「源泉かけ流し宣言」の海沿い温泉郷【虎杖浜温泉】源泉かけ流し|道内随一の湧出量美肌の湯とアイヌの歴史と文化の旅
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湯あがり ぽか子
温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!
札幌から南へ約100キロ、道央自動車道を走ると太平洋が眼前に広がる白老町・虎杖浜の海岸線。
国道36号沿いの約6キロにわたって温泉施設が点在するこのエリアは、道内随一ともいわれる豊富な湧出量を誇る温泉郷です。
虎杖浜温泉は1959年(昭和34年)に地下670メートルのボーリングで源泉を開発して以来、白老町の竹浦から虎杖浜にかけての広範囲に約130か所もの源泉が自噴する温泉地として発展してきました。
2012年(平成24年)には「源泉かけ流し宣言」を行い、良質な温泉の提供を地域全体で表明。
pH8.2の弱アルカリ性ナトリウム塩化物泉は「化粧水いらず」と言われるほど肌をなめらかに整え、太平洋を見渡す露天風呂で波音を聞きながら入浴する体験は、この温泉郷ならではの贅沢です。
目次
太平洋の海岸線へ 虎杖浜という地名と温泉の誕生

出典:一般社団法人白老観光協会
虎杖浜温泉は、北海道白老郡白老町の竹浦から虎杖浜にかけての太平洋岸に広がっています。
道央自動車道・虎杖浜ICから国道36号を経由してすぐ、JR室蘭本線・虎杖浜駅から徒歩圏内という好アクセスで、札幌から車で約80分・新千歳空港から車で約50分という道央観光の拠点としても申し分ない立地です。
「虎杖浜(こじょうはま)」という地名は、一帯に虎杖(イタドリ、スカンポとも呼ばれる植物)が多く生えていたことに由来します。
かつては「白老臨海温泉」と呼ばれていたこのエリアが、1959年(昭和34年)に行われた地下670メートルのボーリングで本格的な源泉開発が始まり、昭和の温泉ブームに乗って国道沿いに多くの立ち寄り型温泉施設や宿泊施設が建ち並ぶようになりました。
現在は白老町全体で約130か所以上の源泉が湧出しており、一般家庭でも温泉を利用している家があるほど生活に溶け込んだ温泉地域となっています。
ウポポイ・縄文遺跡・支笏湖 白老・道央の旅

白老町は温泉と食だけでなく、歴史と文化の深い旅先としても注目されています。
2020年7月にオープンした「ウポポイ(民族共生象徴空間)」は、虎杖浜から車で約15分の白老町ポロト湖畔に建つ日本最大のアイヌ文化体験施設です。
アイヌの音楽・舞踊・伝統工芸・言語を体験できる国立博物館・国立民族共生公園からなる複合施設で、先住民族アイヌの歴史と文化を深く学べる場として国内外から多くの人が訪れています。
虎杖浜地区自体にも縄文時代早期(約8,000年前)の遺跡が残り、「アヨロ台地」「アヨロ海岸」にはアイヌ語の地名や伝説が多く残されており、北海道の先史から現代に至る歴史の厚みが感じられます。
また支笏湖へは車で約40分、登別温泉へは車で約15分と道央の名所へのアクセスも良く、虎杖浜温泉を拠点に道央を周遊する旅が楽しめます。
虎杖浜たらこ・白老牛・前浜の幸 食の宝庫・白老を味わう

出典:一般社団法人白老観光協会
虎杖浜・白老の食の豊かさは、温泉と並ぶこの地の自慢です。
「虎杖浜たらこ」は大正時代から虎杖浜で作られてきた北海道を代表するたらこブランドで、胆振水産加工業協同組合の地域団体商標として保護されています。
冬の前浜で水揚げされた新鮮なスケトウダラをすぐに加工したたらこは、きめ細かな粒々と上品な塩加減で全国の贈答品として親しまれています。
国道36号沿いの土産物屋やドライブインでは、この虎杖浜たらこをはじめ毛ガニ・ホタテ・鮭など太平洋の新鮮な海産物が並んでいます。
白老が誇るブランド牛「白老牛」は、口の中でとろける霜降りと豊かな旨みで全国に名が知られる黒毛和牛です。
秋から冬にかけては鮭が虎杖浜の川に遡上し、力強く川を上る鮭の姿を間近に見られる体験も温泉地の近くで楽しめます。
宿の食卓には地産地消・手作りにこだわった前浜の魚介と白老牛が並び、温泉と食が一度に満たされる充実した旅が実現します。
pH8.2「化粧水いらず」の美肌湯 源泉かけ流し体験

出典:一般社団法人白老観光協会
虎杖浜温泉の泉質はナトリウム塩化物泉(弱アルカリ性)・pH8.2・源泉温度49℃前後。塩化物イオンが肌表面に薄い皮膜を形成して水分の蒸発を防ぎ、弱アルカリ性の成分が古い角質をやわらかく落とすことで、湯上がりの肌が「化粧水いらず」と言われるほどなめらかに整います。
高級化粧品の成分と同様のpH値を持つというこの「美肌の湯」は、女性に特に人気が高い泉質です。
2012年(平成24年)に行われた「源泉かけ流し宣言」により、加水・循環・消毒なしの純源泉かけ流しを実践する施設が温泉郷のシンボルとなっています。
太平洋の真正面に位置する「アヨロ温泉」では毎分130リットルの自家源泉100%かけ流しで波音を聞きながら入浴でき、高台に建つ「心のリゾート海の別邸 ふる川」では遮るものがない太平洋を一望しながら源泉かけ流しの露天風呂が楽しめます。
白老地区ではモール温泉も湧出しており、北海道遺産に認定された植物性の茶褐色の湯も体験できます。
虎杖浜温泉の源泉かけ流し概要

出典:一般社団法人白老観光協会
泉質: ナトリウム塩化物泉(弱アルカリ性)・一部白老地区ではモール温泉も湧出
pH: 8.2(弱アルカリ性・高級化粧品と同様の成分)
源泉温度: 49℃前後
源泉数: 白老町全体で約130か所以上
湧出量: 道内随一ともいわれる豊富な湧出量
源泉かけ流し: 2012年「源泉かけ流し宣言」実施・加水循環消毒なしの施設が多数
効能: 神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・疲労回復・婦人病・やけど・美肌
旅の余韻

太平洋の波音を聞きながら、pH8.2の弱アルカリ性の湯に体を沈めます。
肌がつるりとなめらかになる感覚が、「化粧水いらず」という言葉の意味を体で教えてくれます。
ウポポイでアイヌの歌と舞踊に心を動かされた後、前浜で獲れた毛ガニと虎杖浜たらこで食卓を囲み、白老牛の旨みを噛みしめながら太平洋に沈む夕日を眺める。
道内随一の湧出量が生み出す源泉かけ流しの美肌の湯が、白老の旅のすべてを豊かに締めくくります。



