道東最古の温泉【摩周温泉】源泉かけ流し|摩周湖と屈斜路湖・釧路川カヌーの旅


出典:一般社団法人 摩周湖観光協会
2026年07月05日更新

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湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

摩周温泉は明治18年(1885年)に最初の旅館が開業した、道東地域最古の温泉地です。

かつては「弟子屈温泉」「鐺別温泉」と呼ばれた2つの温泉が、摩周湖への観光拠点として機能するため1990年代に「摩周温泉」の名に統一されました。

泉質はナトリウム塩化物泉(弱塩泉)を主体とする単純温泉で、源泉温度26〜96℃という幅の広い源泉が宿ごとに引かれ、無色透明でやわらかな湯が肌にやさしく体を整えます。

歓楽街も大型リゾートホテルもない、素朴な中小の宿が釧路川沿いに点在する温泉地の佇まいが、道東の旅の「ちょうどいい拠点」として旅人に長く愛されています。

道東最古の温泉地へ 弟子屈という地と摩周温泉の140年

出典:一般社団法人 摩周湖観光協会

摩周温泉は、北海道川上郡弟子屈町の市街地——釧路川と鐺別川の合流点付近に位置しています。

釧路空港から車で約90分、女満別空港から車で約75分、JR釧網本線・摩周駅から徒歩約10〜15分というアクセスです。

摩周駅を起点に摩周湖・屈斜路湖・阿寒湖・知床などへ向かう道路が放射状に延びており、道東周遊観光の交通の要衝として機能しています。

「弟子屈(てしかが)」はアイヌ語の「テシカ(岩盤)」「ガ(の上)」に由来するとされます。

温泉の発見は明治16年(1883年)。

塘路で鹿捕りをしていた本山七衛門が弟子屈に温泉が湧くことを知り、猟を兼ねて夏の間だけ住む温泉宿を造ったことに始まります。

明治18年(1885年)には一家を挙げてこの地に移住し、道東地域で最古の温泉地としての歴史が始まりました。

以来140年以上、摩周温泉は道東観光の拠点として旅人を迎え続けています。

弟子屈町の面積の65%は阿寒摩周国立公園に位置しており、摩周温泉の源泉は冬場に町内の道路のロードヒーティングや暖房にも活用されているほど、町の生活と温泉が一体化しています。


摩周湖・屈斜路湖・硫黄山 阿寒摩周国立公園の絶景をめぐる

出典:一般社団法人 摩周湖観光協会

摩周温泉を拠点にすると、阿寒摩周国立公園の三大絶景が一日で巡れます。

摩周湖はアイヌ語で「カムイトー(神の湖)」と呼ばれ、世界で2番目の透明度を誇るカルデラ湖です。

ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで最高評価の三ツ星を獲得したこの湖は、流れ込む川も流れ出す川も持たず、常に水位が一定という謎めいた特性を持っています。

外輪山に囲まれた峻険な地形の中に広がる深い藍色の湖水は「吸い込まれそうな美しさ」と旅人が口をそろえる絶景で、第一展望台・第三展望台からその神秘を体感できます。

晴れた日でも霧が立ちこめることが多く「霧の摩周湖」として知られており、霧が晴れて湖が見えると恋愛成就の縁起があるとも言われています。

屈斜路湖は周囲約57キロという国内最大のカルデラ湖で、全面結氷する湖としても日本最大の広さです。

冬には数千羽の白鳥が越冬地として飛来し、湖岸の砂を手で掘ると温泉が湧き出す「砂湯」は家族連れに人気のスポットです。

また屈斜路湖は釧路川の源流で、湖から流れ出した清流を下るカヌーツーリングのルートは全国のカヌーファンが憧れる道東随一の体験です。

硫黄山(アトサヌプリ)はアイヌ語で「裸の山」を意味し、木々が生えない山肌のあちこちから轟音とともに噴煙が上がる活火山です。

硫黄山の恵みである摩周湖の伏流水が地熱で温められて湧き出すのが、北の草津とも呼ばれる「川湯温泉」。

摩周温泉からは車で約20分で川湯温泉の強酸性硫黄泉も楽しめます。


摩周そば・弟子屈ラーメン・釧路川カヌー 体と五感で弟子屈を楽しむ

出典:一般社団法人 摩周湖観光協会

弟子屈町の食の代表格が「摩周そば(弟子屈そば)」です。

弟子屈町産のそば粉を使った手打ちそばは、豊かな香りとコシが特徴で、観光案内所やそば処がひしめく町内で食べ比べが楽しめます。

そばの収穫期(9〜10月)には新そば祭りも開催されます。

弟子屈ラーメンは各店が個性的なスープで競い合う道東のご当地ラーメンとして知られており、摩周駅周辺の食堂・レストランを巡る「ラーメン巡り」も旅の楽しみのひとつです。

また弟子屈産の生乳を使ったアイスクリーム・ソフトクリームは濃厚な甘みが道内でも評判で、道の駅摩周温泉の売店で味わえます。

釧路川カヌーは摩周温泉ならではの体験です。

屈斜路湖を源流とする釧路川は弟子屈市街を蛇行して流れており、川のゆったりとした流れに乗りながら原生林・タンチョウ・エゾシカと道東の自然を水上から間近に体感できます。

各種アウトドアガイドが日帰り〜複数日のツアーを催行しており、初心者でも安心して参加できます。


釧路川沿いの素朴な宿 源泉かけ流し体験

出典:公益社団法人 北海道観光機構

摩周温泉の湯は、歓楽的な演出とは無縁の素朴さの中で楽しむものです。

泉質はナトリウム塩化物泉(弱塩泉)を主体とする単純温泉で、源泉温度は宿によって26〜96℃と幅があります。

無色透明で肌触りやわらかな弱塩泉は体への馴染みがよく、神経痛・慢性疲労・皮膚疾患などへの効能があるとされています。

入浴後の保温効果が高く、冬の厳しい道東の気候の中で体を芯から温める湯として地元住民にも長年親しまれています。

「ホテル摩周」は道の駅摩周温泉から釧路川沿いに車で3分の立地で、湯量豊富な24時間かけ流し温泉を提供するコンパクトなホテルです。

弱塩化物泉の源泉かけ流しで肩こり・神経痛・疲労・胃腸障害・皮膚病への効能が期待できます。

各施設ともJR摩周駅から徒歩圏内という鉄道旅行者に優しい立地で、8軒の旅館・ホテル・ペンションに加え、摩周駅と道の駅摩周温泉には無料の足湯も設置されており気軽に温泉を体感できます。


摩周温泉の源泉かけ流し概要

出典:公益社団法人 北海道観光機構

泉質: ナトリウム塩化物泉(弱塩泉)・単純温泉(施設により異なる)

源泉温度: 26〜96℃(施設により大きく異なる)

湯色: 無色透明・やわらかな肌触り

源泉かけ流し: 各施設で実施(加温の有無は施設による)

効能(浴用): 神経痛・筋肉痛・関節痛・慢性皮膚病・冷え性・疲労回復・胃腸病・皮膚乾燥症・自律神経不安定症・不眠症・うつ状態


旅の余韻

出典:一般社団法人 摩周湖観光協会

釧路川のせせらぎが聞こえる宿の浴槽に体を沈めると、無色透明のやわらかな湯が静かに体を包みます。

歓楽街も大型ホテルもないこの温泉地の素朴さが、道東の旅の疲れをちょうどよく解きほぐしてくれます。

今日は摩周湖の藍色に吸い込まれ、屈斜路湖の砂湯で足を温め、釧路川をカヌーで下った。

そのすべての記憶が、摩周温泉の弱塩泉とともに静かに沈んでいきます。

「神の湖」のほとりで140年以上続いてきた湯の文化が、明日の道東の旅へと体を整えてくれます。