太古の海水が育む「化石海水」【石狩温泉】源泉かけ流し|日本海を一望する番屋の湯と石狩鍋の旅


出典:番屋の湯
2026年05月23日更新

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湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

1,000万年近く前、海底の砂と泥に閉じ込められた太古の海水が、今日のお湯として地上に届いています。

北海道石狩市、石狩湾を望む浜辺のすぐそばに立つ「石狩天然温泉 番屋の湯」。

地下数百メートルからボーリングで汲み上げる源泉は「化石海水」と呼ばれる希少な温泉です。

茶褐色のやや塩辛い湯には海のミネラルが豊富に含まれ、肌に塩分が薄く残ることで保温・保湿効果が高く「湯冷めしにくい温の湯」として知られています。

平成7年(1995年)の開湯ながら、鮭漁で栄えた石狩の歴史と北海道らしい雄大な日本海の絶景が旅情を深めます。

石狩浜へ 鮭の番屋が育んだ港町の歴史

出典:番屋の湯

石狩温泉(番屋の湯)は、北海道石狩市弁天町に位置する日帰り温泉・宿泊施設です。

札幌市内から国道231号を北に車で約40分、中央バス「石狩行き」に乗れば約1時間で「石狩温泉前」バス停のすぐ目の前に到着します。

「番屋の湯」という施設名は、石狩浜に点在した漁師の作業小屋「番屋」に由来しています。石狩は江戸時代から幕末・明治にかけて鮭漁の大規模な拠点として栄え、日本の缶詰発祥の地(明治10年に日本初の鮭の缶詰が石狩で製造)としても知られる歴史的な港町です。

温泉施設の壁には石狩の黎明期を物語る古い写真や鮭の缶詰ラベルが飾られており、湯上がりに眺めると港町の歴史が旅情をいっそう豊かにします。

館内中庭では番太郎・ゆきちゃんという名のカピバラ2匹が温泉に入っており、ほんわかしたユニークな人気者になっています。


はまなすの丘・石狩灯台・厚田展望台 石狩の自然と絶景

出典:石狩市

石狩温泉の周辺には、北海道らしい自然の絶景が広がっています。

徒歩圏内の「石狩浜海水浴場(あそびーち石狩)」は夏の海水浴スポットとして人気が高く、浜辺に続く「はまなすの丘公園」ではハマナスの花が咲き誇る7月が最盛期です。

石狩灯台(赤白の縞模様で知られる日本最古の木造灯台のひとつ)も近く、歴史的な建造物と日本海の絶景を組み合わせた散策が楽しめます。

また石狩市北部・厚田区の「石狩・厚田展望台」からは日本海に沈む夕日が絶景で、北海道ドライブの途中に立ち寄る旅人が絶えません。


石狩鍋・海鮮・ランチバイキング 石狩の恵みを食べる

出典:農林水産省

石狩といえば「石狩鍋」。鮭・野菜・豆腐を味噌仕立てのだしで煮込んだ北海道を代表する郷土料理です。

番屋の湯のレストランでは石狩鍋をはじめ、エビ・ホタテ・イカが丸ごと入った「番屋のちゃんぽん」、なまらザンギ丼など石狩の海鮮を活かしたメニューが揃います。

ランチバイキングでは地元産食材を中心にした多彩な料理を楽しめ、温泉と食事だけで1日を充実させられるワンストップ施設としての使い勝手の良さが、地元客にも観光客にも支持されています。


化石海水・茶褐色の保温の湯 源泉かけ流し体験

出典:番屋の湯

番屋の湯の源泉は地下数百メートルから湧出する「化石海水」。

海底に降り積もった砂や泥の隙間に閉じ込められた太古の海水が、長い年月をかけて地層の圧力や熱によって変質した温泉です。1,000万年近く前の海水が今日の温泉として届くという、時がもたらす奇跡のお湯です。

泉質はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物強塩泉(pH8.2・源泉温度27.6℃・湧出量160リットル/分)で、黄褐色澄明のやや塩辛い湯。

塩化物イオンが肌表面に薄い皮膜を形成して水分の蒸発を防ぎ、炭酸水素塩が角質をなめらかに整える「温まりの湯」として、地元の常連客が長年通い続けています。

内湯では高温・低温・ジャグジーの温度帯を使い分けながらゆっくり体を温められ、日本海を望む露天風呂では潮騒を聞きながら石狩湾の絶景を楽しめます。


石狩温泉の源泉かけ流し概要

出典:番屋の湯

泉質: ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物強塩泉

湯色: 黄褐色澄明(茶褐色)・やや塩辛い

pH: 8.2

源泉温度: 27.6℃(加温して提供)

湧出量: 毎分160リットル

効能: 神経痛・筋肉痛・疲労回復・慢性消化器病・冷え性・アトピー・美肌


旅の余韻

出典:石狩市

日本海に沈む夕日が露天風呂の湯面を橙色に染める頃、茶褐色の湯に体を沈めます。1,000万年前の海水が今日届いた。

その不思議な事実だけで、なんだか宇宙的な気持ちになります。石狩鍋の旨みがまだ体に残る中、潮騒を聞きながら湯冷めしにくい保温の湯に長湯する。

札幌から40分、これほど非日常的な温泉体験が手軽にできる場所が北海道にはあります。