湯あたりが起きてしまった場合の対処法と予防策

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対処法

温泉で療養中不調になり湯あたりになった場合、温泉から出て外温に体を慣らしつつゆっくり体を休めていきます。その後水分を補給し、首筋など太い血管のある場所を冷却していきます。安静を保持し、身体を休ませることが大切です。

◇休息をとる

体調不良になった場合、まずは体を安静にすることが大切です。体を横にし体調が安定するまでしっかり体を休めましょう。無理をすると不調は長引きます。

◇水分補給をする

湯あたりは温泉の効能により、身体に悪影響が出ている状態です。状態を改善するためには体内の循環を良くする必要があり、排泄していくためにも水分はこまめに補給しましょう。

湯あたりが続く場合には医師の診断を

湯あたりは一時的なものであり、本来長く続くものではありません。数日にわたって湯あたりの症状である気分不快や吐気、身体のだるさを感じている場合は病院に行きましょう。

予防策

温泉に長く浸からない、4日に一度は温泉に浸からない日を作るなど体への負担を軽くすることが大切です。また水分補給として入浴後だけでなく、前にもビタミンC入りの飲料を飲むと良い予防になります。

◇ビタミンC入りの飲料を温泉前後に補給する

水分補給の際にコラーゲンの生成に必須栄養素であるビタミンCを補給すると、湯あたりの予防に繋がります。抗酸化作用も高い栄養素でもありますので、積極的に補給しましょう。

◇初日からの長風呂は控える

温泉には体に良い成分が含まれていますが、長風呂をすることで負荷が強くなります。湯治はそもそも2、3週間がいいとされており、まずはゆっくり体を慣らしていきましょう。

◇休息日を設定する

昔から湯治の有効な方法として3日浸かった後は1日休むことが必要と言われています。体を温泉の負担に慣らしていくためにも休息日の設定は必要になります。


お風呂上がりに気持ち悪いのは、湯あたりのせいではない?

お風呂に浸かっているとき、または、お風呂から上がった瞬間に立ちくらみしたり、気持ちが悪くなったりするのは、湯あたりが原因ではありません。

お風呂あがりに気持ち悪くなる原因

先ほど触れたように、入浴中またはお風呂あがりに、顔がほてったり、頭がくらくらする、ボーッとするなどと気分が悪くなる症状は、のぼせと言います。

お風呂に浸かり体が温まると、血管が広がり血圧が下がりやすい状態になります。また、お風呂の中では水圧がかかり血流が良くなるため、脳に血液がたくさん流れていきます。

その状態で急にお風呂からあがると、脳に集まった血液が手足の血管に一気に流れていくため、脳へ行く血流量が下がります。これがのぼせの原因です。

ただ、先ほど触れたように、幾度も入浴することで体力を使い、湯疲れしたことで気持ち悪くなってしまう可能性もあります。

いずれにせよ、運動不足の方や自律神経が乱れている方、貧血になりやすい方は、十分に注意しましょう。

お風呂あがりに気持ち悪くならないための予防策

注意すべきポイントをいくつか具体的にご紹介します。

◇入浴前の水分補給

実は私たちはお風呂でも汗をかいています。のぼせないためには、汗をかく分の水分補給を入浴前にしておくことが大事です。水分といっても、お酒を飲むことは避けましょう。

◇濡れタオルで血流を調整する

体温を上げすぎない、熱を溜めすぎないために、頭に濡れタオルをのせて入浴するのもおすすめです。一気に脳に血が流れるのを抑えることを防いでくれます。

◇湯船に浸かる前に必ずかけ湯をする

入浴前には、必ずかけ湯をしましょう。これも一気に血流が流れるのを防ぐのに大切なことです。

◇分割入浴をする

入浴中に体が温まってきたと感じたら、一度お湯からあがり体を冷まし、少し休憩して体のほてりが取れてきたら、再び入浴するという分割入浴を気掛けましょう。体が温め過ぎないように調節でき、のぼせの症状が抑えられます。

◇高温のお風呂や長時間入浴は避ける

のぼせは、温泉だけでなく、自宅のお風呂でも起きうる症状です。しかし、自宅より温泉の方がのぼせやすいと感じるのは、温泉の方が湯温が高いからです。

実際、お湯の温度をたった1度下げただけでも、のぼせのリスクはかなり減ると言われています。

入浴する湯温は、ぬるめの38度から40度が適温です。もし熱いお湯に浸かる場合は、長時間入浴は避けましょう。

お風呂あがりに気持ち悪くなってしまった場合の対処法

先ほど説明したような点に気をつけて入浴しても、普段と体調が違っていたりして、気分が悪くなってしまうこともあります。

そんな時のための対処法を説明します。

◇横になって休む

気分が悪くなったら、まずは、横になって休むことです。無理に立っていると、立ちくらみして転び、ケガをすることもあります。気分が落ち着くまで横になり安静にしていましょう。

◇首筋や手足を冷やす

のぼせの原因である熱をとるために、体を冷やすことも有効です。

ただし、水風呂に浸かったり、かけ水をして急激に冷やすと逆効果になるので、最初に血管が集まる首筋や手足を冷やして、全身を徐々に冷やすように心がけましょう。

◇万が一意識がなくなった時は、気道の確保が最優先

自分でなくても、誰かが気分が悪くなることも考えられます。万が一、意識がない場合は、気道の確保が最優先です。気動の確保は、喉の部分を真っ直ぐにして行います。嘔吐すると喉を詰らせることがあるので、横向きかうつぶせにして喉に嘔吐物が詰らないようにする方が安全です。

ヒートショックにも気をつけよう

急激に温度が変化することで、血圧が急に上昇したり下降したりして体が不調になることを「ヒートショック」と言います。ヒートショックを起こすと心臓や血管に異常が発生して突然死する場合もあります。

くり返しになりますが、入浴時の急な温度変化は急激な血圧の変化に繋がり、脳や心臓に異常を起こして事故につながる可能性があるので要注意です。

ヒートショックを避けるにはのぼせの予防同様、入浴前のかけ湯をすること、熱いお湯に長時間浸からないこと、湯あがり後に脱衣所などで急に体を冷やさないことを心がけましょう。


湯あたりに注意して温泉ライフを楽しもう

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温泉には泉質によって違う効能がある泉質別適応症の他に、どの温泉でも期待できる一般適応症があり、どの温泉でも浸かるだけで健康に良い効果を得ることができます。

その一方で、長湯や初日から何度も浸かるなど付き合い方により、湯あたりなど体に不調をきたす場合もあります。

お湯に浸かる前にかけ湯で体を温め、温度変化を少なくする、ゆっくり浸かってゆっくり出る、ぬるめのお湯に浸かるなど体への急激な変化が起きないように行動することが大切です。

正しい温泉との付き合い方はしっかり学び、温泉を満喫しましょう。