目の温泉【貝掛温泉】 源泉かけ流しで心身を整える静かな湯治旅


出典:貝掛温泉
2026年03月06日更新

この記事を書いた人

湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

新潟県湯沢町・奥湯沢の山あいにひっそりと佇む貝掛温泉。

鎌倉時代から“目の温泉”として伝わる名湯は、無色透明のやわらかな源泉かけ流し。

湯に身を沈めると、静寂に包まれた空気とともに、ゆっくりと呼吸が整っていきます。

華やかさよりも、湯と向き合う時間を大切にしたい。そんな旅にふさわしい一軒です。

苗場ドラゴンドラ 紅葉の見どころと空の色

出典:公益社団法人 新潟県観光協会

苗場ドラゴンドラが動き出すと、谷を渡る風とともに車窓が一気に開けます。尾根が幾重にも重なる紅葉のグラデーションは、空の青を引き立ててくれます。

山肌をなぞるように進む区間では、渓流のきらめきや霧が晴れる瞬間に出会えることもあります。

朝の冷たい空気の時間帯は視界が澄み、写真の色もくっきりするので狙い目です。

揺れが少ないタイミングで窓に顔を寄せると、山影と湖面が重なるような景色に息をのみます。降り場周辺の散策路は足元に気をつけつつ、無理のない範囲で歩きたいですね。

紅葉の色づき具合は標高で少しずつ違い、谷の奥ほど深みが増します。当日の天候と相談しながら、無理のない時間帯を選びましょう。

かぐらスキー場と湯沢高原ロープウェイ

出典:公益社団法人 新潟県観光協会

雪の季節が近づくと、かぐらスキー場の広いゲレンデを目当てに訪れる人が増えてきます。

湯沢高原ロープウェイは山頂の冷たい風と見晴らしが気持ちよく、晴れた日ほど遠くの山並みがくっきりします。
身体を動かしたら、締めくくりは貝掛温泉の源泉かけ流しに戻ると緩急の流れが整います。

足元は歩きやすい靴、上着は脱ぎ着しやすいものを意識すると、行程全体が軽くなります。ロープウェイ乗り場や駐車場の混雑時間帯はずらすと、待ち時間のストレスが少なく感じられます。

動のレジャーと静の湯を交互に挟むと、旅の体感温度が心地よく波打ちます。予定に余白をつくることも、山里の旅では大切ですね。

雪の便りが早い年は、防寒の準備だけは余裕をもって。季節の狭間ならではの澄んだ景色が待っています。

ドライブの拠点に「道の駅みつまた」でひと休み

出典:公益社団法人 新潟県観光協会

三俣方面へ向かう途中、道の駅みつまたでひと息つくと運転の緊張がすっと抜けます。

山の湧き水のような空気を吸い込んで、次の目的地へ向かう前に体をほぐします。

旅のヒントになる掲示や案内が目に入り、小さな寄り道のアイデアが生まれます。

冷えた身体には温かい飲み物がよく染みて、これから向かう貝掛温泉の湯を思い浮かべてしまいます。

深呼吸をひとつして、また山道へ戻りましょう。

目の温泉とも言われる「奥湯沢 貝掛温泉」 源泉に身をゆだねる静養の宿

出典:貝掛温泉

新潟県南魚沼郡湯沢町、三国街道沿いの奥湯沢に佇む貝掛温泉は、古くから“目の温泉”として知られる一軒宿。
鎌倉時代の開湯と伝わり、眼病に悩む湯治客が各地から訪れてきました。

泉質はナトリウム・カルシウム―塩化物泉。無色透明でやわらかな湯は、源泉かけ流し。
とくに名物の「目の湯」は、湯をすくって目を洗う“洗眼”の風習が今も伝わります。
刺激が少なく、じんわりと温まる浴感で、長湯にも向く穏やかな泉質です。

館内は木の温もりを感じる落ち着いた造り。
大きな露天風呂では、四季折々の山景色を眺めながら静かな時間を過ごせます。

食事は地元食材を中心にした滋味深い和会席。派手さよりも、身体を整えることに重きを置いた滞在が叶います。

喧騒から離れ、目と心を休める旅へ。貝掛温泉は、静けさのなかで湯と向き合うための場所です。

貝掛温泉の源泉かけ流し温泉の概要

出典:貝掛温泉

山あいに静かに佇む貝掛温泉は、湯船に新鮮な湯が絶え間なく注がれる源泉かけ流しが魅力です。湯の温もりはやわらかく、肩まで浸かると呼吸が深くなるのを感じます。

湯面から立つ微かな硫黄の香りに、山里の景色が一段と近くなります。静けさの中に湯のゆらぎだけが響き、時間がほどけていく感覚がします。

泉質は含硫黄−ナトリウム−塩化物・硫酸塩泉(低張性中性低温泉)。

効能は眼病・眼精疲労の改善、切り傷・やけどの治癒促進、慢性皮膚病・湿疹の緩和、神経痛・関節痛の軽減、冷え性の改善、疲労回復です。

源泉温度は35℃前後の低温泉で、pH値は中性域の湯(約7前後)。湧出量は非公表。

源泉かけ流しのぬる湯、長湯向きのやわらかな浴感、目の湯として知られる希少な硫黄含有泉、雪国の渓谷に佇む一軒宿の秘湯情緒が特徴の温泉です。

旅の余韻

出典:公益社団法人 新潟県観光協会

紅葉の空を渡る時間と、貝掛温泉 源泉かけ流しのぬる湯が一日の呼吸を整えてくれました。山の色も風の匂いも、湯あがりの肌にそっと残ります。

行程は無理をせず、運行や道路の情報をその都度確かめるだけで旅はぐっと近づきます。道の駅みつまたでの小休止や、ロープウェイの眺望も心の余白をつくってくれます。

帰り道、体の奥にやわらかな温もりが灯っているのに気づくはずです。次は雪の頃に、同じ道をたどってみたくなるかもしれません。

季節ごとに表情を変える山里で、自分のペースで温泉旅を重ねていきたいですね。そんなふうに感じた人が、また秋の風に会えますように。