まるで美術館!こだわり抜いた空間・モノに心奪われる温泉宿「伊香保温泉 香雲館」#26
目次
食材・器ともに季節を大事に。食欲をそそる色彩豊かな料理の数々

提供:香雲館(夕食の一例)
◇編集部:次に、お料理についてのこだわりなどをお伺いします。
◆塚越さん:お食事は、春夏秋冬で厳選した旬の食材をお客様のお好みに配慮しておもてなしすることにこだわっています。


提供:香雲館(季節のお料理の一例:春(左上)、夏(右上)、秋(左下)、冬(右下))
◆塚越さん:この地域には、美味しいブランド牛やポークが沢山あるのでお肉をメインにしたり、新鮮な鮎などの川魚なども人気があります。

提供:香雲館(お料理の一例:上州牛にぎり(左)、若鮎塩焼き(右))
◆塚越さん:また、海鮮の食材は、生簀(いけす)を備えて、美味しく召し上がっていただけるように配慮しています。
お食事は、ダイニングのあるお部屋以外は、ブライベートな空間となる料亭風のお食事処で、ご家族やご友人だけで気兼ねなく、お愉しみいただけます。
◇編集部:お料理とあわせるお酒などは、どのような種類があるのでしょうか?
◆塚越さん:日本酒は地のものを中心に取り揃えています。
それとワインは、今では新規のお取引が難しくなってしまった新潟のカールドッチワイナリーさんのものや、フランスやイタリヤ、チリのものを取り揃えています。
◇編集部:季節や器にもこだわりを感じ、お食事も五感で感じるおもてなしなのですね。
【ちょっと小話】伊香保温泉は温泉街の原点となる場所だった

伊香保温泉の”はじめて”の一つ目:温泉を使った都市計画
◆塚越さん:伊香保温泉は、いくつかの”はじめて”がある温泉地で、そのうちのひとつが、温泉を使って都市計画をした初めての地と言われています。
440年程前、武田勝頼と織田信長の「長篠の合戦」の頃、武田軍の武士たちが傷を癒すために温泉に浸かっていました。
その後、武田軍は戦に敗れるのですが、上位家臣たちによって、お店の種類や配置を計画しながら、温泉街として発展して行ったのが始まりとされています。
伊香保温泉の”はじめて”の二つ目:温泉饅頭発祥の地
◆塚越さん:二つ目は、「温泉饅頭発祥の地」です。
鉄分の多い茶色の湯の花が舞う「黄金の湯」を模して、茶色いお饅頭が全国に広まっていったと言われています。
そのため伊香保では、誰も温泉饅頭とは言わず「湯の花饅頭」と呼んでいます(笑)。
伊香保温泉の”はじめて”の三つ目:手ぬぐい発祥の地
◆塚越さん:三つ目は「手ぬぐい発祥の地」ということです。
伊香保温泉は、昔からハイソサエティ(上流社会)な温泉地であったことから、ご宿泊のお客様に湯タオルとして手ぬぐいをご提供した初めての温泉地だったそうです。
当時は、白い手ぬぐいが、黄金の湯に浸かり茶色く染まったものを、抱えて東京に戻ると「おっ伊香保に行ってきたんだね、粋だねー!」というような一種のステータスであったそうです。
◇編集部:伊香保温泉には、たくさんの”はじまり”があるのですね。ぜひ発祥の地で饅頭や手ぬぐいを手に取って嗜みたいものですね。
「香雲館」塚越さんがおすすめする温泉宿
◇編集部:「らくらく湯旅」ではリレー形式で温泉宿を紹介していきます。
塚越さんがおすすめする一度は泊まりたい温泉宿をご紹介いただけないでしょうか。
◆塚越さん:私がおすすめするのは、広島県廿日市市の宮島にある若宮温泉「みやじまの宿 岩惣」です。
◇編集部:こちらのお宿をおすすめする理由はどこでしょうか。
◆塚越さん:日本三景のひとつに挙げられる景勝地の宮島にある宿で、島全体が国立公園に指定されるなかにあり、世界文化遺産にも登録された抜群のロケーションと調和する宿であることです。
こちらのお宿の女将さんが、素晴らしい人格者であるとともに、格式や歴史を重んじていらっしゃっていることから、凛とした雰囲気の中でもリラックスすることができるお宿であることもおすすめのポイントですね。
私も何度か行かせていただいていますが、宮島では希少な温泉が湧く本当に素晴らしいお宿です。
<施設情報>
若宮温泉「みやじまの宿 岩惣」
・住所:〒739-0522 広島県廿日市市宮島町もみじ谷
・電話:0829-44-2233
・アクセス:
<電車>JR宮島口駅から徒歩5分で宮島口桟橋〜宮島桟橋まで連絡船で10分〜徒歩15分
<車>大野ICまたは廿日市ICより約10分で宮島口桟橋〜連絡船で宮島桟橋〜車5分
<飛行機>広島空港からシャトルバス45分でJR広島駅〜JR宮島駅まで25分(以下電車と同じ)



