小樽運河と海鮮の後に浸かる【小樽温泉】源泉かけ流し|北海道・朝里川温泉と市内の湯をめぐる旅
この記事を書いた人
湯あがり ぽか子
温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!
運河の街・小樽には、知られざる温泉文化があります。
朝里川沿いの山あいに広がる「朝里川温泉」(小樽温泉)は、昭和29年(1954年)の開湯以来、8軒の旅館・ホテルが点在する静かな温泉地として発展してきました。
泉質はアルカリ性単純温泉・ナトリウム塩化物泉・ナトリウム塩化物炭酸水素塩泉など施設によって異なり、「美肌の湯」と評判の肌触りやわらかな湯が特徴です。
小樽市街から車で約20〜25分という立地は、小樽観光の拠点として申し分なく、北海道ならではの海鮮と温泉を組み合わせる旅を可能にしています。
目次
小樽の温泉へ 朝里川渓谷と市内の湯文化

小樽温泉(朝里川温泉)は、小樽市南東部・朝里川沿いの緑豊かな山あいに位置しています。
JR小樽駅から路線バスで約25〜30分、小樽市街からは車で約20〜25分というアクセスです。
朝里川沿いには旅館・ホテルが8軒並び、春の新緑・芝桜・秋の紅葉と四季折々の渓谷美が楽しめます。
施設によって泉質が異なるのが特徴で、アルカリ性単純温泉・ナトリウム塩化物炭酸水素塩泉・ナトリウム硫酸塩泉などが各宿で引かれており、宿ごとに異なる泉質を比べる湯めぐりも楽しめます。
また小樽市街にも個性的な温泉施設が点在しています。フェリーターミナル近くの「小樽温泉オスパ」(24時間営業・地下750メートルからの強塩泉)、歴史ある「小樽天然温泉 湯の花 手宮殿」(ナトリウム硫酸塩泉・10種類の浴槽)など、港町ならではの多彩な温泉体験が市内でも楽しめます。
小樽運河・寿司屋通り・余市・積丹 北海道随一の観光圏

出典:文化庁
小樽温泉を拠点にすると、北海道屈指の観光圏が一日でめぐれます。
小樽運河周辺の石造り倉庫群・ガス灯・ガラス工房・オルゴール堂は明治・大正の港町の面影を今に伝え、夜のガス灯の光景は特に美しいものです。
「小樽寿司屋通り」は全国屈指の寿司激戦区として知られており、地元産の海鮮を乗せた寿司は小樽旅行の最大の楽しみのひとつです。
余市町では「ニッカウヰスキー余市蒸留所」の見学が人気で、NHK連続テレビ小説「マッサン」の舞台として全国に名が広まりました。
さらに積丹半島の「シャコタンブルー」と呼ばれるコバルトブルーの海と、6〜8月の積丹ウニは北海道旅行の憧れの体験です。
小樽の食の恵み 海鮮・寿司・余市ウイスキーと北の幸

出典:おたる宏楽園
小樽の宿の夕食は、石狩湾・日本海・オホーツク海の豊かな海産物が主役です。
ニシン・ホタテ・ウニ・甘えびなど小樽近海の食材を使った懐石料理は、温泉の美肌の湯と合わさって体の内外から整える旅の体験になります。
「おたる宏楽園」(昭和32年創業)では自家源泉・地下500メートルからの天然温泉と、日本庭園を眺めながらの食事が評判です。
また朝里川温泉の各旅館では春の芝桜シーズン・秋の紅葉シーズンに特に人気が高まり、温泉と季節の自然が一体になった旅が楽しめます。
アルカリ美肌の湯から強塩泉まで 源泉かけ流し体験

小樽温泉(朝里川温泉)の主な泉質はアルカリ性単純温泉(pH8.4・源泉温度25〜27℃)で、加温して提供されます。
弱アルカリ性の成分が肌の古い角質をやわらかく落とし、天然の保湿成分・メタケイ酸(74.4mg/kg)が肌の水分を守って湯上がりのしっとり感を長続きさせる「美人の湯」です。
神経痛・脳卒中のリハビリにも適した優しい泉質として「神経痛の湯」とも呼ばれます。
一方、小樽市街の「小樽温泉オスパ」は地下750メートルからの強塩泉で保温効果が高く、「小樽天然温泉 湯の花 手宮殿」はナトリウム硫酸塩泉と塩化物泉の2種の源泉で10種の浴槽を楽しめます。
小樽という一つの街で、これほど多様な泉質と個性を持つ温泉が揃うのは北海道でも稀な存在です。
小樽温泉の源泉かけ流し概要

泉質(朝里川温泉): アルカリ性単純温泉(pH8.4)・ナトリウム塩化物炭酸水素塩泉・ナトリウム硫酸塩泉(施設により異なる)
源泉温度: 25〜42℃(施設により異なる・冷鉱泉は加温)
源泉かけ流し: おたる宏楽園ほか各旅館・市内施設にて実施
効能: 神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・美肌・疲労回復・脳卒中リハビリ
旅の余韻

小樽運河のガス灯の下で食べた寿司の記憶を胸に、朝里川の渓谷へと車を走らせます。
アルカリ性のやわらかな湯が肌をなめらかに整えていく感覚。
運河の街の華やかさとは全く違う、静かな温泉の夜が小樽の旅を深くしてくれます。
ウイスキーを一口含みながら、明日また積丹へ向かうことを思う。
小樽温泉は、旅のすべてをやさしく受け止めてくれる宿場のような温泉地です。



