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最も古い江戸時代の温泉番付でランクインした温泉地は!?名湯と呼ばれる温泉へいざ!

更新日:2020年11月13日

温泉旅行に出かける前にどこの温泉がいいのか、どの温泉が人気が高いのかチェックするという方も多いのではないでしょうか。ところで、温泉の人気ランキングはすでに江戸時代に存在していたことをご存じでしたか?今回は最も古い江戸時代の「温泉番付」でランクインした温泉地を紹介します。

温泉番付ってなに?

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そもそも温泉番付とは何のことでしょうか?

温泉番付とは温泉地の人気ランキングのようなものです。温泉番付の歴史や見方を知るなら、温泉地選びの参考になりますよ。

温泉番付は相撲の番付に見立てたものだった!

温泉番付は相撲の番付に見立てて温泉地をランキングした表のことです。相撲の番付は東西に分けて力士の階級や順位が表されていますが、それをまねて温泉地の順位をつけたのが温泉番付です。

江戸中期から末期にかけて流行した温泉ランキングのこと

温泉番付が作られるようになったのは江戸中期から末期にかけてのことです。印刷技術の進歩により、当時人気の高かった相撲の番付が木版に刷られて出回るようになりました。同じようにして温泉番付も作成されるようになりました。

番付が行われたのは温泉だけではありません。歌舞伎役者や落語家、料理店なども番付によってランキングされました。町人文化が発達した江戸や大阪を中心にさまざまな番付が作成され、今で言うガイドブックのような役割を果たしたようです。

温泉番付1位は「大関」と称されていた!

ちなみに温泉番付の1位は「大関」です。相撲の最高位と言えば横綱ですが、当時の最高位は大関だったので、江戸時代の温泉番付で1位を見つけたければ大関に注目してください。また温泉番付は東西に分かれているので、1位は2つあることになります。

◇「行司」や「勧進元」などの別格の温泉地も

温泉番付には大関や関脇のような力士の階級以外に、「行司(ぎょうじ)」「勧進元(かんじんもと)」などにも温泉地が記載されています。由緒ある特別な温泉地はこうして別格扱いされたようです。

最も古い温泉番付は「諸国温泉効能鑑」!

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最も古い温泉番付として知られているのは「諸国温泉効能鑑(しょこくおんせんこうのうかがみ)」です。この温泉番付について簡単に解説します。

現存する「諸国温泉効能鑑」は文化14年(1817)に記されたもの

最も古い温泉番付である「諸国温泉効能鑑」は文化14年(1817)に作成されたと言われています。これをもとに、さまざまな版元が各自の裁量で温泉番付を作成していきました。

温泉番付には効能が併記されていた!効果が高いほど上位にランクイン?

温泉番付には各温泉地と一緒にコメントが記されています。コメントには「諸病によし」「ひえしょうによし」「頭つうによし」など、温泉の効能が併記されているのです。

当時から湯治を目的として温泉に浸かる人が多かったこともあり、効能が温泉番付に大きく影響していたことが分かります。

温泉番付1位はどこ?東・西の「大関」をチェック

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早速温泉番付の1位から見ていきましょう。相撲の番付と同じですから1位は「大関」です。それでは東・西の「大関」を紹介します。

東の大関は徳川吉宗のお気に入り「草津温泉」

東の大関に選ばれたのは群馬県にある「草津(くさつ)温泉」です。「恋の病以外ならどんな病気でも治る」と言われたこともある人気温泉地で、現在の人気温泉ランキングでも上位を独占しています。

草津温泉と言えば、八代将軍徳川吉宗が湯治のために樽詰めにして江戸に運ばせた逸話が有名です。江戸時代に将軍から気に入られた草津温泉は今でも活気に溢れる温泉街で、一人旅から家族旅行まで幅広く対応する旅館が揃っています。

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西の大関は日本最古の温泉地「有馬温泉」

西の大関に選ばれたのは兵庫県にある「有馬(ありま)温泉」です。「日本三名泉」「日本三古泉」とも呼ばれている日本最古の温泉地で、豊臣秀吉がこよなく愛したことでも知られています。

有馬温泉では、赤茶色に濁った「金泉」と無色透明な「銀泉」の2種類の湯を楽しむことができます。美人の湯としても名高い金泉は、モナコ王妃のグレース・ケリーも訪れたことがあります。

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