アイヌの聖地・ポロト湖畔に湧く【白老温泉】源泉かけ流し|北海道遺産のモール温泉とウポポイ・白老牛の旅
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湯あがり ぽか子
温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!
北海道白老郡白老町、太平洋沿いの道央に位置する白老温泉は、ポロト湖畔の「白老地区」と国道36号沿いの「竹浦・虎杖浜地区」にまたがる広域の温泉地です。
白老町全体で約130か所以上もの源泉が湧出し、一般家庭でも温泉を利用しているほど湯量豊富なこの土地では、中でも白老地区に「北海道遺産」に選定された植物性モール温泉が湧き出しています。
2020年にオープンした国立施設「ウポポイ(民族共生象徴空間)」のすぐ隣で、アイヌ文化に染まった湯宿が本物のモール温泉を源泉かけ流しで届ける。
白老温泉はアイヌの歴史と北海道の大地と温泉が三位一体になった、唯一無二の旅先です。
目次
ポロト湖畔へ アイヌの聖地・白老と温泉の歴史

出典:界 ポロト
白老温泉は、北海道白老郡白老町のポロト湖畔および国道36号沿いに広がる温泉地です。
新千歳空港から車で約40分、JR室蘭本線・白老駅から徒歩約15分、札幌から車で約1時間というアクセスです。
2030年度末には北海道新幹線の倶知安延伸に伴う整備も進んでおり、道央の温泉拠点として注目が高まっています。
白老(シラオイ)はアイヌ語の「シラルイ(その辺りに菅が多い所)」に由来するとされる地名で、古くからアイヌの人々が暮らした土地です。ポロト湖はアイヌ語で「大きな沼」を意味し、湖畔にはかつてアイヌコタン(集落)が営まれていました。
温泉の開湯は昭和47年(1972年)。
ポロト湖畔で開発が始まったモール温泉は、有機物を含む茶褐色の湯として当初から評判を集め、「ポロト温泉」として長年地域に親しまれてきました。
2017年にポロト温泉が閉業し、その後継として2022年(令和4年)1月に星野リゾート「界 ポロト」が開業したことで、白老温泉は全国的な注目を集める温泉地へと進化しました。
ウポポイ・縄文遺跡・支笏湖 白老を中心とした道央の旅

白老温泉を拠点にすると、道央を代表する観光地が半日〜1日で巡れます。
界 ポロトのすぐ隣に建つ「ウポポイ(民族共生象徴空間)」は、2020年7月にオープンした日本最大のアイヌ文化体験施設です。
国立アイヌ民族博物館・国立民族共生公園からなるこの複合施設では、アイヌの音楽・舞踊・言語・工芸・自然観を体感的に学べます。
先住民族アイヌの歴史と文化を正面から向き合う展示の深さは国内外から評価されており、「界 ポロト」の宿泊プランにはウポポイの専門ガイドツアーが組み込まれています。
ウポポイを深く体験してから温泉でゆっくり過ごすという旅のスタイルが白老の定番になっています。
また白老町周辺には縄文時代の遺跡が多数点在しており、数千年にわたる人々の暮らしの痕跡を感じる歴史体験も楽しめます。
車で約40分の「支笏湖」や約15分の「登別温泉」とも組み合わせやすく、白老温泉を道央周遊の拠点として活用する旅が広がります。
白老牛・毛ガニ・醍醐鍋 白老の食の恵みを味わう

出典:界 ポロト
白老の食の主役は、全国に名が知れ渡るブランド牛「白老牛」です。
きめ細かな霜降りと深い旨みで評される白老牛は、道内トップクラスのブランド和牛として全国のグルメから評価されており、界 ポロトのダイニングでは白老牛を使った旬の会席料理が楽しめます。
また界 ポロトの名物料理「醍醐鍋」は、毛蟹・帆立貝・牡丹海老・鮭など北海道の海の幸を煮込み裏ごしした濃厚なブイヤベース仕立ての鍋で、アイヌ文化から着想を得た器で供される目にも美しい一皿です。
ピリカレラホテルでは白老牛のステーキが特別プランで楽しめ、道内北海道No.1ブランド牛の美味しさを温泉とセットで堪能できます。
北海道遺産のモール温泉 源泉かけ流し体験

出典:界 ポロト
白老温泉のモール温泉は、2004年(平成16年)に「北海道遺産」として認定された植物性温泉です。
泉質はナトリウム塩化物泉を主体とし、太古の植物が地中に堆積した有機物(フミン酸・フルボ酸)を含む茶褐色のモール温泉が白老地区で湧出しています。
源泉温度51℃・有機物を豊富に含む湯は「天然の化粧水」と呼ばれるほどの美肌効果を持ち、肌にとろりとなめらかにまとわりつく感触が特徴です。
帯広・十勝のモール温泉と同じ地球規模の堆積過程で生まれた湯ながら、白老のモール泉は太平洋沿岸の地層ならではの塩化物成分が加わって保温効果も高く、「美肌と温まりの両立」を実現しています。
界 ポロトでは「△湯(さんかくのゆ)」の内風呂に源泉かけ流しの「あつ湯」と「ぬる湯」の2槽があり、ポロト湖にせり出した露天風呂では四季ごとに変わる湖の景色とともにモール温泉が楽しめます。
日帰り温泉は「〇湯(まるのゆ)」で受け付けており、宿泊せずとも本物のモール温泉体験ができます。
白老温泉の宿を使い分ける 界ポロト・ピリカレラホテル・竹浦エリア

出典:ピリカレホテル
白老温泉エリアには個性の異なる複数の施設が揃っています。
星野リゾート 界 ポロト(2022年開業)はポロト湖畔に建つアイヌ文化を随所に取り入れた上質な湯宿で、チセ(アイヌの伝統家屋)から着想を得た客室設計・アイヌ文化体験プログラム・ウポポイ隣接という立地が他の追随を許さない唯一性を持ちます。
全室からポロト湖を望め、モール温泉の源泉かけ流しを楽しめます。
ピリカレラホテルは地下1,345メートルから噴き出す植物性モール温泉を全6室すべての客室で楽しめるスイート仕様の小規模ホテルです。
新千歳空港から約1時間というアクセスと白老駅からの近さが旅の起点として便利で、リーズナブルな価格帯でモール温泉が体験できます。
竹浦・虎杖浜エリアには道内随一の湧出量を誇るナトリウム塩化物泉(源泉かけ流し宣言2012年)が点在し、アヨロ温泉・ホテルいずみ・心のリゾート海の別邸ふる川など多彩な施設でオーシャンビューの温泉が楽しめます。
白老温泉の源泉かけ流し概要

出典:界 ポロト
泉質(白老地区): ナトリウム塩化物泉(有機物含有モール温泉)・北海道遺産認定
泉質(竹浦・虎杖浜地区): ナトリウム塩化物泉(pH8.2・弱アルカリ性)
源泉温度: 51℃(白老地区)・約49℃(虎杖浜地区)
湯色: 茶褐色(モール温泉・白老地区)・無色透明(虎杖浜地区)
源泉数: 白老町全体で約130か所以上
源泉かけ流し: 界ポロト・ピリカレラホテル・竹浦地区各施設で実施
効能: リウマチ・神経痛・筋肉痛・冷え性・慢性皮膚病・慢性消化器病・美肌
旅の余韻

ウポポイでアイヌの歌と踊りに心を動かされた後、ポロト湖畔の湯小屋へと歩きます。
茶褐色のモール温泉に体を沈めると、「天然の化粧水」と呼ばれる湯が肌にとろりとまとわりつきます。
太古の植物が地中で変容し、白老の大地を通り抜けてこの湯になった。
北海道遺産という称号は、この湯の希少さを静かに証明しています。白老牛の深い旨みと醍醐鍋の北海道の恵みを味わいながら、ポロト湖に映る月を眺める夜。
アイヌの人々が何百年もの間「大きな沼」と呼んできたこの湖のほとりで、旅の時間が静かに満たされていきます。



