北海道唯一の国民保健温泉地【芦別温泉】源泉かけ流し|「星の降る里」に湧く化粧の湯と富良


出典:一般社団法人芦別観光協会
2026年05月20日更新

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湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

北海道で唯一、環境省から「国民保健温泉地」に認定された温泉地があります。

北海道芦別市、道立富良野自然公園に隣接する油谷地区。

旧炭鉱の廃校舎の体育館の下から自然湧出していた源泉が、昭和47年(1972年)に温泉施設として開かれてから今日の芦別温泉の歴史が始まりました。

「化粧の湯」とも呼ばれる硫黄を含む2種類の冷鉱泉は、毎分600リットルという豊富な自噴量を誇り、なめらかな肌触りと高い保湿性で湯上がりの化粧ノリが良くなると女性に評判です。

市の90%が森林に覆われ、環境省から「星空の街」に認定されるほど澄んだ夜空。

露天風呂から満天の星を眺めながら美肌の湯に浸かる体験が、「星の降る里」芦別のなにより贅沢な過ごし方です。

「星の降る里」芦別へ 炭鉱の歴史と星空の街

出典:一般社団法人芦別観光協会

芦別温泉は、北海道芦別市の市街地から車で約15分、国道452号沿いの山あいに位置しています。

道央自動車道・滝川ICから国道38号経由で約40〜50分、JR根室本線・芦別駅からバスで約18分(本数少)またはタクシーで約10分でアクセスできます。

芦別市はかつて三井芦別炭鉱をはじめとする石炭産業で栄えた街です。

炭鉱閉山後の再生のシンボルとして整備されたのが芦別温泉で、旧油谷炭鉱の廃校舎体育館の床下から自然湧出していた源泉が発見され、廃校舎を改築した施設として昭和47年に開業しました。

炭鉱時代の鉄橋「旧三井芦別鉄道炭山川橋梁」などの産業遺産が今も残り、街の歴史の厚みを感じさせます。

市域の約90%が森林に覆われ、光害がほとんどないこの街は環境省の「星空の街」に認定されており、夜空を埋め尽くす無数の星が「星の降る里」の名にふさわしい絶景を見せてくれます。


カナディアンワールド・空知大滝・富良野 芦別周辺の旅

出典:カナディアンワールド

芦別温泉を拠点にすると、道央の個性的な観光スポットへのアクセスが便利です。

芦別市内の「カナディアンワールド」は、カナダ・プリンスエドワード島を舞台にした小説『赤毛のアン』の世界を再現したテーマパーク跡地で、緑の丘陵に建つ赤屋根の建物と広大な自然が入園者を迎えます。

また「空知大滝」は「空知」という地名の由来となったとも言われる滝で、豪快な水量と周囲の原生林が見事な景観を作り出しています。

さらに車で約30〜40分の富良野エリアでは、ラベンダー畑(7月が最盛期)や北海道らしい丘陵の景色が広がり、芦別温泉を起点とした富良野・芦別の旅は北海道の大自然を存分に楽しむコースとして人気です。


ガタタン・サクランボ・スイカ 芦別ならではの食

出典:一般社団法人芦別観光協会

芦別を訪れたら欠かせないのが郷土料理「ガタタン」です。

ガタタン(含多湯)は、春雨・豆腐・野菜・肉などをたっぷり入れた片栗粉でとろみをつけたスープ料理で、炭鉱労働者の体を温めた滋養食として芦別に根付きました。

今も市内の飲食店で提供され、B級グルメとして全国に知られています。また芦別市は北海道有数のサクランボ・スイカの産地でもあり、夏期には道内でも珍しい本格的な果物狩りが楽しめます。

スターライトホテルの食事バイキングでは、ガタタンをはじめ芦別産の食材を使った料理が並び、北海道らしい豊かな食を体験できます。


「化粧の湯」と呼ばれる理由 硫黄の美肌冷鉱泉・源泉体験

出典:星遊館

芦別温泉が「化粧の湯」と呼ばれる理由は、その独特の泉質にあります。

源泉は2種類。ひとつは「含硫黄-ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩冷鉱泉(硫化水素型)」で無色透明・硫化水素臭あり、もうひとつは「含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉」で淡黄色澄明・微弱塩味・硫化水素臭ありの2つです。

どちらも源泉温度10〜15℃という冷鉱泉で、加温して浴槽に提供されます。毎分600リットルという豊富な自噴量が2か所の源泉から湧き出しており、北海道らしい非火山型の温泉として希少な存在です。

硫黄成分が肌の古い角質を溶かして落とし、炭酸水素塩が皮膚をなめらかに整え、メタケイ酸(天然の保湿成分)が水分を皮膚に閉じ込めて保湿する。

この3つの美肌効果が重なることで「湯上がりに化粧ノリが格段に良くなる」という「化粧の湯」の評判が生まれました。

美肌効果・皮膚病への効能の高さと豊富な湧出量・良好な自然環境が評価され、昭和61年(1986年)に北海道で唯一の「国民保健温泉地」として環境省(当時・環境庁)が認定しています。

飲泉も可能で、便秘改善などの胃腸への効能も期待されています。


芦別温泉の源泉かけ流し概要

出典:星遊館

泉質: ①含硫黄-ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩冷鉱泉(硫化水素型)②含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉(2種類)

源泉温度: 10〜15℃(冷鉱泉・加温して提供)

湧出量: 毎分約600リットル・自然湧出

湯色: 無色透明(①)・淡黄色澄明(②)・硫化水素臭あり

効能: アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・慢性湿疹・神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・糖尿病・婦人病・美肌・飲泉(便秘改善)

旅の余韻

出典:一般社団法人芦別観光協会

廃校舎の床下から湧き出していた湯が、半世紀を経て北海道唯一の国民保健温泉地になった。

炭鉱の街が温泉の街へと生まれ変わった歴史の重みが、露天風呂の湯けむりとともに漂っています。

硫黄のほのかな香りがする化粧の湯に体を沈めながら、頭上には満天の星が広がります。富良野のラベンダーを眺め、ガタタンで体を温め、サクランボをほおばった後に「星の降る里」の湯に浸かる。

北海道の大自然と食と温泉が三位一体になった旅は、芦別でしか体験できません。