毛ガニ日本一の町の山あいに湧く【歌登温泉】源泉かけ流し|空気に触れると黄褐色に変わる炭酸の個性湯と北オホーツクの旅


出典:公益社団法人 北海道観光機構
2026年05月26日更新

この記事を書いた人

湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

北海道最北のオホーツク沿岸、「かにかご漁」による毛ガニ漁獲量日本一を誇る枝幸町。
その山間部に、大正時代に発見された個性的な冷鉱泉が湧いています。

歌登温泉は、含二酸化炭素・ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉(pH5.9)という希少な泉質の温泉です。

源泉は12℃という冷鉱泉で、湧出時は無色透明ですが、空気に触れると鉄やアルミニウムが酸化して浴槽の中で淡い黄褐色に変化します。

炭酸成分を豊富に含み、源泉100%かけ流しで提供されるこの湯は「道内でもまれな良質の湯」と評される、北の秘湯です

北オホーツクの山里へ 歌登の自然と「うたのぼり健康回復村」

出典:南宗谷ゴルフ場

歌登温泉は、北海道枝幸郡枝幸町歌登辺毛内に位置しています。

オホーツク紋別空港から車で約110分、旭川からは国道40号・238号を経由して車で約3〜4時間という道北の秘境的な立地です。JR宗谷本線・名寄駅や音威子府駅からバスを乗り継ぐルートもありますが、マイカーでのアクセスが現実的です。

温泉地一帯は「うたのぼり健康回復村」として整備されており、宿泊施設「うたのぼりグリーンパークホテル」を中心に、コテージ、南宗谷ゴルフ場(18ホール)、パークゴルフ場(36ホール)が併設されています。

ゴルフやアウトドアを楽しみながら源泉かけ流しの湯でリフレッシュするリゾート的な使い方が地域に根付いています。

周囲はブナ・トドマツ・エゾマツの原生林に覆われ、野鳥のさえずりと川のせせらぎが静かに響く環境で、冬の雪景色をライトアップで楽しむ企画も人気です。


エサヌカ線・興部・毛ガニ 北オホーツク観光の拠点として

出典:公益社団法人 北海道観光機構

歌登温泉を拠点にすると、北オホーツクの雄大な自然と海岸線が旅の舞台になります。

枝幸町から浜頓別町にかけての海岸沿いには、防風林も電柱も交差点もない直線道路「エサヌカ線」が約16キロにわたって続いています。

地平線まで伸びる道路と空の広さは北海道らしい絶景で、ドライブファンが国内外から集まるスポットです。

またオホーツク海に面した興部町・雄武町にかけての海岸では、運が良ければアザラシやオジロワシを間近に見ることができます。


枝幸の海の幸 毛ガニ・ホタテ・タコと北の食

出典:うたのぼりグリーンパークホテル

枝幸町はかにかご漁による毛ガニ漁獲量が全国屈指を誇る「毛ガニの町」です。

宿の夕食では枝幸産の新鮮な毛ガニが卓上を飾り、その濃厚な味噌と身の甘みは全国のグルメが羨む道北の誇りです。

ホタテ・タコ・ホッケなどオホーツク海の豊かな海の幸も食卓を賑わせ、温泉と海鮮の両方を満喫できる旅が実現します。


空気に触れると黄褐色に変わる 源泉かけ流し体験

出典:うたのぼりグリーンパークホテル

歌登温泉の最大の特徴は、湧き出た瞬間は無色透明なのに、浴槽に張られると淡い黄褐色に変化するという個性的な変色現象です。
鉄やアルミニウムが空気に触れて酸化することで生まれるこの色の変化が、源泉の新鮮さの証です。

泉質は含二酸化炭素-ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉(弱酸性低張性冷鉱泉)・pH5.9・源泉温度12.2℃。

冷鉱泉のため加温して提供されますが、炭酸成分と重曹成分が肌を穏やかに整えて美肌効果が高く、神経痛・筋肉痛・リウマチ・皮膚病・冷え性への効能があります。

「朝倉温泉」が湯元で、隣接するグリーンパークホテルが同一源泉から引湯しており、どちらも源泉かけ流しで提供しています。

内風呂の窓越しに広がる庭園の風景。雪に覆われた冬は特に幻想的で、日帰り入浴客にも好評です。


歌登温泉の源泉かけ流し概要

出典:うたのぼりグリーンパークホテル

泉質: 含二酸化炭素-ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉(弱酸性低張性冷鉱泉)

pH: 5.9

源泉温度: 12.2℃(加温して提供)

湯色: 湧出時は無色透明→浴槽内で淡い黄褐色に変化(鉄・アルミニウムの酸化)

源泉かけ流し: 朝倉温泉・うたのぼりグリーンパークホテルともに源泉100%かけ流し

効能: 神経痛・筋肉痛・関節痛・リウマチ・慢性皮膚病・冷え性・疲労回復


旅の余韻

出典:うたのぼりグリーンパークホテル

透明な湯が浴槽に張られるうちに、ゆっくりと黄褐色に変わっていく。

それを見ながら、この湯が大正の昔からここで湧き続けてきたことを思います。

毛ガニの旨みがまだ舌に残る夜、エサヌカ線の地平線の記憶とともに、北オホーツクの大自然を思い返しながら温泉に浸かる時間は、都会ではとうてい味わえない贅沢です。