炭酸体感日本一【七里田温泉】源泉かけ流し|弥生時代から湧く「ラムネの湯」と久住高原の絶景を巡る旅


出典:木乃葉の湯・下ん湯
2026年4月16日

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湯あがり ぽか子

温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!

湯船に入った瞬間、全身に銀色の泡がまとわりついてくる。

大分県竹田市久住町、くじゅう連山の南東麓に広がる久住高原の田園地帯に、その体験を求めて全国から温泉ファンが集まる温泉があります。

「炭酸体感日本一」とも称される「七里田温泉」の「下ん湯(ラムネの湯)」です。

弥生時代の古い記録にもその存在が刻まれ、460年前には岡藩の殿様も入ったと伝わるこの源泉は、加温も加水も一切せず、湧き出た天然の炭酸泉をそのまま源泉かけ流しで浴槽に注ぎ続けています。

湯量毎分200リットルという豊富な自噴泉から生まれる、ソーダのようにシュワシュワと弾ける湯の感触は、一度体験したら忘れられないと言います。

くじゅう連山と久住高原 阿蘇を遠望する大自然の懐へ

出典:木乃葉の湯・下ん湯

七里田温泉は、大分県竹田市久住町の久住高原東部、大船山(たいせんざん)の南東麓に位置しています。

周囲には静かな田園と山里の風景が広がり、木乃葉の湯の露天風呂からはくじゅう連山を望み、晴れた日には遠く阿蘇の山並みまで見渡すことができます。

くじゅう連山は九州の屋根とも呼ばれる火山群で、5〜6月のミヤマキリシマが山肌を覆う光景は特に名高く、登山者の間では「九州で最も美しい季節の山」として知られています。

七里田温泉はくじゅう連山への登山口にも近く、登山の疲れを炭酸の湯で癒す旅人も多く訪れます。

6月中旬ごろには温泉近くの川辺でゲンジボタルが乱舞します。

夜の川を覆う無数の光の瞬きは、久住高原の夏の風物詩のひとつです。秋には一帯が草紅葉と木々の紅葉に染まり、冬は白銀の高原となる。

四季ごとにまったく異なる表情を見せてくれる大自然の中に、この温泉は静かにたたずんでいます。

また七里田温泉を含む旧久住町内の温泉は「久住高原温泉郷」として、竹田市内の長湯温泉・竹田荻温泉とともに「竹田温泉群」として国民保養温泉地に指定されています。


竹田市の食文化 団子汁・酒饅頭と久住高原の恵み

出典:木乃葉の湯・下ん湯

七里田温泉の湯上がりにぜひ味わっていただきたいのが、木乃葉の湯の軽食コーナーで食べられる「団子汁」です。

団子汁は竹田市周辺の郷土料理で、小麦粉で作った平たい団子を味噌仕立ての汁に入れ、季節の野菜とともに煮込んだものです。

素朴ながらも体を芯から温めるこの一品は、大分の山里の家庭料理として代々受け継がれてきました。

炭酸泉でじっくり温まった後にいただく団子汁は、五臓六腑に染み渡るようなやさしい味わいです。

もうひとつの名物が「酒饅頭」です。

昔ながらの製法で作った麹仕立ての皮と、地元産の小豆を使った餡が合わさり、蒸し立てをその場でいただけます。

施設内には地域の農産物を販売するコーナーもあり、久住高原で育ったアスパラガスや旬の野菜、濃厚な地域の牛乳なども購入できます。

温泉と地の食が揃う七里田温泉は、旅の目的地としても、立ち寄り湯としても、地元の恵みを丸ごと味わえる場所です。


弥生時代から湧く炭酸泉 「ラムネの湯」の驚くべき泡つき体験

出典:木乃葉の湯・下ん湯

七里田温泉の歴史は、古い記録によれば弥生時代にまでさかのぼります。

くじゅう連山の火山活動がもたらした豊富な炭酸ガスを含む温泉が、太古の昔からこの地で湧き続けてきました。

その後も460年以上にわたり地元の人々に愛され、岡藩の殿様も入ったと伝わる歴史ある湯です。

この温泉が全国の温泉ファンを引きつける最大の理由は、「炭酸体感日本一」とも称される「下ん湯(ラムネの湯)」の圧倒的な泡つきです。

掘削深度100メートルの自噴泉から直接引いた源泉かけ流しの湯に足を踏み入れた瞬間、全身に無数の銀色の泡がまとわりつきます。

湯口付近ではサイダーのように激しく炭酸の泡が弾け飛ぶ様子が目で見てわかるほど。

これだけの泡つきが得られるのは、源泉と湯船の距離が1メートル以下の至近距離にあり、豊富な湧出量の自噴泉から大量の源泉が直接注ぎ込まれているからです。

源泉温度は36〜37℃とぬるめですが、炭酸ガスが体内に吸収されることで血管が拡張し、入浴から20〜30分ほどで全身がじわじわと熱くなってきます。

ぬるい湯なのに体の内側からポカポカになる不思議な感覚。これが炭酸泉の「心臓の湯」と呼ばれる所以です。

炭酸ガス濃度が非常に高いため、換気をせずにいると酸欠を起こす危険があります。

そのため浴室内は扇風機で換気しながら入浴します。

入浴時間は1時間以内が目安。その間中、体についた泡は落とさずそのままにしておくのが、炭酸成分を肌に最大限染み込ませるコツです。

飲泉も可能で、昔から地元の人々に胃腸薬代わりに飲まれてきました。

鉄分・ミネラル・炭酸を含むその味は独特ですが、「効きそう」と思わせる何かがあります。