温泉で起きる「湯あたり」には要注意!症状や原因を知って適切に対処しよう
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ともきち
温泉が好きで、年に数回は友人や家族と国内旅行を計画し、色々な温泉地へ出かけています。温泉の中でも、濁り湯の露天風呂が特に好みです。旅先では、有名観光地や絶景スポットをひと通りまわり、地元の名物料理やお菓子の食べ歩きも欠かしません。旅好きならではの視点で、温泉地の情報や温泉にまつわる知識など、魅力あふれる記事をお届けします。
温泉に何度も浸かった後、数日後に体のだるさを感じることがあります。寒気や食欲低下、吐き気、めまいなどが起きた時は、病気や体調不良ではなく、湯あたりである可能性があります。温泉の温度は高温の場合もあり、そういったお湯に浸かった場合は特に注意が必要です。また食事のすぐ後に温泉にのんびり浸かりにいく、そんな行動も湯あたりの原因になりますので注意しましょう。
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目次
湯あたりとは
出典:写真AC
湯あたりとは
温泉に浸かった後、2日から3日後、長くて1週間後に起こる不快症状のことです。温泉でのみ起こるものであり、温泉の成分が体に影響を及ぼした結果、気分不快や吐き気などが起こります。
湯あたりは入浴後2〜3日でおきる
湯あたりは温泉成分の効能がもたらすものであり、身体の好転反応(治療の過程で一時的に起こる身体反応のこと)である場合もあります。そのため温泉に浸かってすぐではなく、一定の期間が経過した後に起こります。
のぼせとはどう違う?
「のぼせ」とは、長い時間入浴したり、熱いお湯に浸かったりした際に、入浴中または入浴後すぐに、顔がほてったり、頭がくらくらするなどの症状で気分が悪くなることです。これらの症状は、体が温まり血管が拡張して、血流が増加することで起きます。
湯疲れやめまいとはどう違う?
温泉に浸かると気分は良くなりますが、体力を消耗するものです。
普段、お湯に浸かる習慣があまりない方が長時間入浴をしたり、せっかくの温泉を堪能したいからと何度も入浴したりして疲れてしまうことが「湯疲れ」です。
温泉に浸かった後の湯疲れやめまいは、当日中など早い時期に起こります。
湯あたりが起きる原因
出典:写真AC
温泉の成分が身体に合わない
温泉は温泉法の規定により、25度以上のお湯であることやリチウムイオン等19種類の成分の内1つ以上が一定量以上含まれています。濃度が濃すぎる場合は除外するなどの考慮はされていません。
そのため、温泉成分が体に合わないこともあります。
高温のお湯への繰り返しの入浴
お湯の温度は42度以上であった場合、循環器系の臓器に負担がかかるようになります。適正温度は38度から40度位であり熱い温泉は体への負荷が強いのです。特に熱いお湯に繰り返し浸かると、身体への負荷は蓄積していきます。
食後・運動直後の入浴
食事の後は消化吸収へエネルギーを使っており、血液も胃腸に集まっています。そのため食後に入浴することでエネルギーが集中しにくくなり、消化吸収を妨げてしまいます。
また運動直後も疲労があるため、入浴により身体への負荷をさらに強める結果になりますので、控えた方がいいでしょう。
湯あたりで起きる症状とは?湯あたりしたら入らない方がいいの?
出典:写真AC
湯あたりで起きる主な症状
湯あたりの代表的な症状は身体のだるさ、倦怠感や吐き気、嘔吐、食欲不振などがあります。他にも腹痛や下痢、頭痛、寒気など多様な症状があり2日から1週間程度の間に起こります。あくまで一時的に起こる症状であり、継続しない点が特徴です。
湯あたりの中には「好転反応」もある
漢方では身体が改善に至る前に起こる身体状況の悪化を好転反応と言います。
温泉療法も同様に一時的な症状の悪化は好転反応である場合もありますが、湯あたりは一時的なものであり、症状が数日続く場合は注意が必要です。
湯あたりが起きてしまった場合の対処法と予防策
出典:写真AC
対処法
温泉で療養中不調になり湯あたりになった場合、温泉から出て外温に体を慣らしつつゆっくり体を休めていきます。その後水分を補給し、首筋など太い血管のある場所を冷却していきます。安静を保持し、身体を休ませることが大切です。
◇休息をとる
体調不良になった場合、まずは体を安静にすることが大切です。体を横にし体調が安定するまでしっかり体を休めましょう。無理をすると不調は長引きます。
◇水分補給をする
湯あたりは温泉の効能により、身体に悪影響が出ている状態です。状態を改善するためには体内の循環を良くする必要があり、排泄していくためにも水分はこまめに補給しましょう。
湯あたりが続く場合には医師の診断を
湯あたりは一時的なものであり、本来長く続くものではありません。数日にわたって湯あたりの症状である気分不快や吐気、身体のだるさを感じている場合は病院に行きましょう。
予防策
温泉に長く浸からない、4日に一度は温泉に浸からない日を作るなど体への負担を軽くすることが大切です。また水分補給として入浴後だけでなく、前にもビタミンC入りの飲料を飲むと良い予防になります。
◇ビタミンC入りの飲料を温泉前後に補給する
水分補給の際にコラーゲンの生成に必須栄養素であるビタミンCを補給すると、湯あたりの予防に繋がります。抗酸化作用も高い栄養素でもありますので、積極的に補給しましょう。
◇初日からの長風呂は控える
温泉には体に良い成分が含まれていますが、長風呂をすることで負荷が強くなります。湯治はそもそも2、3週間がいいとされており、まずはゆっくり体を慣らしていきましょう。
◇休息日を設定する
昔から湯治の有効な方法として3日浸かった後は1日休むことが必要と言われています。体を温泉の負担に慣らしていくためにも休息日の設定は必要になります。
お風呂上がりに気持ち悪いのは、湯あたりのせいではない?
お風呂に浸かっているとき、または、お風呂から上がった瞬間に立ちくらみしたり、気持ちが悪くなったりするのは、湯あたりが原因ではありません。
お風呂あがりに気持ち悪くなる原因
先ほど触れたように、入浴中またはお風呂あがりに、顔がほてったり、頭がくらくらする、ボーッとするなどと気分が悪くなる症状は、のぼせと言います。
お風呂に浸かり体が温まると、血管が広がり血圧が下がりやすい状態になります。また、お風呂の中では水圧がかかり血流が良くなるため、脳に血液がたくさん流れていきます。
その状態で急にお風呂からあがると、脳に集まった血液が手足の血管に一気に流れていくため、脳へ行く血流量が下がります。これがのぼせの原因です。
ただ、先ほど触れたように、幾度も入浴することで体力を使い、湯疲れしたことで気持ち悪くなってしまう可能性もあります。
いずれにせよ、運動不足の方や自律神経が乱れている方、貧血になりやすい方は、十分に注意しましょう。
お風呂あがりに気持ち悪くならないための予防策
注意すべきポイントをいくつか具体的にご紹介します。
◇入浴前の水分補給
実は私たちはお風呂でも汗をかいています。のぼせないためには、汗をかく分の水分補給を入浴前にしておくことが大事です。水分といっても、お酒を飲むことは避けましょう。
◇濡れタオルで血流を調整する
体温を上げすぎない、熱を溜めすぎないために、頭に濡れタオルをのせて入浴するのもおすすめです。一気に脳に血が流れるのを抑えることを防いでくれます。
◇湯船に浸かる前に必ずかけ湯をする
入浴前には、必ずかけ湯をしましょう。これも一気に血流が流れるのを防ぐのに大切なことです。
◇分割入浴をする
入浴中に体が温まってきたと感じたら、一度お湯からあがり体を冷まし、少し休憩して体のほてりが取れてきたら、再び入浴するという分割入浴を気掛けましょう。体が温め過ぎないように調節でき、のぼせの症状が抑えられます。
◇高温のお風呂や長時間入浴は避ける
のぼせは、温泉だけでなく、自宅のお風呂でも起きうる症状です。しかし、自宅より温泉の方がのぼせやすいと感じるのは、温泉の方が湯温が高いからです。
実際、お湯の温度をたった1度下げただけでも、のぼせのリスクはかなり減ると言われています。
入浴する湯温は、ぬるめの38度から40度が適温です。もし熱いお湯に浸かる場合は、長時間入浴は避けましょう。
お風呂あがりに気持ち悪くなってしまった場合の対処法
先ほど説明したような点に気をつけて入浴しても、普段と体調が違っていたりして、気分が悪くなってしまうこともあります。
そんな時のための対処法を説明します。
◇横になって休む
気分が悪くなったら、まずは、横になって休むことです。無理に立っていると、立ちくらみして転び、ケガをすることもあります。気分が落ち着くまで横になり安静にしていましょう。
◇首筋や手足を冷やす
のぼせの原因である熱をとるために、体を冷やすことも有効です。
ただし、水風呂に浸かったり、かけ水をして急激に冷やすと逆効果になるので、最初に血管が集まる首筋や手足を冷やして、全身を徐々に冷やすように心がけましょう。
◇万が一意識がなくなった時は、気道の確保が最優先
自分でなくても、誰かが気分が悪くなることも考えられます。万が一、意識がない場合は、気道の確保が最優先です。気動の確保は、喉の部分を真っ直ぐにして行います。嘔吐すると喉を詰らせることがあるので、横向きかうつぶせにして喉に嘔吐物が詰らないようにする方が安全です。
ヒートショックにも気をつけよう
急激に温度が変化することで、血圧が急に上昇したり下降したりして体が不調になることを「ヒートショック」と言います。ヒートショックを起こすと心臓や血管に異常が発生して突然死する場合もあります。
くり返しになりますが、入浴時の急な温度変化は急激な血圧の変化に繋がり、脳や心臓に異常を起こして事故につながる可能性があるので要注意です。
ヒートショックを避けるにはのぼせの予防同様、入浴前のかけ湯をすること、熱いお湯に長時間浸からないこと、湯あがり後に脱衣所などで急に体を冷やさないことを心がけましょう。
湯あたりに注意して温泉ライフを楽しもう
出典:写真AC
温泉には泉質によって違う効能がある泉質別適応症の他に、どの温泉でも期待できる一般適応症があり、どの温泉でも浸かるだけで健康に良い効果を得ることができます。
その一方で、長湯や初日から何度も浸かるなど付き合い方により、湯あたりなど体に不調をきたす場合もあります。
お湯に浸かる前にかけ湯で体を温め、温度変化を少なくする、ゆっくり浸かってゆっくり出る、ぬるめのお湯に浸かるなど体への急激な変化が起きないように行動することが大切です。
正しい温泉との付き合い方はしっかり学び、温泉を満喫しましょう。
よくあるご質問
出典:写真AC
温泉に浸かるときの注意事項やよくある質問をまとめてみました。温泉に行く予定のある方は参考にしてください。
Q1温泉に浸からない方がいいのはどんな時?
次の症状に該当する方は、温泉に浸かると体調が悪化する可能性があるので、入浴は控えた方がよいでしょう。
<発熱を伴う病気>
熱で体力が落ちたときに温泉に浸かると、かえって症状が悪化する恐れがあります。
<結核やがん、重度の貧血で身体が弱っているとき>
結核やがんの治療中、重度の貧血などで身体が弱っているときは、温泉に入浴すると脱水症状や血栓症を引き起こす危険があります。
<心臓や肺、腎臓病などの重い病気>
少し動くだけで息切れするような重い病気にかかっているときも、水圧が身体の負担となるので温泉入浴は厳禁です。
<出血しているとき>
ケガや切り傷による出血、胃や腸など消化器官の病気による吐血、血便などの症状が確認されたときの温泉入浴は、血液を介した感染症の危険があります。
Q2乾燥肌なのですが、避けた方がよい泉質はありますか?
乾燥肌の方や皮膚性乾燥症を患う高齢者の方は、肌への刺激が強い酸性泉や硫黄泉の温泉に浸かるのは避けた方がよいでしょう。
酸性泉と硫黄泉はどちらも殺菌力が高い温泉なので、アトピー性皮膚炎など皮膚病への効用が期待できる療養泉として知られています。しかし、皮膚の弱い方が浸かると、入浴後に皮膚が赤くなったり、かゆみや痛みが出てしまったりするなど湯ただれを起こす可能性があります。
乾燥で肌にカサツキを感じる方や、皮膚乾燥症を患う高齢者の方は、入浴前に温泉施設の公式ホームページや脱衣場の注意事項で泉質を確認しておきましょう。
Q3温泉を利用する際の注意点にはどのようなことがありますか?
<食事の直前直後や飲酒後は控える>
温泉で身体が温まると内蔵の働きが低下し、消化不良を起こしやすくなるので、食前食後すぐの入浴は避けた方がよいでしょう。酔いで足元がふらつきやすい飲酒後の入浴も転倒などによる大けがの原因となるので、おすすめできません。
<高齢者や子どもを1人で入浴させない>
浴室や浴槽は滑りやすいので事故やケガを防ぐためにも、高齢者や子どもを入浴させるときは同伴するようにしてください。
<入浴前後の水分補給>
入浴後の脱水症状を防ぐために、入浴前後にコップ1杯程度の水や麦茶などを飲むようにしましょう。
<かけ湯は手足から>
急激な血圧上昇を避けるためにも、入浴前のかけ湯は、手足からはじめて徐々に全身を洗い流します。
<湯温や入り方>
お湯に身体を慣らすために、3~10分の入浴を1~2回行います。お湯の熱さに身体が慣れてきたら、15~20分の入浴を2~3回繰り返します。高血圧や心臓病など持病のある方の場合、42℃以上の高温浴は身体に負担がかかるため、おすすめできません。
<ふき取り方>
身体についた温泉成分をお湯で洗い流すと効用が薄れてしまうので、入浴後はタオルでふき取るようにしましょう。
Q4温泉には禁忌症がつきものですが、そもそも禁忌症とは?
禁忌症とは温泉入浴や温泉水の飲用によって、体調に悪影響を及ぼす症状や病気のことです。温泉の禁忌症は、大きく3種類あります。
<温泉の一般的な禁忌症>
以下の症状を持つ方は、温泉に浸かるのは控えた方がよいでしょう。
・発熱を伴う病気
・結核やガン、重度の貧血で身体が弱っているとき
・心臓や肺、腎臓病などの重い病気
・出血しているとき
<泉質別禁忌症>
乾燥肌の方や皮膚乾燥症の高齢者の方が、酸性泉や硫黄泉に入浴すると、湯ただれが起きたり、症状が悪化したりする恐れがあります。
<含有成分別禁忌症>
腎不全、心不全、肝硬変、高血圧など塩分やカリウムの摂取制限が必要な持病を持つ方は注意しましょう。許容量以上の温泉水を飲用すると、病状に悪影響を及ぼします。
Q5温泉情報を見ている際に、よく「好転反応」という言葉を見かけます。どのようなものですか?
<好転反応とは>
好転反応とは、温泉療養など自然療法を受けた後、快方に向かう過程で一時的な体調不良に陥ることをいいます。
漢方の世界では、好転反応と似た症状を「瞑弦(めいげん)」と呼びます。瞑弦とは、漢方薬を飲み始めてから一時的に体調が悪化するものの、結果として病気が改善することです。
好転反応や瞑弦は、病気と似た症状が現れます。温泉に入浴し、数日から1週間後に体調が悪くなったときは、1日温泉に浸かるのを休んでみてください。
症状が改善すれば、好転反応と考えてよいでしょう。数日たっても身体の不調が続くときは、医師に相談してみてください。
<主な症状>
好転反応の症状は人それぞれなので、一概にどれと明言できるものではありません。
倦怠感やだるさ、強烈な眠気、発熱など全体的な不調を感じる方もいれば、便秘や下痢、吐き気など消化器系器官の調子が悪くなる方もいます。
腰痛やリウマチ、ヘルニアなど慢性的な疾患は入浴後、患部に痛みを感じたり、熱を持ったりするケースも珍しくありません。吹き出物やかゆみなど皮膚に症状が現れる場合もあります。
<どうして起こる?好転反応のしくみ>
好転反応は、症状が表れてから4つのステップを経て、体調が回復していきます。体内に起こる変化や、確認できる症状は以下のとおりです。
・第一段階:弛緩反応
不調であった部位や臓器が、本来の機能を取り戻す際に表れる症状です。機能修復のため自律神経などが乱れ、だるさや眠気、倦怠感などに襲われます。
・第二段階:過敏反応
慢性的に不調だった部位や臓器が回復する過程で、身体が一時的に急性期へと変化します。急性期とは、病気のかかり始めに痛みや身体の不調を感じる時期のことです。
人により複数の部位や臓器が不調となるケースも珍しくありません。そのような場合、最も調子の悪い部位や臓器が過敏に反応して、下痢や便秘、痛み、腫れ、発汗などの症状が表れます。
・第三段階:排泄反応
細胞の活性化による解毒作用で、身体にたまっていた老廃物や毒素などが排出されます。吹き出物や発疹、目やに、尿の色の変化など、目に見える症状が現れたら排泄反応と考えてよいでしょう。
・第四段階:回復反応
血行が良くなったことによる浄化作用です。新陳代謝が上がり、不調であった部位や臓器が正常な状態へと戻ります。発熱や吐き気、腹痛、倦怠感などが表れますが、徐々に体調は回復していきます。
参考:日本薬学会 | 薬学用語解説
製鉄記念八幡病院|「急性期」ってどういう意味ですか?
霧島温泉郷「霧島国際ホテル」| 温泉入浴なるほど話 湯あたり①
あねがわ温泉|陶板浴|好転反応の種類と段階