レトロな風情を残す「渋温泉」。奈良時代から続くその歴史と楽しみ方


3. 真田幸貫が本陣にしたと伝えられる宿「つばたや旅館」

「つばたや旅館」は、渋温泉で最も古い建物。

当時の藩主、真田幸貫(さなだゆきつら) が本陣にしたと伝えられており、館内にそのお宝や書状が残されています。

伯爵の身分の方々や松代藩主・佐久間象山、夏目漱石などの文豪も宿泊した場所として有名です。

提供:つばたや旅館

「つばたや旅館」では、大正時代に宮大工による木組みで造られた、釘を一切使っていない貸切風呂をぜひお試しください。

<施設詳細>
・施設名:つばたや旅館
・住所:長野県下高井郡山ノ内町渋温泉
・電話番号:0269‐33-2165
・宿泊料金(1泊2食、2名利用時):11,150円〜

4. 渋温泉を発見した行基菩薩に由来する「渋薬師庵」

提供:山ノ内町観光連盟

「渋薬師庵」の創建は、神亀(じんき)年間(724〜729年)。渋温泉の始まりとされる行基菩薩に由来します。

現在の御堂は、昭和6年(1931年)に再建されたもので、入母屋(いりもや)、銅瓦棒葺(かわらぼうぶき)、妻入(つまいり:入母屋屋根の建物で、建物の短辺の側に出入口を設けてそれを正面とするもの)、1間唐破風向拝(からはふこうはい:社寺の本殿や本堂の正面に礼拝のために設けられた張り出し部が、日本の城郭建築などにみられる頭部に丸みをつけて造形した破風の一種になっている)が特徴です。

薬師如来は疾病治癒、延命、災禍消去を司る仏である事から法薬、医薬を持って全ての病を治すとされます。

本来、仏や仏教は現世でそれらを信じれば、死後、極楽に行けるといった宗教観ですが、薬師如来は現世で御利益があるという珍しい仏様です。

渋温泉にある9つの外湯をめぐった後に、「渋薬師庵」に最後に参拝すると念願成就すると云われています。

毎年5月、10月には例祭(行基祭:温泉祭)が盛大に行われます。

<施設詳細>
・施設名:渋薬師庵
・住所:長野県下高井郡山ノ内町 渋2208

5. 効能の異なる外湯をめぐって九(苦)労を流し、満願成就「九湯めぐり」

提供:山ノ内町観光連盟

先ほども紹介したように渋温泉の宿泊客は、9つすべての外湯を無料で利用できます(「九番湯 渋大湯」のみ日帰り温泉客も利用可能)。

提供:山ノ内町観光連盟

外湯の温泉はどこも同じナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物温泉ですが、それぞれの源泉や混合割合が異なります。

効能は、眼疾や外傷性の障害などさまざまです。

「祈願手ぬぐい」にスタンプを押しながら外湯をめぐり、最後に「渋高薬師」へ参詣すれば、満願成就でき、九(苦)労を流し、厄除け、安産育児、不老長寿のご利益を受けられるといわれています。

6. 武田信玄にゆかりのある「横湯山温泉寺」

提供:山ノ内町観光連盟

「横湯山温泉寺」は、弘治2年(1556年)に開山した曹洞宗の寺です。

武田信玄にゆかりのある場所で、かつて川中島合戦の兵士が傷を癒やしたとされる温泉が境内にあり、パワースポットとして地元の方にも人気があります。

4つに区切られた足湯があるので、参拝ついでに気軽に無料で楽しめます。

日光東照宮の三猿(見ざる、言わざる、聞かざる)と、対になった逆三猿(見る、言う、聞く)の石像も見どころです。

<施設詳細>
・施設名:横湯山温泉寺
・住所:長野県下高井郡山ノ内町平穏2267‐3
・電話番号:0269-38-0246
・拝観時間:12:00~14:00
・定休日:不定休

7. 散策時に立ち寄りたい食べ歩きグルメスポット

渋温泉には、食べ歩きスポットもたくさんあります。

提供:小古井菓子店

老舗菓子店「小古井菓子店」のおすすめは、まん丸のパンにうずまき状のカスタードクリームが乗った「うずまきパン」(130円)やずっしりとした黄身餡が詰まった饅頭「老ノ松」(130円)。

提供:小古井菓子店

近くに「地獄谷野猿公苑」がある渋温泉ならではの可愛いサルの顔の金太郎飴「モンキーあめ」(150円)もあります。

提供:羽田甘精堂

「羽田甘精堂(はたかんせいどう)」の信州味噌の甘ダレが詰まった1口サイズの餅菓子「はやそばもち」(12個入、720円)も人気です。

提供:小古井菓子店

9つ仕切りのある「いとをかし箱」(箱代のみ、300円)を購入すれば(菓子店などで購入可能)、気になる自分好みの渋温泉土産が作れます。

パッケージのデザインも素敵で喜ばれること間違いなしです。

8. 旅の疲れを癒してくれる足湯スポット

渋温泉には、誰でも無料で浸かれる足湯が3つあります。

1つは先ほど紹介した「横湯山温泉寺」の足湯で、あと2つは、九番湯 大湯の屋上にある足湯「のふとまる」と「信玄足湯」です。

「のふとまる」とは、北信(ほくしん)地方の方言で「あたたまる」という意味。

大湯と同じ源泉から引く、鉄分で茶褐色に濁った湯で温まります。

「信玄足湯」は、大きさの違う石が敷き詰められており、ツボ押しでより心地よいひと時を過ごせます。

2周ほど歩き回ると足の疲れがすっきりとれて軽くなるので、散策の途中で立ち寄るのにおすすめのスポットです。

<施設詳細>
・施設名:足湯 足休処 信玄
・住所:長野県下高井郡山ノ内町大字平穏2094
・拝観時間:8:00~22:00
・定休日:なし