意外と知られていない!草津温泉は「めぐり湯」禁止?その謎を調査!


更新日:2024年2月27日

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猫とワインと温泉が日々の癒し。自然の営みや偉大さを感じられる温泉が身近にある環境に感謝しつつ、その恩恵を堪能しています。後世まで大切に温泉とそれに伴う文化、歴史などを伝えていけるよう、独自の視点から日々執筆中。

日本一の自然湧出量を誇る草津温泉。日本を代表する温泉地のひとつであり、名湯として名高く海外の方にもよく知られた存在です。 草津温泉には数多くの源泉が存在しますが、草津の地では昔から「めぐり湯はしてはいけない」といわれていることをご存じでしょうか。温泉地の楽しみ方として定番のめぐり湯がなぜ草津温泉では戒められているのか、その理由に迫ってみましょう。

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草津温泉は「めぐり湯」が禁止?その理由は泉質の濃度にあった!

草津温泉では、基本的のどの温泉でも「源泉かけ流し」となっています。加水されていないため、100%源泉のパワーを味わえるのが草津温泉の魅力のひとつといえるでしょう。ではなぜ、草津温泉は「めぐり湯をしてはいけない」と昔から言い伝えられいるのでしょうか。

その理由は泉質・濃度にありました。

身体が溶ける!?草津温泉の湯は“強酸性”

草津温泉の湯は基本的に強酸性。日本有数の酸性度を誇る温泉で、草津温泉街の中心に位置する湯畑源泉の湯はpH2.1となっています。

強酸性の温泉は殺菌作用が強く傷や慢性皮膚病、神経痛などにいいとされていますが、その酸性度は1円玉なら1週間で溶けてしまうほど強力なものです。そのため浸かりすぎると皮膚表面の常在菌、肌の状態を良好に保つために必要な菌まで死滅してしまうため浸かりすぎには注意が必要です。

◇浸かりすぎを防ぐためにめぐり湯は戒められた?

また草津温泉は、その酸性度ゆえに入浴すると肌がピリピリします。このピリピリ感は極端にいえば、強い酸性のお湯に浸かることで皮膚を溶かしている状態なのです。古い不要な角質をはがし、肌をつるつるにするピーリング作用が期待できますが、長時間浸かりすぎると強く作用しすぎて肌荒れを起こしてしまうこともあります。

身体が溶けてしまうようなことはありませんが、強力な酸性度の温泉であるため頻繁な入浴や長時間の入浴は危険を伴うこともあるのです。そのためにめぐり湯が戒められている、と考えられるでしょう。

草津温泉の源泉それぞれの特徴をチェック!

ここで、草津温泉の主要な源泉の特徴を紹介しましょう。

◇湯畑源泉

草津温泉を象徴する、最も有名な源泉が湯畑源泉です。温泉街の中心に位置し、湯畑源泉から白く立ち上る湯けむりと硫黄臭は草津温泉街の雰囲気づくりに一役買っています。

湧き出た湯は木樋を通して外気に触れさせることで自然に温度を下げ、湯滝を流れ落ち各温泉施設へ運ばれる仕組み。湯畑源泉は無色透明でお湯のあたりは草津温泉の中では比較的やわらかい、とされています。

◇西の河原源泉

温泉街の西側に位置する荒原地帯にある大小50もの源泉の総称で、現在は温泉が湧く様子を気軽に観察できるように公園として整備されており、遊歩道もあるので散策もおすすめです。

お湯は無色透明で苦みがあるのが特徴。お湯のあたりは穏やかです。

◇白旗源泉

源頼朝が発見したという言い伝えがある白旗源泉は、湯畑の少し上の方に位置する源泉です。この源泉は硫黄分を多く含むために硫黄臭が強く、主要源泉の中で唯一白濁しているのが特徴です。

湯の花が多く見られ、お湯の肌あたりは少しピリッと感じます。

◇煮川源泉

 

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煮川源泉は地蔵通りの坂道を下った場所にあり、地下から湧き出た源泉を一度も外気に触れさせずに配湯しているため、かなり熱いのが特徴。お湯はピリッとした肌あたりで、無色透明です。

煮川源泉は一般の宿泊施設には配湯されておらず、町営の日帰り温泉施設「大滝乃湯」と源泉近くの共同浴場「煮川の湯」の2施設でのみ入浴可能です。

◇地蔵源泉

湯畑から少し離れた地蔵堂の近くに位置することからこの名がつけられた地蔵源泉。地蔵温泉は眼病によいとの言い伝えがあり、地蔵堂のお地蔵さまも「目洗い地蔵」と呼ばれています。

主力源泉の中では最も湧出量が少なく、かすかに白濁しており少しピリッとするお湯です。

◇万代鉱源泉

 

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1970年に噴出した草津温泉の中では比較的新しい源泉で、草津最大の噴出量を誇り多くの宿泊施設へ供給されています。

万代鉱源泉は硫黄分を含まず、pH1.7と主力源泉の中でも特に酸性度が高いのが特徴で、お湯はピリピリと肌への刺激は強く、ぬめり感があります。


短時間であれば傷口の治癒におすすめ!草津温泉の2種類の泉質の効用

硫黄泉

硫黄泉は温泉水1kg中に総硫黄が2mg以上含まれているものを指し、日本では比較的よく見る泉質です。大きく硫黄型と硫化水素型にわけられ、硫黄泉といって思い浮かぶ卵の腐ったような独特のにおいが強いのは硫化水素型にみられる特徴です。

硫黄泉は硫化水素の有無以外にも、そのほかの含有成分によって細かく泉質は分けられますが、一般的に硫黄泉はアトピー性皮膚炎などの慢性皮膚疾患や慢性婦人病、糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病などに良いとされています。

なお、硫黄泉はお湯の刺激が強いため、肌の弱い方や敏感肌の方、乾燥肌の方は注意が必要です。入浴の際には肌の様子をよく観察し、刺激が強すぎると感じれば無理をしないようにしましょう。

◇肌の弱い方はあがり湯を

温泉では成分を肌に残すためにあがり湯をしないのが一般的ですが、刺激が気になる場合はしっかりとあがり湯をすることをおすすめします。

また、硫黄泉は金属を変色させる作用もあるため、アクセサリーは外して入浴してください。

硫酸塩泉

硫酸塩泉は温泉水1kg中に1,000mg以上の含有成分を含み、かつ含有成分の陰イオンの主成分が硫酸イオンのものを指します。

カルシウム硫酸塩泉(石膏泉)、マグネシウム硫酸塩泉(正苦味泉)、ナトリウム硫酸塩泉(芒硝泉)など細かい分類がありますが、硫酸塩泉は一般的に傷にいい温泉であるといわれており、「傷の湯」という別名もあるほどです。

鎮静作用や血圧降下作用が期待でき、「脳卒中の湯」と呼ばれることも。動脈硬化症や糖尿病、痛風や肥満症などの改善も期待できます。

まだの余分な油分を取り去り、皮膚を清浄にするはたらきもあるためニキビや慢性皮膚炎にもおすすめです。


適度な入浴が草津温泉を楽しむカギ!正しいめぐり湯で草津温泉を楽しもう

温泉はそれぞれ特徴があります。温泉毎に異なる泉質を把握して、正しい方法で温泉を堪能することが大切です。

草津温泉は強酸性のため、長時間の入浴やあまりにも多すぎる入浴回数はおすすめできません。体調とも相談しながら、適度な時間、回数で草津温泉を楽しんでください。

草津温泉総合TOP:草津温泉の温泉・グルメ・旅プラン完全ガイド(2021年版)