上杉謙信が「申ヶ今日」と名付けた【猿ヶ京温泉】源泉かけ流し|赤谷湖畔の美肌湯と三国街道の旅
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湯あがり ぽか子
温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!
群馬県みなかみ町、赤谷湖のほとりに谷川連峰を望む温泉地があります。
永禄3年(1560年)、三国峠を越えてこの地に入城した上杉謙信は「関八州を手中にする」という吉夢を見て大いに喜び、申年・申の月・申の日という縁起のよさから「申ヶ今日」と名付けました。
これが訛って「猿ヶ京」になったと伝わります。
江戸時代には三国街道の関所が置かれ、笹の湯・湯島温泉として賑わったこの地の湯は、昭和33年(1958年)に相俣ダム建設で温泉街ごと赤谷湖の底に沈み、湖畔の現在地に生まれ変わりました。
目次
赤谷湖畔の温泉街へ 三国街道と湖が育む静かな旅

出典:豆富懐石の温泉旅館
猿ヶ京温泉は、利根郡みなかみ町の南部、三国峠の麓・赤谷湖のほとりに位置しています。
赤谷湖はダム建設によって生まれた人造湖ですが、谷川連峰を映す湖面と四季折々の山の色彩は静謐な美しさをたたえており、宿泊施設約40軒が湖を望むように立ち並びます。
温泉街には江戸幕府の関所跡も残り、かつて越後と江戸を結んだ三国街道の旅人たちが峠越えの疲れを癒したという歴史の厚みが漂います。
地名の由来となった上杉謙信の伝説、そして若夫婦に助けられたテジロ猿が大やけどを負った子供を温泉で治したという開湯伝説など、語り継がれる民話の多さも猿ヶ京温泉の特徴のひとつです。
たくみの里・与謝野晶子文学館・みなかみアウトドア

出典:豆富懐石の温泉旅館
猿ヶ京温泉を拠点にすると、みなかみ町ならではの多彩な体験が楽しめます。
温泉地から車で数分の「たくみの里」は、藍染・陶芸・竹細工・パン作りなど20以上の工房が点在する手工芸体験の里。
農村の景観の中でゆったりと職人の技に触れる時間は、温泉旅にちょうどよいアクセントになります。
また猿ヶ京温泉をこよなく愛した歌人・与謝野晶子の縁地として「三国路与謝野晶子紀行文学館」が温泉街にあり、晶子の書や紀行文をたどりながら当時の三国路の情景を想像できます。
さらにみなかみ町はラフティング・カヌー・トレッキングなどアウトドアアクティビティの聖地としても知られ、利根川の急流を下るラフティングは春〜秋の人気体験です。
温泉と大自然と手仕事が一度に楽しめる旅先として、猿ヶ京温泉はリピーターが多い温泉地です。
群馬の山の恵みと名物豆富懐石

出典:豆富懐石の温泉旅館
猿ヶ京温泉の食の主役は、地元の山の幸と豆富(豆腐)です。
猿ヶ京ホテルが発祥の「豆富懐石」は、自家製の豆富を前菜から主菜までふんだんに使った懐石料理で、猿ヶ京温泉を代表する名物料理として定着しています。
豆富の白い繊細な味わいと上州の山の幸、山菜・川魚・地元野菜が組み合わさった品数豊かな膳は、温泉の湯上がりに体に染み渡るやさしさです。
また旅籠屋丸一などの老舗宿では、昭和初期の古民家や明治の蔵を改築した趣のある空間で、地元食材を活かした創作郷土料理が囲炉裏やお膳で楽しめます。



