世界でも希少な石油系温泉【豊富温泉】源泉かけ流し|アトピー性皮膚炎に効く「オイル温泉」とサロベツ原野の旅
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湯あがり ぽか子
温泉大好き40年のベテラン。「一湯一会」を逃さないために、常に手ぬぐいを持ち歩いています。長年の経験で、お湯を触っただけで大体の泉質がわかる特技を持ちます。温泉好きが高じて、温泉ソムリエ・温泉観光アドバイザーの資格を取得。日本の宝である「温泉文化」を皆さんにお伝えできることが喜びです!
北海道天塩郡豊富町。大正15年(1926年)、石油試掘中に天然ガスとともに湧出した化石海水によるモール泉です。
世界的に見てもかなり珍しく、世界には2か所、日本では豊富町唯一の泉質として知られるこの湯は、「油風呂」「オイル温泉」とも呼ばれ、衣服に着色するほど成分が濃いことで温泉通の間では伝説的な存在です。
古くから火傷に効くとされてきましたが、21世紀に入ると乾癬やアトピー性皮膚炎などに効能があることが話題となり、観光客のほか、全国から湯治客が訪れるようになりました。
目次
日本最北の温泉街へ 石油掘削が生んだ100年の歴史

豊富温泉は、利尻礼文サロベツ国立公園の一角を占め、サロベツ川を挟んで広がる広大なサロベツ原野の東側に位置する北海道最北の温泉郷です。
稚内空港から車で約50分、JR宗谷本線の豊富駅から温泉街へはタクシーまたは町営バスで約15分でアクセスできます。
豊富温泉は大正14年より石油の試掘を行っており、翌年5月地下約960メートルの地点から高圧の天然ガスとともに温泉が湧き出た「日本最北の温泉」となりました。
昭和2年頃、草葺小屋を建てて地元の人たちが温泉として利用されるようになり、まもなくして8つの旅館が開業し、豊富町に温泉街が誕生しました。
1932年(昭和7年)には天塩電灯株式会社がガス発電による発電所を設置し温泉地区・豊富市街に点灯。1957年(昭和32年)には北海道電力が日本初の事業用ガスタービン発電所を開設、1972年まで稼動しました。
2026年には開湯100周年を迎えたこの温泉地は、1992年(平成4年)に国民保養温泉地に指定され、2015年(平成27年)には名湯百選にも選ばれています。
豊富町の中心部から東方約6キロに位置する温泉街には5軒ほどの宿泊施設があり、スキー場や町営の日帰り入浴施設が備えられています。
年間25万人が訪れる最北の温泉街として親しまれています。
サロベツ湿原・宗谷岬・利尻島 道北最果ての絶景をめぐる

豊富温泉を拠点にすると、日本最北端の地ならではの絶景が周囲に広がります。
温泉から車で約10分の場所に日本三大湿原のひとつ「サロベツ湿原」があります。
6,700ヘクタールの国内最大の高層湿原で、ラムサール条約にも登録されています。5〜9月にかけて100種類以上の花が次々に咲き、6月下旬から7月初旬は代表的な花「エゾカンゾウ」が見頃を迎えます。
整備された一周約1キロの木道から地平線の彼方に利尻富士を望む光景は、北海道らしいスケール感に満ちています。
「オロロンライン(道道106号線)」を北上すると、左手に日本海・右手に牧草地帯が広がる一直線の道路が続き、高さ約100メートルの風車が一直線に並ぶ「オトンルイ風力発電所」が出現します。
さらに北へ進めば宗谷岬——日本本土最北端の地の碑が立ち、天気がよければ宗谷海峡の向こうにサハリンの島影を望めます。
稚内港からは利尻島・礼文島へのフェリーも出ており、最北の旅をさらに奥へと広げられます。
宗谷近海の海の幸・トナカイ・合鴨 豊富町の食

豊富町を含む宗谷エリアの海産物は、宗谷海峡と日本海の豊かな漁場で育った新鮮な魚介類が揃います。ホタテ・タコ・ホッケ・ニシンなど道北の海の幸が宿の夕食を彩ります。
なかでも特筆すべきが「トナカイ」料理——豊富温泉のすぐそばにある「トナカイ観光牧場」は全国でもここだけという珍しい施設で、北欧で親しまれているトナカイを加工したソーセージや合鴨のお肉が道北の食文化として根付いています。
サロベツ原野の新鮮な農産物と合わせて、最北の地ならではの食体験が旅を豊かにします。



