温泉経営者がおすすめする一度は泊まりたい温泉宿#2 修善寺温泉-〇久旅館-
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かっきー
江戸の玄関口と言われた宿場町に生まれ育った生粋の江戸っ子。還暦を迎えた今なお、旅とサーフィンをこよなく愛するアクティブシニア。某夕刊紙に勤務していた経歴を持つ。
マイナーな温泉から秘湯まで、気の向くままに温泉へ出かけることが大好きです。温泉の良さはもちろん、分かりやすく温泉や旅館などの良さをお伝えしてまいります。
今回は特別企画「温泉経営者がおすすめする一度は泊まりたい温泉宿」の第二弾をお届けします。
今回は、静岡県の修善寺温泉にある「瑞の里 〇久(みずのさと まるきゅう)旅館」の経営者の方へインタビューさせていただきました。温泉経営者の方が素晴らしいと認めた温泉宿の魅力をぜひご覧ください!!
目次
第二回目は静岡県伊豆市にある修善寺温泉の「瑞の里 〇久旅館」
第2回は、前回インタビューの熱海温泉「古屋旅館・内田宗一郎さん」がおすすめする修善寺温泉の「〇久旅館」にインタビューしました。

提供:〇久旅館
〇久旅館のある修善寺温泉は、静岡県伊豆半島の北部に位置します。
修善寺温泉は、開湯から1200年以上とされる由緒ある温泉地。
市街の中心を流れる桂川の清流の中に湧く弘法大師(こうぼうだいし)ゆかりの「独鈷(とっこ)の湯」が原点となっています。
伊豆半島のなかでも最も古い歴史をもつ温泉地です。
今回は、そんな由緒ある温泉地で旅館を営む、〇久旅館の専務取締役の鈴木久弥さんにお話を伺います。

画像提供:〇久旅館
老舗旅館を盛り上げる若手 修善寺温泉「瑞の里 〇久旅館・鈴木 久弥さん」

〇久旅館の専務取締役を務める鈴木久弥さん
さっそくお話を伺いました!
◇らくらく湯旅編集部(以降 編集部):特別企画の第2回は、修善寺温泉〇久旅館専務取締役の鈴木久弥さんです。お忙しい中ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
◆鈴木さん:よろしくお願いいたします。
瑞の里 〇久旅館のある修善時温泉はどのような温泉地でしょうか?
◆鈴木さん:修善寺は、伊豆半島の北にあるので、関東や中部地方から、特にアクセスの良いところとなっています。
周辺は、山に囲まれ、中心には桂川が流れ、春の桜や総面積3万平方メートルの小高い丘稜地いっぱいに咲く梅の花、初夏には菖蒲(しょうぶ)やホタルの鑑賞、秋の紅葉シーズンにはモミジ原生林など自然の景観と、和の趣がある名所では春夏秋冬の一年間を通じて、色々なイベントが催され、風情溢れる温泉地です。

提供:〇久旅館
〇久旅館の周辺には、修善寺から続く竹林があり、参拝に向かう小道も楽しめる位置関係にあります。
海も近いので、夏の海水浴シーズンに立ち寄られるお客様も多くいらっしゃいます。
修善寺の温泉街では8月中の15日間に、日本最大規模のキャンドルの祭典が催されています。1日1,000個、15日間のトータルでは15,000個の、やわらかなろうそくの光が、修善寺温泉街をロマンティックに演出します。
幽玄なろうそくの灯りがゆらぐ夏の夜を、天城連峰太鼓の演奏や尺八の演奏などが彩ります。

提供:〇久旅館
◇編集部:一年を通じて楽しめる自然とイベントがあるので、季節を変えて足を運びたくなる気持ちになりますね。
瑞の里 〇久旅館のこれまでの歩みを教えてください。
◆鈴木さん:はい、〇久旅館は約100年前の大正11年に創業いたしました。創業当時、〇久旅館は修善寺のお寺のすぐ傍にありましたが、平成8年に現在の修善寺温泉街の中心あたりに位置する場所に移転してきました。
新築する際にこだわった点はあったのでしょうか?
◆鈴木さん:移築の際には、当時珍しかったバリアフリーに配慮した宿のつくりに留意いたしました。
当時普及していた和風建築の旅館の造りは、お越しになったお客様が玄関口で履物を脱いで、スリッパに履き替えて玄関を上がるというものでした。
当旅館では、移設時に段差をなくして、お越しになったお客様を、履物を脱がずにそのままお迎え入れられる造りとしました。これにより、車いすなどでお越しになってもスムーズにお迎えでき、お部屋まで移動できるようになりました。

提供:〇久旅館
◇編集部:当時は、公共施設でも充分にバリアフリー化が普及していなかったと記憶していますが、先進的な「おもてなし」の思想をお持ちしていたのですね。
◆鈴木さん:当時は、私もまだ高校生くらいでしたが、やはり旅館としては目新しい造りでした。
◇編集部:その他にも、湯上り処というスペースや、貸し切り露天風呂を設けてありますが、こちらにもこだわりがあるのでしょうか?
◆鈴木さん:はい、男女別の大浴場では、ご家族の待ち合わせや、湯上りに中庭を眺めながら涼んでいただけるよう湯上り処を設置しています。
湯上り処には、地元で製造される牛乳などを設置するなど、リラックスしていただけるよう配慮しています。

提供:〇久旅館(湯上がり処)
また、当館では貸し切り露天風呂を幾つかご用意しております。
貸し切り露天風呂では、修善寺の自然や星空を眺めたり、達磨山(だるまやま)に沈む夕日を眺めながらお湯に浸かっていただけるなど、ご家族だけのゆっくりとした時間をお過ごしいただけます。

提供:〇久旅館(貸切露天風呂 月下)

提供:〇久旅館(貸切露天風呂 双月)
貸し切り露天風呂には、バリアフリーに配慮したスロープ付きの施設をご用意しています。車いすのお客様でもご家族・ご友人の皆様とご一緒に、ご滞在中に温泉を楽しんでいただけるように配慮しております。
瑞の里 〇久旅館の温泉について詳しくお伺いできますか?

提供:〇久旅館
◆鈴木さん:これは伝承となりますが、弘法大師が修善寺の地に訪れた際、病の父の体を冷たい川の水で流す少年を見つけ、哀れに思う弘法大師が独鈷で岩を叩き霊泉を湧出させたと言われています。その発祥から独鈷の湯とも言われます。
温泉自体は、少しトロっと感じるアルカリ単純泉で刺激が少なく柔らかくて気持ちが良い感覚です。無色無臭で刺激が少ないので、ご高齢の方やお子様など皆様で楽しんでいただけるほか、pH(ペーハー)が8.71と高いので、肌の角質をとるなど美肌効果があります。
大浴場では、内湯、ジャグジー、寝湯、うたせ湯、岩露天風呂、サウナなどいろいろな湯浴びを満喫いただけます。外には桜の木がございますので、4月頃になると露天風呂からお花見ができます。

提供:〇久旅館
◇編集部:美肌効果は、女性にはとても興味深いところでしょうね。
◆鈴木さん:はい、美肌効果の温泉に加えて、ゆっくりとエステと癒しを堪能していただけるお部屋でのエステやマッサージのご用意しており、ご好評いただいております。
お部屋やお料理についてのこだわりを教えてください。
◆鈴木さん:はい、快適にご滞在頂けるよう、和室のお部屋には適切な寝姿勢を保ち適度な反発力で寝返りもスムーズな特別な敷き布団をご用意しています。

提供:〇久旅館
また半露天風呂がついた和洋室を新たに設けました。
提供:〇久旅館
このお部屋は段差のないフラットな作りとなっており、入口から洋間、お手洗い、お風呂まで車椅子でお入りいただけます。

提供:〇久旅館
お料理は、伊豆名産の四季折々の海の幸・山の幸を素材として、お味は無論のこと、目や香りでも楽しんでいただける献立を心がけています。
◇編集部:視覚的に楽しむとは、具体的にどの様なものでしょうか?
◆鈴木さん:いろいろございますが、例えば伊豆産のシイタケを原木に付いた状態でお持ちして、その場で採って調理したり、特産のワサビを一本丸ごとご用意したものをすり下ろしてワサビ丼をお出ししたりするなど、体験して楽しんでいただけるようなパフォーマンスを実施しています。

提供:〇久旅館

提供:〇久旅館
◇編集部:ありがとうございます。取れたての新鮮さも味わえて印象深い食事になりますね。



