日本最深クラスのカルデラ湖を望む【支笏湖温泉】源泉かけ流し|美容液のようなとろり美肌湯と氷濤まつり・カヌーの旅
北海道千歳市、支笏洞爺国立公園内の支笏湖東岸に広がる「支笏湖温泉」は、恵庭岳・風不死岳・樽前山という3つの火山に囲まれた手付かずの原生林の中に旅館・ホテル5軒が静かに並ぶ温泉地です。
泉質はナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉。
化粧水のようにとろりとした肌触りで「美容液の湯」とも呼ばれる美肌の湯は飲泉も可能で、湖畔の絶景と大人の静けさが道央随一のリゾート温泉地として旅人を集め続けています。
新千歳空港から車で約60分・札幌から約1時間という道央の交通の要衝に位置しながら、喧騒とは無縁の森と湖の世界が広がる。
支笏湖温泉の真骨頂はその落差にあります。
目次
支笏湖のほとりへ カルデラ湖と原生林が育む温泉地の歴史

支笏湖温泉(しこつこおんせん)は、北海道千歳市支笏湖温泉の支笏湖東岸に位置しています。
新千歳空港から道道16号・国道453号を経由して車で約60分、JR千歳駅または新千歳空港から北海道中央バス「支笏湖線」で約50〜55分というアクセスです。
札幌市内からは国道453号を経由して車で約1時間10分。道央の主要都市から気軽に日帰りできる距離にありながら、圧倒的な自然環境が都会とは別世界の時間を届けてくれます。
支笏湖は周囲約42キロ・最大深度約363メートル・平均水深約265メートルという日本で2番目の深度を誇るカルデラ湖で、透明度の高さでも国内屈指の評価を受けています。
周囲を標高1,000メートル超の火山——恵庭岳(1,320メートル)・風不死岳(1,102メートル)・樽前山(1,041メートル)に囲まれたこのカルデラ湖は、火山活動によって地中深くが温められ、それが温泉として湧出する地質的な背景を持っています。
温泉地内の電気は王子製紙千歳発電所から供給されており、北海道では珍しい60Hz電源地帯であるという特殊な事情も、この地の独自性を物語っています。
氷濤まつり・カヌー・樽前山登山 四季折々の支笏湖体験

支笏湖温泉の魅力は温泉だけにとどまりません。四季それぞれに訪れる理由が生まれる場所です。
冬(1〜2月)の最大の見どころが「千歳・支笏湖氷濤まつり」です。
支笏湖の湖水をスプリンクラーで骨組みに吹きかけて作られた大小30基以上の氷の造形が幻想的な世界を演出し、太陽の光を受けた氷は支笏湖のコバルトブルーと同じ色に輝きます。
夜のカラフルなライトアップと花火が合わさった光景は北海道を代表する冬のイベントとして全国に知られています。
夏(6〜9月)は支笏湖でのカヌー体験が旅のハイライトです。
透明度の高い湖面をゆっくりと漕ぎながら恵庭岳・風不死岳の雄大な山並みを眺める体験は、温泉とセットで支笏湖旅行の定番スタイルとして定着しています。
また「樽前山」(1,041メートル)は活火山として特異な山容を持つ登山の名所で、溶岩ドームが広がる山頂付近から支笏湖・太平洋を一望できます。
秋(9〜10月)はエゾマツ・トドマツ・カエデが彩る紅葉が湖畔を染め上げるシーズンで、湖面に映る紅葉の景色が特別な美しさを見せます。
千歳サーモン・支笏湖の恵み 道央の食と宿の食卓

出典:一般社団法人千歳観光連盟
支笏湖温泉の宿では道央の豊かな食材が食卓を彩ります。
千歳市を流れる千歳川は道内屈指のサーモン遡上の川として知られており、秋には大量のサーモンが遡上する光景が見られます。
「千歳サーモン」は肉厚で脂の乗りが良いと評判のブランド鮭で、宿の夕食には刺身・ちゃんちゃん焼き・石狩鍋など多彩な料理で楽しめます。
また支笏湖周辺の山では春の山菜・秋のキノコが豊富に採れ、季節ごとに変わる山の幸が宿の食卓の主役を交代します。
「しこつ湖 鶴雅リゾートスパ 水の謌」などの高級宿では北海道食材を活かした創作会席が、「休暇村支笏湖」では地元産の食材を使ったリーズナブルなバイキングが楽しめます。
とろり美容液の湯 源泉かけ流し体験

出典:丸駒温泉旅館
支笏湖温泉の泉質はナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉(源泉温度33.2℃・冷鉱泉のため加温して提供)。
炭酸水素塩が肌の古い角質をやわらかく落とし、塩化物が保温効果を高め、天然の保湿成分・メタケイ酸が肌の水分を守る。
この3つの成分の相乗効果が「美容液のようにとろりとした」と表現される独特の肌触りを生み出しています。
湯上がりに化粧水を使わなくても肌がしっとりと保湿されると評判の「美人の湯」で、女性からの支持が特に高い温泉地です。
飲泉も可能で、慢性消化器病・糖尿病・痛風・肝臓病への効能があるとされています。
2013年(平成26年)には湯量の低下を受けて新泉源(第2号源泉)が開湯し、以来豊富な湯量を安定供給しています。
「休暇村支笏湖」は日帰り入浴も受け付けており、湖畔の散策やカヌー体験との組み合わせが楽しめます。
丸駒温泉と支笏湖温泉の2エリアをめぐる

出典:丸駒温泉旅館
支笏湖の温泉地は東岸の「支笏湖温泉」エリアだけではありません。
湖の北西岸・恵庭岳の麓に建つ「丸駒温泉旅館」は、大正4年(1915年)創業の一軒宿で「日本秘湯を守る会」会員宿です。
最大の特徴は支笏湖の水位と連動して浴槽の水位が変わる「天然露天風呂」。
湖岸の岩盤から自噴する源泉が支笏湖に直接つながる天然の露天風呂を満たします。
かつては船でしかたどり着けない秘境だったこの宿は、今も電気・水道という公共インフラが引かれていない自然と一体化した環境が旅人を魅了します。
泉質はカルシウム・ナトリウム塩化物泉(源泉温度44.3℃)で全浴槽源泉かけ流しを実践しています。
支笏湖温泉の源泉かけ流し概要

出典:丸駒温泉旅館
泉質(支笏湖温泉): ナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉
源泉温度: 33.2℃(低温のため加温して提供)・2013年第2号源泉開湯
湯色: 無色透明・とろりとした美容液のような肌触り
源泉かけ流し: 各施設で実施
飲泉: 可能(慢性消化器病・糖尿病・痛風・肝臓病)
泉質(丸駒温泉): カルシウム・ナトリウム塩化物泉(源泉温度44.3℃・全浴槽源泉かけ流し)
効能: 神経痛・筋肉痛・関節痛・慢性消化器病・痔疾・冷え性・慢性皮膚病・切り傷・火傷
旅の余韻

出典:丸駒温泉旅館
氷濤まつりの青白い氷が夜空に浮かぶ頃、宿に戻って美容液のようなとろりとした湯に体を沈めます。
炭酸水素塩が肌の表面を整えていく感触と、窓の外に見える支笏湖の漆黒の水面。
363メートルの深さがそこにあることを思うと、自分がいかに小さな存在かを温泉が静かに教えてくれます。
カルデラの火山が地中深くで温め、原生林を通り抜けてきた湯が、今夜も支笏湖畔に注がれています。
札幌から1時間のこの場所に、北海道の原点ともいえる大自然がそのまま残っている。
支笏湖温泉は、道央の旅の最後にも、最初にも、ふさわしい温泉地です。



