復興し、1200年もの間守られてきたとは凄いですね。良質な温泉、そして周辺環境や地元の方々の人柄があるからこそ、みなさんから愛される温泉地なのでしょうね。

玄関をくぐった先には古き日本の風情が。どこにいても心和みゆったりと

提供:お宿 花かんざし

◇編集部:つぎにお宿について、歴史や歩みなどをお伺いします。

◆二瓶さん:当館は約140年前に創業し、私で7代目となります。

元々は簡素な湯治宿であったものを、昭和初期に建て直しています。それを先代女将である母の代くらいから、元は2部屋のところを1部屋にしたりといったリニューアルに取り組んでまいりました。

リニューアル時には、木造家屋のぬくもりを感じるよう、精巧な職人技で作られた細工の入った障子など和の風情を残して、お客様にゆっくりとお寛ぎいただける空間にこだわってまいりました。

提供:お宿 花かんざし

◇編集部:どっしりとした構えの梁や木組など、お写真からもその素晴らしさが伝わってきますね。

お宿にはどのような施設があるのですか?

◆二瓶さん:宿は細長い作りになっていて、お客様をお迎えする玄関を入ったところに、カフェとお土産屋を設け、三和土(たたき:土間のこと)を上がると、中庭に面した帳場と続いています。

提供:お宿 花かんざし(エントランス)

提供:お宿 花かんざし(中庭に面した帳場)

◆二瓶さん:ご滞在中、お寛ぎいただくスペースとして、ご宿泊のお客様専用の「ラウンジ」や「ライブラリー」、湯浴みの後の火照りを麦茶やハーブティーで冷ます「湯上がり処」などもご用意しています。

提供:お宿 花かんざし(ラウンジ)

提供:お宿 花かんざし(ライブラリー)

提供:お宿 花かんざし(湯上がり処)

◆二瓶さん:また、お部屋までは、連子窓(れんじまど:細長い木材を縦、または横に連ねた状態の窓)がならぶ廊下となっています。

冬の時期でも寒くないように畳敷としていますが、それでも寒さを感じないよう足袋などもご用意して、手ぶらでお越しいただけるように配慮しています。

提供:お宿 花かんざし(畳敷の廊下)

温泉成分が濃厚になるミルキーデイを求めてくるお客様も

提供:お宿 花かんざし

◇編集部:次に温泉についてお伺いします。

◆二瓶さん:岳温泉の源泉は、薬湯とも言われるほどの高い効能のある泉質で、安達太良山の八合目となる標高1500mあたりから源泉が湧出しています。

泉質は、殺菌効果の強い酸性泉で、慢性皮膚炎やアトピーなどに効能があり、酸性成分が肌の角質を溶かすことから、美容にも良いとされています。

また、岳温泉の源泉には、温泉の効能をブースター的に高めるとされるメタケイ酸も多く含まれています。

そのため、古くから薬湯として、老若男女に愛されてきました。

提供:お宿 花かんざし

◆二瓶さん:酸性泉は「湯もみ」をしないと刺激が強い湯とされています。

しかし岳温泉の源泉は標高1500mから引湯しており、実際にお客様にご入浴いただく湯は、源泉地から松の木の湯樋管をおよそ8kmも通ってきます。

この湯桶管を通ることで、自然に湯もみされるのです。

そのため、当館でご入浴いただく時には、肌触りのよい、優しい湯を満喫いただけます。

温泉は無色透明ですが、週に1回は湯守りさんが、湯樋管が詰まらないように湯花(ゆばな)落しをするときには、牛乳のような白い色になります。

この日を、「ミルキーデイ」と呼んでいて、温泉成分たっぷりの白濁した温泉を目当てに訪れるお客様もいらっしゃいますね。

提供:お宿 花かんざし

◆二瓶さん:湯花は、そっとしておくと湯船の底に沈澱して、お湯は透明になります。

入浴するときにフワッと白く舞い上がって、とても綺麗ですよ。

提供:お宿 花かんざし(露天風呂)

◇編集部:湯花がたっぷりと含まれたミルキーデイに合わせて伺いたいものですね。

浴室は、どのような種類があるのですか?

◆二瓶さん:露天風呂と大浴場のほか、客室露天風呂を設けたお部屋もご用意しています。

なお、大浴場については、貸し切りでご利用いただけるよう現在準備をしております。

大浴場を貸し切り利用できるようにすることで、客室露天風呂のないお部屋でも、間もなくご家族やご友人などと、気兼ねなくご利用いただけるようになります。

提供:お宿 花かんざし(大浴場)

◆二瓶さん:また、今はコロナウィルス感染症対策のために一時休止していますが、露天風呂では、樽酒のサービスをしていて、湯に浸かりながら地酒を楽しんでいただいています。

提供:お宿 花かんざし(露天風呂の樽酒サービスは現在一時休止中)

◆二瓶さん:現在は、コロナ感染症対策が取れるサービスのご提供方法として、ラウンジに設置したテイスティングマシンで、数種類の地酒をお楽しみいただいています。

◇編集部:大きな湯船に浸って美味いお酒をキュッと呑む、お酒を飲む人なら一度は憧れますが、湯上がりに冷えた地酒の飲み比べというのも、甲乙つけがたいところですね。

提供:お宿 花かんざし(地酒テイスティングサービス)

和の暖かい雰囲気は、大人がくつろげるどこか懐かしく落ち着いた空間

提供:お宿 花かんざし(客室露天風呂の一例)

◇編集部:お部屋には、どのようなタイプがあるのですか?

◆二瓶さん:露天風呂や緑豊かなお庭などが付いた特別客室、寝室付きの和室が1部屋、一般客室が4部屋の全8部屋をご用意しています。

お部屋のタイプごとに2名様から7名様までご利用いただけます。

提供:お宿 花かんざし(客室露天風呂の一例)

◆二瓶さん:それぞれのお部屋は、和の風情を残しながらも、使い勝手の良さを考慮して、畳のお部屋に電動リクライニング付きベッドをご用意するなど、趣向を凝らしています。

提供:お宿 花かんざし(木の温もりを感じる客室の寝室一例)

提供:お宿 花かんざし(和の風情が薫る客室のダイニング一例)

◆二瓶さん:一般客室には、欄間の細かい彫刻や障子の細工など、昔ながらの日本建築の意匠を残し、純和風の懐かしさを感じていただける空間となっています。

提供:お宿 花かんざし

◇編集部:お部屋のどこを見ても、懐かしさを感じ、さらには歴史を感じられるお部屋ですね。その上、使い勝手も工夫されており、心ゆくまで寛げそうです。

至れり尽くせりのスタイルでいただく、お宿 花かんざし流の郷土料理

提供:お宿 花かんざし(お料理の一例)

◇編集部:次に、お料理についてのこだわりなどをお伺いします。

◆二瓶さん:お食事は、地元を中心に日本中から厳選した食材を使用して、丹精込めた手作りの郷土料理を楽しんでいただくことにこだわっています。

お料理に使用するお味噌なども無添加で、私自ら仕込んでいます。

提供:お宿 花かんざし(女将自ら仕込む無添加の手作り味噌)

◆二瓶さん:一口に郷土料理といっても、地元のお客様もご利用いただきますので、生産者から厳選した食材と、プロの料理人が創るお宿 花かんざしならではのアレンジを加えご提供しています。

提供:お宿 花かんざし(お料理の一例)

◆二瓶さん:ちょうど、いまお料理のコンセプトを刷新して、2022年夏から秋には、新たなメニューのお食事をご提供できるように準備を進めているところです。

またお食事は、お部屋食、または客室にダイニングがない客室では個室のお食事処で、上げ膳据え膳という温泉宿文化の原点とも言えるスタイルのおもてなしを大切にしています。

提供:お宿 花かんざし(朝食の一例)

◇編集部:空間で歴史を感じ、お食事が運ばれてくる中でも温泉宿の文化を体験できるのはいいですね。

二本松市には有名な蔵元も多いと聞きますが、お料理とペアリングするお酒などは、どのように選ばれているのでしょうか?

◆二瓶さん:二本松には、酒造りに適した安達太良山の清廉な伏流水が流れることなどから、世界的にも人気のある酒蔵が多くあります。

なかには、ご自身でお米から育てているという酒蔵さんもいらっしゃいます。他にも、福島の珍しい地酒を多く取り揃えています。

提供:お宿 花かんざし

◇らく湯旅:お酒好きの方にとってはすごく魅力的で、目移りしてしまいますね。

「お宿 花かんざし」二瓶さんがおすすめする温泉宿

◇編集部:「らくらく湯旅」ではリレー形式で温泉宿を紹介していきます。

二瓶さんがおすすめする一度は泊まりたい温泉宿をご紹介いただけないでしょうか。

◆二瓶さん:私がおすすめするなら、群馬県渋川市にある伊香保温泉「香雲館(こううんかん)」です。

◇編集部:こちらのお宿をおすすめする理由はどこでしょうか。

◆二瓶さん:こちらのお宿の女将さんは、人を幸せにするということを大切にされています。

お客様をはじめ、地元の方や、スタッフの皆さんとの関係も同様に大切にする理念を持って接し、お客様をおもてなしする素晴らしい温泉宿であることが、おすすめする理由です。

それと、素晴らしい泉質の源泉で、非常に効能が高い温泉というのも、ポイントですね。

<施設情報>
伊香保温泉「香雲館」
・住所:群馬県渋川市伊香保町伊香保175-1
・電話:0279-72-5501
・アクセス:
<車>関越自動車道 渋川伊香保ICより約20分
<電車>JR上越線 渋川駅から路線バスで約20分
<高速バス>伊香保温泉バスターミナルから送迎あり

温泉好き「らくらく湯旅」ユーザーへのコメント

◇編集部:最後に、「らくらく湯旅」ユーザーへ一言おねがいします。

◆二瓶さん:お宿 花かんざしのある岳温泉は、国立公園に広がる高原の温泉地です。アクセスも便利で、豊かな自然に恵まれ、昔ながらの温泉街の風情を気軽に満喫いただけます。

大自然のパワーを感じ、効能の高い温泉に浸って、ゆっくりとお寛ぎいただけるよう、昔ながらの心を込めたおもてなしをさせていただきますので、是非一度お越しくださいませ。

◇編集部:本日はお忙しい中、お時間を頂戴いたしましてありがとうございました。

継承した温泉宿の文化を原点に、居心地の良い日本旅館のあり方を追求するおもてなしの精神はとても素晴らしいものと感じました。

忙しく過ぎていく日常から離れ、自然の山懐に抱かれた温泉宿でノスタルジックなひと時を過ごしに「お宿 花かんざし」を訪れてみてはいかがでしょうか。

<基本情報>
岳温泉「お宿 花かんざし」
・住所:〒964-0074 福島県二本松市岳温泉1-104
・電話:0243-24-2110
・ホームページ:https://hana-kanzashi.com/
・アクセス:
<車>東北自動車道 二本松ICより約15分
<電車>JR東北本線の二本松駅から車で約15分(路線バスもあり)
<飛行機>福島空港から車・タクシーで約60分