林芙美子・吉川英治・横山大観が愛した【角間温泉】源泉かけ流し|室町時代から湧く文人の湯と3つの外湯めぐり


室町時代から湧く源泉かけ流し 熱く濃い塩化物泉の湯力

出典:仙境名湯の宿 高島屋

角間温泉の歴史は、室町時代に浄土真宗の高僧・蓮如がこの地で湯を発見したことに始まると伝わります。

江戸時代には松代藩の宿としても利用されており、藩主も入浴したというゆかりの湯です。

古くから「胃腸の名湯」「肌に優しい湯」として知られ、湯治客が絶えない温泉地として長い歴史を刻んできました。

泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉。源泉温度は70〜90℃という高温で、各旅館・共同浴場ともに源泉かけ流しで提供しています。

湯は基本的に無色透明ですが、浴槽の底や縁には成分が析出して赤茶けたり黒い湯の花が舞ったりと、いかにも「生きた温泉」の証が随所に見られます。

アルカリ性のやわらかな湯は肌にしっとりとなじみ、アトピーや皮膚病に効くと評判で、遠方から湯治目的で訪れる旅人も少なくありません。

湯の力は即効性があると評判で、一晩入るだけで翌朝の肌の変化を実感したという声が多いのも角間温泉ならではです。

飲泉でも胃腸に効くとされ、湯治場としての機能が今もしっかりと生き続けています。


角間温泉 岩屋館|真田の隠し湯に湧く茶褐色の炭酸泉・源泉かけ流し

出典:岩屋館

角間温泉 岩屋館は、長野県上田市真田町、角間渓谷に佇む一軒宿です。

猿飛佐助が修行したと伝わる角間渓谷の迫りくる岩壁を間近に望む大浴場「岩松」、渓流沿いの風景を楽しめる大浴場「若葉」、そして木々に囲まれた露天風呂「しゃくなげ」と、3つの湯が楽しめます。

最大の特徴は「茶褐色の炭酸泉」の源泉かけ流しです。

地表に湧き出た際は無色透明ですが、空気に触れた瞬間に鉄分が酸化し、日によって濃さの変わる美しい茶褐色を帯びます。

湯温は低めですが、鉄分を含んだ炭酸泉にゆっくり浸かるとじんわりと体の芯から温まり、日頃の疲れを癒してくれます。

もう一方の浴槽はかつて真田家が茶の湯のために汲みに来たという伝承が残る角間渓谷の天然湧水「真田の銘水」を使った上がり湯で、源泉かけ流しの炭酸泉とは別の位置づけです。

脱衣所前の廊下では「真田の銘水」と冷鉱泉「養命泉」の2種類の飲泉もでき、古来より胃腸に良いとされる養命泉の力を体の内側から受け取ることができます。

大浴場は24時間利用可能。露天風呂「しゃくなげ」からは冬には見事な雪見露天風呂が楽しめ、四季折々の角間渓谷の自然美とともに源泉かけ流しの炭酸泉を堪能できます。

角間温泉の源泉かけ流し概要

出典:仙境名湯の宿 高島屋

泉質: ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉(弱アルカリ性)

源泉温度: 70〜90℃(高温のため加水して適温調整・源泉かけ流し)

湯色: 無色透明・浴槽に黒い湯の花・赤茶の析出物

源泉かけ流し: 各旅館・共同浴場すべて源泉かけ流し(加温・循環・消毒なし)

効能: 皮膚病(アトピー含む)・神経痛・筋肉痛・関節痛・胃腸病(飲泉)・疲労回復

開湯: 室町時代(蓮如発見と伝わる)・500年以上の歴史

共同浴場: 大湯・滝の湯・新田の湯(宿泊者無料・大湯のみ日帰り300円で入浴可)

主な旅館: 高島屋旅館・ようだや旅館・越後屋旅館・福島屋旅館・角間荘(自炊湯治向け)

文人ゆかり: 林芙美子(疎開・執筆)・吉川英治(逗留)・横山大観(別荘・アトリエ)

アクセス: 長野電鉄湯田中駅より角間温泉行きバス・または上信越道信州中野ICより車で約30分