竹久夢二が愛した【湯涌温泉】源泉かけ流し|加賀藩主御用達・養老時代から1,300年の美人湯と金沢の旅
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湯あがり ぽか子
温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!
养老2年(718年)、近郷の農夫が泉の中で一羽の白鷺が身を浸しているのを見て近づいてみると、湯が湧き出ていた。
この白鷺伝説が、湯涌温泉の始まりです。
石川県金沢市の東南部、浅野川の源流近くの緑深い山中に、「金沢の奥座敷」と称される湯涌温泉はひっそりと湯煙を上げています。
江戸時代には加賀百万石・前田藩主とその一族が常用した御用達の湯として栄え、大正初期にはドイツで開催された万国鉱泉博覧会に当時の内務省から「日本の名泉」として推薦・出展されたほどの名湯です。
そして大正時代には美人画の巨匠・竹久夢二が最愛の人・笠井彦乃を連れてこの地に滞在し、温泉街には今も「金沢湯涌夢二館」がその記憶を伝えています。
目次
金沢の奥座敷へ 浅野川の源流に湧く1,300年の名湯

出典:金沢湯涌江戸村
湯涌温泉は、金沢市中心部から車で約30分、浅野川の源流近くの深い山あいに位置しています。
兼六園からも約20〜25分と金沢観光の拠点として申し分ないアクセスながら、一歩足を踏み入れると街の喧騒が嘘のように消え、森の静けさと温泉の湯けむりだけが漂う別世界が広がります。
温泉街の最奥には人造湖・玉泉湖があり、その湖畔には加賀藩が伝統的に行ってきた「氷室行事」の氷室小屋が残っています。
温泉街の北側には江戸時代の建築物を移築した「金沢湯涌江戸村」もあり、当時の生活文化を体感できる施設として旅人を迎えています。
アニメ『花咲くいろは』の舞台モデルとなったことでも知られ、秋には作中の「ぼんぼり祭り」を現実化したイベントが開催されます。
金沢観光と湯涌温泉 兼六園・ひがし茶屋街からの旅

出典:兼六園観光協会
湯涌温泉を拠点にした金沢観光は、温泉と城下町文化を同時に満喫できる贅沢な旅になります。
日本三名園のひとつ「兼六園」は、四季ごとに異なる表情を見せる名園です。
冬の雪吊りはとりわけ美しく、加賀百万石の格式を今に伝えています。金沢城公園・ひがし茶屋街・にし茶屋街・主計町茶屋街など、江戸時代の面影が色濃く残る城下町の街並みは国内外から観光客を集めています。
金沢21世紀美術館も徒歩圏内にあり、伝統と現代アートが共存する金沢の魅力を一度の旅で体験できます。
湯涌温泉の宿から金沢市街への送迎を提供している施設も多く、観光の拠点として最適です。
加賀料理と山海の恵み 金沢の豊かな食文化

出典:金沢市観光協会
湯涌温泉の旅館で楽しめるのは、加賀百万石の食文化を受け継ぐ豊かな食卓です。
日本海の新鮮な海の幸。ノドグロ(アカムツ)・甘えび・ズワイガニ・加賀野菜を使った加賀料理は、金沢の食文化の誇りです。
山の恵みも豊富で、金沢近郊で育った山菜・岩魚・松茸など季節の食材を組み合わせた会席料理は、どの宿でも丁寧に仕上げられています。
銭がめのような庄屋屋敷を改装した宿では、加賀百万石・前田藩主が鷹狩りの休憩所として使ったという由緒ある空間で、山と川の恵みを古代檜の風呂上がりにゆっくりと堪能できます。



