金鱗湖の朝霧と【由布院温泉(湯布院温泉)】の源泉かけ流し
この記事を書いた人
湯あがり ぽか子
温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!
金鱗湖が白い息を吐くように朝霧をまとい、湖畔の木道はしっとりと冷えています。
ここは大分県由布市、由布岳の麓に広がる 由布院温泉 の中心にある 金鱗湖。盆地特有の冷えた空気と湧水が重なり、朝ごとに異なる表情を見せます。
頬を撫でる空気はどこか甘く、耳を澄ませば水鳥の羽音が近く遠くに響く。
そのまま湯けむりへ歩を進めると、由布院温泉のやわらかな源泉かけ流しが肌の上でほどけ、体温と景色の輪郭がゆるやかに整っていくのを感じました。
山と水に抱かれた温泉地で迎える朝の湯は、旅のはじまりにこそよく似合います。
目次
金鱗湖・由布岳・狭霧台 それぞれの表情を楽しむ

出典:ツーリズムおおいた
朝の金鱗湖は湯布院の一日を静かにほどく場所です。
水面に立ちのぼる霧が光を受けて揺れ、歩く音さえ遠慮がちになる。
湖畔を一周するあいだ、空の色と水の温度が少しずつ混ざり合い、心拍が落ち着いていくのを感じます。
由布岳は町のどこにいても視界の端に現れ、湯布院の時間軸を支える存在です。
朝は輪郭がくっきりと、昼は雲をまとい、夕刻には影を深める。
登らずとも、仰ぐだけでその日の空気が伝わってきます。視線を上げるたび、旅の重心が自然と外へ開いていきます。
狭霧台では盆地にたまる霧が流れ、景色が刻々と組み替わります。
晴れ間が差すと一気に視界が開け、先ほどまでの白が嘘のように遠景が現れる。
その変化を待つ時間も含めて、ここは湯布院の余白。三つの場所を巡ることで、同じ土地が異なる表情を持つことを歩幅のまま確かめられます。
金鱗湖の朝霧からはじまる、由布院温泉(湯布院温泉) 源泉かけ流しの朝

出典:ツーリズムおおいた
夜明け前の金鱗湖に立つと水面からゆっくりと朝霧が立ちのぼり、由布院の一日が静かにほどけていきます。
湯を含んだ湖水と外気の温度差が生む白い霧は、音を吸い込み、歩く足音さえ柔らかく包み込みます。
背後には由布岳の輪郭が浮かび、時間の流れが少しだけ遅くなったように感じられます。
その余韻を連れて宿へ戻り、源泉かけ流しの湯に身を沈める朝。
由布院温泉の湯は、肌あたりがやさしく、目覚めたばかりの体に無理なくなじみます。
湯口から注がれる湯の音、湯気越しに差し込む淡い光。夜とは異なる静けさの中で浸かることで、呼吸が自然と深くなっていきます。
金鱗湖の朝霧と由布院温泉の源泉かけ流し。その順番が、由布院らしい朝の完成形です。
観光に出る前のひととき、湯と景色に身を委ねることでこの土地の時間にゆっくりと足並みをそろえることができます。
「由布院 玉の湯」の静けさと庭の余白、湯の時間を深くする

出典:由布院 玉の湯
由布院の中心にありながら、玉の湯は一歩足を踏み入れた瞬間に外の賑わいを遠ざけてくれます。
広い敷地に配された客室棟と庭園が、視線と音をやわらかく受け止め、館内を歩くほどに気持ちが内側へ向かっていきます。
平屋を中心とした建物配置や庭を介した動線が滞在全体にゆったりとした間を生み出しています。
湯処では由布院温泉の源泉かけ流しを落ち着いた空間で味わえます。
湯は肌あたりがやさしく、外気と混ざり合うことで温度の輪郭がほどけ、長く浸かっても重たさが残りにくいのが印象的です。
大浴場や露天では庭の緑や光の移ろいがそのまま湯の背景となり、時間帯によって同じ湯でも受け取る感覚が変わっていきます。
客室から湯へ、湯から庭へと続く距離感も玉の湯らしさのひとつです。
湯上がりにそのまま庭を眺め、呼吸を整える時間が自然に組み込まれている。
施設の整いすぎない余白が、湯の余韻を途切れさせません。
由布院 玉の湯は設備の充実を前に出すのではなく、静けさと空間の使い方で湯の時間を深めてくれる宿です。
由布院温泉 山のホテル 夢想園で味わう、由布岳と湯がひらく時間

由布岳の裾野に広がる高台に建つ夢想園は湯布院の町を見下ろすような開放感が印象的な宿です。
敷地内には男女別の大露天風呂をはじめ、複数の湯処が点在し、源泉かけ流しの湯を場所ごとに異なる表情で楽しめます。
とくに露天では、視界を遮るもののない空と山の稜線が湯面に映り、時間帯によって光と影の移ろいが静かに重なります。
館内から湯へ向かう動線もゆったりとしており、歩くほどに気持ちがほどけていく。夢想園の湯時間は由布院の自然と正面から向き合い、深く呼吸するための余白に満ちています。
由布院温泉(湯布院温泉)の源泉かけ流し温泉の概要
由布院温泉は大分県由布市、由布岳の麓に広がる盆地の温泉地で、全国有数の湧出量を誇ります。
町の各所に源泉が点在し、豊富な湯量に支えられて源泉かけ流しを採用する宿が多いのが特徴です。
泉質は主に単純温泉で無色透明、刺激が少なく、肌あたりはやわらか。
外気や自然と混ざり合うことで、時間帯や季節ごとに湯の表情が変わります。
効能としては、疲労回復、神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性、慢性消化器病などが挙げられ、体を芯から温めながら、心身の緊張をゆるやかにほどいてくれます。
刺激が穏やかなため長湯しやすく、湯上がり後も温もりがやさしく続くのが由布院温泉らしさです。
景色とともに湧いたままの湯を受け止める。その静かな贅沢が、由布院の源泉かけ流しを特別なものにしています。
旅の余韻
由布院で重ねた湯と景色の記憶は強い印象としてではなく、静かな感覚として体に残ります。
由布岳を仰ぎ、朝霧に包まれ、源泉かけ流しの湯に身を沈めた時間。その一つひとつが、呼吸の深さや歩く速度を整えてくれました。
帰り道、視界から山は遠ざかっても湯の温もりと空の広がりはふとした瞬間に立ち上がる。
由布院の旅は、終わったあとも日常の中でそっと効いてくる、そんな余韻を残してくれます。





