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イメージは動く森!木の温もりを感じながら旅する列車「ゆふいんの森」で、由布院温泉へ

更新日:2022年10月21日

この記事を書いた人

ともきち

温泉が好きで、年に数回は友人や家族と国内旅行を計画し、色々な温泉地へ出かけています。温泉の中でも、濁り湯の露天風呂が特に好みです。旅先では、有名観光地や絶景スポットをひと通りまわり、地元の名物料理やお菓子の食べ歩きも欠かしません。旅好きならではの視点で、温泉地の情報や温泉にまつわる知識など、魅力あふれる記事をお届けします。

九州は福岡の博多駅と大分の由布院駅・別府駅を結ぶ特急「ゆふいんの森」。「乗ることそのものを忘れられないイベントに」をコンセプトとしたD&S(デザイン&ストーリー)列車。そのコンセプトを実現した夢のような列車は、今日もたくさんの人をワクワクさせていることでしょう。今回は、実際に「ゆふいんの森」に乗車し、車内の様子や車窓を流れる景色、弁当や地元の銘菓、飲み物を味わえる車内グルメなどを体験しました。記事後半では、全席指定席の「ゆふいんの森」の予約方法も紹介していますので、最後までご覧ください。

乗ってるだけで楽しめる観光列車の先駆け「ゆふいんの森」とは?

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「ゆふいんの森」は、移動手段としてではなく、乗ること自体を旅の目的とした観光列車の先駆けとなった列車。

列車の中にいながら九州の大自然の温もりを感じられ、由布院温泉の魅力がぎゅっと凝縮された「ゆふいんの森」に乗車することを旅の目的として、多くの人が訪れています。

ヨーロッパの保養地へ向かう高原列車をイメージして作られたという、ゆふいんの森。

グリーンに金色の帯が鮮やかに映えるレトロモダンなデザインが印象的です。

「ゆふいんの森」には、ゆふいんの森Ⅰ世(キハ71系4両編成)と、ゆふいんの森Ⅲ世(キハ72系5両編成)の2タイプの車両が使われています。

平成元年(1989年)のデビュー時から運行する車体が、ゆふいんの森Ⅰ世。後継のゆふいんの森Ⅲ世は、平成11年(1999年)に登場。

Ⅲ世のデザインを手がけたのは、九州を周遊する臨時高級寝台列車「ななつ星」のデザインでも知られる水戸岡鋭治氏です。

ゆふいんの森Ⅲ世は博多・由布院を1日2往復、ゆふいんの森Ⅰ世は博多・別府を1日1往復(月に数日運休)しています。

車体により前面デザインや側面の客室の窓の大きさが少し違います。

でも、どちらも客室が高い位置にあるハイデッカー構造なので、座席から車窓に広がる景色を存分に楽しむことができますよ。

外から見ると、一般的な電車より窓の位置が高いことがわかります。

ゆふいんの森の座席は2タイプ

ゆふいんの森の特急料金は1種類。

座席のタイプは一般的な4列並びの座席とボックスシートの2タイプとなっています。

4列並びの通常座席は、列車や号車ごとにシートや床、装飾品などのデザインも様々。

どの座席でも料金は同じなので、乗りたい号車や席があれば予約の時に席を指定しましょう。

選べる3種類のデザインで旅気分を盛り上げてくれる普通席

ゆふいんの森の座席は、どの車両も4列配置。

Ⅰ世とⅢ世、それぞれの車両ごとで座席や車内空間の雰囲気が変わります。

中でもおすすめは、ゆふいんの森Ⅲ世(本記事3枚目の写真)の植物をモチーフにしたデザインが森を思わせる雰囲気の座席。

ふかっとした程よいクッションの座り心地で、リラックス。

上下振動が少ない工夫がされているので、乗り心地も抜群です。

他に、白と黒のレトロポップな水玉やシックな深緑一色のシートなど、床や装飾品も含め、車両ごとに雰囲気が異なるのは面白いところ。

乗る度に車両を変更すれば、木漏れ日が溢れる優しい雰囲気や、深い森のような落ち着いた雰囲気など、違った空気感で旅を楽しめますよ。

グループ旅行に嬉しい「ボックスシート」

2号車には、3〜4人用のボックスシートがあります(料金は通常座席と同じ)。

折りたたみ式の広いテーブルに食べ物や飲み物を並べ、おしゃべりも弾みます。

背中には仕切り版もあるので、プライベート感もありますよ。

さぁ、乗車。木のぬくもりあふれる「ゆふいんの森Ⅲ世」で博多駅から由布院へ

今回は、福岡県にある博多駅から乗車。

さっそく、ホームへ向かいます。

ホームに佇む「ゆふいんの森」は、おしゃれ感満載!

乗車前に、列車との2ショットを記念撮影をして、いざ車内へ向かいます。

まるで吊り橋!車両移動ひとつにもワクワクが

入ってみてまず驚いたのは、乗車口から階段を登り、客席へ向かおうとした時、そこに現れたのは吊り橋!

車両の連結部分は吊り橋のデザインと、遊び心満載で、旅気分が盛り上がります。

いつもとは違う視点から望む車窓の景色に心も晴れ晴れ

さて、車両に入ります。

ハイデッカー構造なので、高い場所から車窓の景色を見晴らすことができ、気分は爽快。

車内も明るく開放的です。

前の座席とのスペースもゆとりがあるので、足を伸ばして十分くつろげます。

筑紫平野を抜けると、筑後川、その支流といくつも鉄橋を渡り、次第に緑の山々へと進んでいきます。

(車掌から見える筑後川)

(車窓から見る慈恩の滝)

天ヶ瀬駅を過ぎると、この旅一番の絶景スポット「慈恩(じおん)の滝」が現れます。

列車が徐行してくれるので、見逃しなく、写真もばっちり撮れます。

車内の説明パネルもチェックして、絶景をしばし満喫。

慈恩の滝は進行方向右に見えるので、右側の席を予約するのがおすすめです。

(車掌から望む耳納連山)

(車窓からの景色)

綺麗な青空と、自然豊かなのどかな雰囲気で心が落ち着きます。

他にも、プリンのような形をした「伐株山(きりかぶさん)」や、九州に唯一残されている扇形機関庫が残された「旧豊後森機関庫」なども見られます。

(車掌から見る伐株山)

(車窓から見る旧豊後森機関庫)

旧豊後森機関庫に訪れた観光客の方が手を振ってくれます。

このような交流も観光列車ならではの楽しみだったりしますよね。