牧場踏査で見つかった「美肌の湯」【静内温泉】源泉かけ流し|二十間道路の桜並木・サラブレッドのふるさと新ひだかの旅


出典:公益社団法人 北海道観光機構
2026年06月22日更新

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湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

北海道日高郡新ひだか町、日高山脈の麓から太平洋へと注ぐ静内川のほとりに広がる森林公園「温泉の森」の中に、「町民保養施設 静内温泉」は静かに建っています。

泉質はナトリウム炭酸水素塩泉。

茶褐色のやわらかな湯は肌の表面を洗浄・軟化させる「美肌の湯」として日高の旅人に親しまれ、加温して浴槽に注がれる源泉かけ流しが体の芯からじんわりと温めます。

日本の道百選・さくら名所100選・北海道遺産に選ばれた「二十間道路桜並木」と日本一の馬産地として知られるサラブレッドの牧場。

この2つが新ひだかを代表する魅力であり、静内温泉はその旅をしっとりと締めくくる湯として地域に根付いています。

日高の森の温泉へ 牧場から生まれた120年の歴史

出典:公益社団法人 北海道観光機構

静内温泉は、北海道日高郡新ひだか町静内の森林公園「温泉の森」内に位置しています。新千歳空港から国道235号・日高自動車道を経由して車で約90分、札幌市内から車で約2時間30分というアクセスです。

バスは道南バス・ジェイ・アール北海道バス日勝線「静内温泉」停留所が最寄りで、旧・日高本線静内駅跡のバスターミナルから約15分です。

温泉の発見は明治32年(1899年)。地元農民が牧場踏査中に冷泉の湧出を見つけ、のちに「有勢内(うせない)鑛泉」として温泉旅館が営業を始めました。

昭和30年代に廃業した後、昭和52年(1977年)に静内町が町営の宿泊温泉施設として開業。その後2011年(平成23年)に耐震危険性が判明し休館となり、建て替え工事を経て2013年(平成25年)10月に鉄筋コンクリート造りの「町民保養施設 静内温泉」として新たにオープンしました。

住民の福祉施設として整備された施設でありながら、日高でも数少ない天然温泉として道外からの旅人にも広く利用されています。


二十間道路の桜並木・サラブレッド銀座 新ひだかの絶景と馬文化

出典:公益社団法人 北海道観光機構

静内温泉を拠点にすると、新ひだか町が誇る2つの圧倒的な体験が旅のハイライトになります。

「二十間道路桜並木」は日本の桜名所の中でも特別なスケールを持つ絶景です。

明治5年(1872年)に和種馬の大型改良のために開設された御料牧場の行啓道路として整備され、大正5年(1916年)から3年の歳月をかけて近隣の山々からエゾヤマザクラなどを移植。

道幅20間(約36メートル)の直線道路を挟んで約7キロにわたって2,000本を超える樹齢100年のエゾヤマザクラが咲き誇る光景は「日本の道百選」「さくらの名所100選」「北海道遺産」に選定されており、5月上旬の開花時期には全国から約10万人の花見客が訪れます。

日高山脈を背景にした直線の桜のトンネルを歩く体験は、道内のほかの桜名所とは別次元の圧倒感があります。

また新ひだか町は「サラブレッドのふるさと」として全国に名が知られており、シンザン・オグリキャップ・トウショウボーイなど数多くの名馬を輩出してきた日本一の軽種馬生産地です。

「サラブレッド銀座」と呼ばれる牧場地帯では、放牧場を走る若駒たちを間近に眺めることができ、「競走馬のふるさと日高案内所」では日高の馬産業の歴史と現在を体感的に学べます。

桜と馬という新ひだかならではの組み合わせが、温泉旅に奥行きを加えます。


日高昆布・エゾシカ・太平洋の海の幸 新ひだかの食

出典:フォトAC

新ひだか町の食は、山と海の両方の恵みが豊かに揃います。

日高沿岸は「日高昆布」の一大産地として知られており、肉厚でうま味が強く、煮物・だし・佃煮などに広く使われる昆布の中でも品質が高く評価されています。

静内北海温泉のレストランでは日高産の旬の海鮮やエゾシカ熟成肉が提供されており、太平洋の新鮮な魚介とともに日高の食の豊かさを堪能できます。

また地元の道の駅や市場では、春から夏にかけてサケ・マス・ホタテ・ウニ・毛ガニなど太平洋の海の幸が豊富に並びます。

近年は日高産のエゾシカ肉が熟成技術の向上とともに全国的な評価を得ており、ジビエ料理として提供する飲食店も増えています。


茶褐色のやわらかな美肌湯 源泉かけ流し体験

出典:公益社団法人 北海道観光機構

静内温泉の泉質はナトリウム炭酸水素塩泉。冷鉱泉を加温して浴用に提供する源泉かけ流しです。

湯口から注がれる湯は茶褐色のやわらかな色合いを持ち、炭酸水素塩の成分が肌の表面を洗浄・軟化させる「クレンジング効果」をもたらします。

皮膚の脂肪や分泌物を乳化して洗い流す作用が石けんに近い働きをするため、入浴後の肌がつるりとなめらかに整う「美肌の湯」として日高の旅人に愛されてきました。

体の芯からじんわりと温まり、湯上がりのぽかぽかが長続きする保温効果も高く評価されています。

浴場は男女別の内風呂・水風呂・サウナを完備し、家族風呂も備えています。

主浴槽は腰掛けや足を伸ばせる浅めのスペースを広くとった半身浴仕様で、体に負担をかけずゆっくりと長湯が楽しめる設計です。

施設の周辺は森林公園「温泉の森」として整備されており、キャンプ場・屋内ゲートボール場・テニスコートも隣接しています。館内には軽食コーナーを備えたレストランもあり、入浴後のゆったりとした休憩が楽しめます。


静内温泉の源泉かけ流し概要

出典:公益社団法人 北海道観光機構

泉質: ナトリウム炭酸水素塩泉

湯色: 茶褐色・やわらかな肌触り

源泉: 冷鉱泉を加温して提供・源泉かけ流し

効能: 皮膚病・切り傷・やけど・神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・疲労回復・美肌

旅の余韻

出典:公益社団法人 北海道観光機構

二十間道路の桜のトンネルを抜けてきた後、静内川沿いの森の中へ車を走らせると、温泉の森が静かに迎えてくれます。

茶褐色のやわらかな湯に体を沈めると、7キロの桜並木を歩いた足の疲れと春の冷気がじんわりと溶けていきます。

サラブレッドたちが放牧場を駆ける光景と、樹齢100年のエゾヤマザクラが一斉に咲く光景と、日高の温泉のやわらかな美肌湯。

この3つが重なる春の新ひだかの旅は、北海道の中でも特別な記憶になります。

明治の農民が牧場踏査で偶然見つけた冷泉が、120年後も変わらず旅人の体を整え続けています。