香川県最古の湯【塩江温泉郷】源泉かけ流し|行基・弘法大師ゆかりの「べっぴんの湯」と讃岐の奥座敷を巡る旅


出典:公益社団法人香川県観光協会
2026年4月14日

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湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

香川県高松市の南端、讃岐山脈の山懐にひっそりと湧く温泉があります。

奈良時代の高僧・行基が発見し、その後弘法大師空海が万人に湯治を勧めたと伝わる塩江温泉郷。

開湯から約1,300年。

香川県内で最も古い歴史を持つこの温泉郷は、「讃岐の奥座敷」「高松の奥座敷」と呼ばれ、清流・香東川(こうとうがわ)のせせらぎとともに、今も旅人の心と体を静かに癒し続けています。

高松空港からわずか約10分という抜群のアクセスながら、足を踏み入れると別世界のような山里の静寂が広がる。そんな二つの顔を持つ温泉郷です。

讃岐山脈の山里へ 阿讃の自然と四季の風物詩

出典:公益社団法人香川県観光協会

塩江温泉郷は、香川県高松市の中央部南端、阿讃山脈のふところに抱かれた渓谷沿いの温泉地です。

温泉郷の中心を清流・香東川が流れ、周囲を緑豊かな讃岐山脈の山々が取り囲んでいます。南部は大滝大川県立自然公園に指定されており、山頂付近には香川県下唯一のブナ原生林も広がっています。

さらに「全国水源の森百選」にも選ばれた豊かな水源の地でもあります。

四季ごとの表情が豊かなのも塩江温泉郷の魅力のひとつです。

春は桜まつりで山里一帯が淡いピンクに染まり、6月になると香東川にゲンジボタルが乱舞します。

昭和64年(1989年)には環境庁より「ホタルの里」として選定されたこの清流は、夏の夜には光の宴を繰り広げ、訪れる人々を幻想的な世界へと誘います。

秋の紅葉まつりでは渓谷が赤や黄に彩られ、冬は山里の静寂がひときわ深まります。

春のさくらまつり・夏のホタルまつり・秋の温泉まつり・冬のもみじまつりと、一年を通じて四季の催しが開かれており、いつ訪れても新しい表情で旅人を迎えてくれる温泉郷です。


弘法大師が修行した地 不動の滝と金刀比羅宮への旅

出典:公益社団法人香川県観光協会

塩江温泉郷とその周辺には、弘法大師空海の足跡が深く刻まれています。

なかでも必見の景勝地が「不動の滝」です。

弘法大師がこの滝のもとで修行中に不動明王が現れたという伝説に由来し、花崗閃緑岩に懸かる五段の滝は別名「五重の滝」とも呼ばれています。

昭和51年には香川県の自然記念物に指定された名瀑で、高さ約40メートルの豪快な水の流れは、マイナスイオンに満ちた清涼感を旅人にもたらしてくれます。

また、温泉郷の中心を流れる香東川に架かる木製の行基橋も見逃せません。

開湯の祖・行基にちなんで名付けられたこの橋を渡ると、対岸には日帰り温泉「行基の湯」があります。

橋を渡るその一歩から、すでに1,300年の歴史への旅が始まります。

塩江温泉郷から足を延ばせば、四国随一の聖地・金刀比羅宮(こんぴらさん)へのアクセスも良好です。

785段の石段を登り詰めた先に広がる讃岐平野の眺望と、海の守護神として崇められてきた御本宮の荘厳な空気は、温泉旅に深みを添えてくれます。

参道には創業数十年を超える老舗うどん店も並び、参拝の後には讃岐うどんで旅の疲れを癒すことができます。


山と川の恵み あめご料理・イノシシ料理・讃岐うどんと白味噌鍋

出典:塩江温泉観光協会

塩江温泉郷の食文化は、讃岐山脈の山里ならではの素朴で豊かな味わいに満ちています。

温泉郷を代表するグルメが「あめご料理」です。

アマゴとも呼ばれる渓流の女王・あめごは、清流香東川の冷たく澄んだ水で育ちます。

身が締まり、淡白ながら上品な旨みを持つあめごの塩焼きや刺身は、塩江ならではの贅沢な一品。

刺身で食べられるほどの新鮮さは、清流の恩恵そのものです。

「イノシシ料理」もこの山里ならではの名物です。

阿讃山脈に生きるイノシシの肉は、脂がのりながら野趣あふれる深い味わいで、鍋や煮込みとして温泉宿の夕食を彩ります。

温泉宿での夕食で特に評判を呼んでいるのが「讃岐名物の白味噌鍋」です。

讃岐うどんの文化を育んだ香川らしく、甘みのある白味噌でじっくりと煮込んだ鍋は体の芯から温まり、源泉かけ流しの湯との相乗効果でより深い癒しをもたらしてくれます。

道の駅しおのえでも地元の農産物や特産品を購入でき、旅の土産に添えることができます。