薬湯とは?成分や効能、日本三大薬湯に自宅で楽しむおすすめ薬湯まで
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ともきち
温泉が好きで、年に数回は友人や家族と国内旅行を計画し、色々な温泉地へ出かけています。温泉の中でも、濁り湯の露天風呂が特に好みです。旅先では、有名観光地や絶景スポットをひと通りまわり、地元の名物料理やお菓子の食べ歩きも欠かしません。旅好きならではの視点で、温泉地の情報や温泉にまつわる知識など、魅力あふれる記事をお届けします。
日本古来から、温泉療養などに好まれてきた「薬湯」。今回は、薬湯とはどのようなものか、その種類や効能などを解説します。また、日本三大薬湯として名高い群馬県の「草津温泉」、兵庫県の「有馬温泉」、新潟県の「松之山温泉」や、自宅で薬湯が楽しめるおすすめの入浴剤もご紹介します。
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目次
薬湯とは
出典:写真AC
「せんじぐすり」や「湯薬(とうやく)」といわれることもある「薬湯」は、「くすりゆ・やくとう」と読み、一般的には次の2つのお風呂のことをいいます。
1. 薬草や薬剤などを入れたお風呂
2. 温泉の療養の効能が発揮されたお風呂
薬湯の歴史
出典:PIXTA
先ほど紹介した「1. 薬草や薬剤などを入れたお風呂」としての「薬湯」の歴史をたどると、薬湯が最初に日本に入ったのは飛鳥時代で、中国から仏教とともに伝わってきたといわれています。
その時代のお風呂は湯船ではなく蒸し風呂が一般的だったため、薬草を蒸して香りを楽しんでいたようです。
その後、室町時代になって、さまざまな植物を湯舟につけて入浴するようになります。
江戸時代には、端午の節句に入る「しょうぶ湯」や冬至に入る「ゆず湯」などの習慣が始まりました。
現在でも、このしょうぶ湯やゆず湯が楽しまれていますが、最近では、「ラベンダー湯」など西洋のハーブなどの薬湯なども人気です。
薬湯の入浴剤が最初に販売されたのは、「浴剤中将湯(ちゅうじょうとう)」という商品で、明治30年(1897年)のことです。
当時、津村順天堂(つむらじゅんてんどう)が販売していた婦人薬の「中将湯」を社員がお風呂の湯に混ぜて入浴したら子供のあせもが治ったという体験から、入浴剤製品(くすり湯浴剤中将湯)として銭湯向け商品として販売されました。
ちなみに、この入浴剤が「バスクリン」の礎になっているそうです。
現在は、薬局、ドラッグストア、スーパー、入浴剤の専門店などで、多くの会社からさまざまな種類の薬湯の入浴剤が販売されています。
薬湯の種類と楽しみ方
出典:PIXTA
「1. 薬草や薬剤などを入れたお風呂」としての「薬湯」には、一般的に「生薬(しょうやく)」や薬品が使われます。
生薬とは、草花や薬草の葉、茎、根などを乾燥したり蒸したりした物で、例えば以下のようなものが有名です。
・ヨモギの葉や枝先である艾葉(がいよう)
・甘草(かんぞう)
・当帰(とうき)
・生姜(しょうきょう)
・大茴香(だいういきょう)
・人参、陳皮(ちんぴ)
・十薬(じゅうやく:ドクダミ)
・葛根(かっこん)
生薬を袋に詰めて浮かしたり、生薬の成分を煮出してから溶き混ぜたりして薬湯を作ります。
一方、薬湯に使われる薬品は、例えば、ホウ酸、重炭酸ナトリウム、硫化物、重曹などです。
また、「2. 温泉の療養の効能が発揮されたお風呂」としての「薬湯」は、日本三大薬湯をはじめ、療養泉として知られる全国の温泉地を楽しむことができます。
薬湯の効能
薬湯の効能は、生薬や薬品の種類によって、また温泉の泉質によって異なります。
薬湯には、何種類もの生薬を用いることがあり、その場合は、それぞれに含まれるたくさんの成分などが混ざっているので、一つひとつの効能を科学的に証明することはなかなか難しいとされています。
一般的に薬湯には、保温や保湿、発汗などの作用があるとされています。
そして、たむしやあせも、しもやけ、神経痛、肩こり、腰痛などの効能も期待でき、美肌にも良いとされています。
日本三大薬湯とは?
次に「日本三大薬湯」と呼ばれ古くから親しまれてきた、「草津温泉」・「有馬温泉」・「松之山温泉」をご紹介します。
1. 殺菌力の高い酸性泉「草津温泉」
江戸時代の温泉番付で、当時の最高位である東大関に格付けされたことのある、群馬県の「草津温泉」は、日本を代表する「名泉」の一つです。
源泉の数は、大小100ヶ所以上を誇り、その多くはpH1.7から2前後の酸性泉(酸性低張性高温泉)で、恋の病以外治せるといわれる万能の湯として愛される薬湯です。
高い殺菌力があり、主に神経痛や筋肉痛をはじめ、慢性婦人病や高血圧にも効能があるとされています。
草津温泉の象徴「湯畑(ゆばたけ」で採取される「湯の花」(約95g、1,400円)や温泉濃縮液「草津名湯の湯」(500ml、1,650円)を購入すれば、自宅でも草津温泉の効能を期待することができます。
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2. 金泉と銀泉でさまざまな効能を得る「有馬温泉」
出典:PIXTA
兵庫県神戸市にある「有馬温泉」も、草津温泉同様、江戸時代の温泉番付で西大関に格付けされた名泉の一つです。
2つの有名な源泉があり、一つは「金泉」と呼ばれる茶褐色の濁り湯の含鉄・ナトリウム塩化物・強塩泉と、もう一つは、「銀泉」と呼ばれる透明なラジウム泉と炭酸泉です。
主な効能には、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩などがあります。
公衆浴場「金の湯」と「銀の湯」を巡れば、金泉と銀泉を気軽に楽しみながら、さまざまな効能を得ることができます。
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3. 通常の15倍の濃度ともいわれる塩分を含む「松之山温泉」
出典:写真AC
新潟県十日町(とおかまち)市にある「松之山温泉」は、冬には積雪が4mを超えることもある国内有数の豪雪地帯にある温泉地です。
室町時代には、越後(えちご)国(現在の新潟県)を統治していた上杉謙信(けんしん)の隠し湯の一つであったという説もあります。
1,200万年前に地層に閉じ込められた化石海水は世界中でも珍しく、ナトリウム・カルシウム塩化物泉(弱アルカリ性)の塩分濃度は通常の15倍の濃度といわれます。
そのため、保温にすぐれ、切り傷の治りが早い、美肌に良いと定評があります。その他、慢性皮膚病、リュウマチ、神経炎、創傷、痛風、皮膚病、婦人病、関節痛などの効能も期待できます。
効能だけを見ると、他の温泉との差がわかりにくいのですが、実際に浸かってみるとその湯ざわりなどの違いに驚くという声も多く聞かれます。
生薬系入浴剤のおすすめ3つ
次に自宅で薬湯を楽しめる、生薬が持つ成分と独特の香りが特徴の生薬系の入浴剤のおすすめを3つご紹介していきましょう。
1. お手頃価格で薬湯の効用を楽しめる「バスクリン:薬湯 カラダめぐり浴」
出典:バスクリン
バスクリンの「薬湯 カラダめぐり浴」は、保湿成分である10種類の植物エキスを混ぜ合わせ、さらに、生薬の「センキュウ」や「芒硝(ぼうしょう)」に「硫酸マグネシウム」の3種の有効成分を配合しています。
600gで1,000円を切る価格で手に入る薬湯にしてはお手頃価格でありながら、入浴すると血流が促進され、新陳代謝がアップすることで、健康促進の効用が期待できる優れものです。
アジアンシトラス(アジア料理の香辛料の香りと柑橘系の香りが混ざったような)香りが、若干強めなので好みは分かれますが、和漢イエローグリーンの色とともに癒されると口コミでも評判です。
2. まさに薬湯という香りに包まれる 「ツムラ:ツムラのくすり湯 バスハーブ」
出典:ツムラ
ツムラの「ツムラのくすり湯 バスハーブ」は、これぞ薬湯という香りの入浴剤で、湯あがりも体から健康に良さそうな薬湯の香りが漂います。
保温されることによって血行促進、疲労回復に繋がり、リウマチや腰痛・神経痛・肩こりの効能もあるとされています。
また、生薬エキス成分が、乾燥した肌に潤いを与えてくれることから、今までに体験したことがないほど肌がすべすべになったという声も寄せられています。
3. 天然成分のみを使用した薬湯「SouGo カミツレ研究所:華密恋 薬用入浴剤」
SouGo カミツレ研究所の「華密恋(かみつれん) 薬用入浴剤」は、カモミールの有効成分であるカミツレエキスを独自製法で抽出し、その原液のまま楽しめる天然成分だけで作られた入浴剤です。
入浴剤を入れるとお湯の肌ざわりが柔らかくなり、肌にしっとりと潤いを与え、にきび、汗疹にも高い効能が期待できます。
薬湯の効能を自宅や温泉で味わおう!
出典:PIXTA
今回は、温泉地でも自宅でも楽しめる「薬湯」に注目してご紹介しました。昔から風習として楽しまれてきた薬湯を、日常に取り入れてはいかがでしょうか。
薬湯の持つさまざまな効能を温泉地で、また、ご自宅で存分に味わいましょう。